ヤマハ発動機創業60周年 好調のライダーたちに迫る

rossirorenzo

MotoGPでは所属するバレンティーノ・ロッシとホルヘ・ロレンソがランキング首位を争い、ファクトリー体制で臨んだ鈴鹿8耐では19年ぶりの優勝を果たすなど、今シーズンの二輪レース界を席巻しているヤマハ。記念すべき創業60周年のシーズンで、好調ぶりを発揮しているヤマハのライダーたちに話を聞いた。(取材日:9月12日)

rossi1バレンティーノ・ロッシ
VALENTINO ROSSI
1979年2月16日生まれ

日本GPでベストを尽くすことを誓う

■とても充実したシーズンを送っていますね。
「驚異的なシーズンだし、最後の最後までこの調子が続くことを信じている。11レース中11回表彰台に上がることができているのだから、ポジティブだよ。ホルヘ(・ロレンソ)も僕も、ライダーズランキングで首位タイ(9月10日現在)だ。チームとコンストラクターチャンピオンのタイトルを目指すYAMAHAにとっても、これは大きいね。恐らく、ライダーのチャンピオン争いは最終戦までもつれ込むはずだ。マルク(・マルケス)、ホルヘ、僕と、今のMotoGPには常に速さを発揮できるライダーが3人いる。僕らはみんな、良いコンディションだし、みんながチャンピオンのタイトルを欲しているんだ。だから、現時点ではハッピーな気分だけど、もっと改善していく必要がある。予選の改善もそうだし、日曜が決勝の場合は大抵金曜に行われる練習走行もそう。やらなければならないことはまだまだあるし、僕にはそれができると思っている。それだけ今、自信があるよ。レースのレベルも高いし、そのレベルの高いレースでの結果は、ガレージでチームが成し遂げた成果そのものだからね」

■タイトル争いへの自信は?
「ミサノ、セパン、フィリップアイランドといった僕の大好きなサーキットがまだ残っているけど、今シーズンは本当に拮抗していて、何が起こってもおかしくないんだ。イレギュラーはたくさんあるし、それでもここまではうまくきているから、シーズン終盤へ向け、もっともっと強くなる必要があると感じているよ」

■過去数年と、今年との違いは?
「歳をとったことかな(笑)。実際、かなりフィットしているし、以前と比較してもコンペティティブだよ。(YAMAHA復帰後の)過去2年もずっとハードワークをしてきたけれど、正直に言うと、これまでのキャリアの中で、そんなにトレーニングはしてこなかったんだ。でも今シーズンはかつてないほどのトレーニングをシーズン前にこなし、開幕に向けて備えた。開幕後も休みらしい休みといえば、ほんの数日、友人と夏休みを楽しんだくらいさ。長くレースの世界にいるけど、ライダーのライフスタイルは劇的に変わってきているね。今やMotoGPのライダーたちは驚くべきアスリートになったし、フィジカルトレーニングも、サッカー同様によく研究されたメニューを消化していくわけだからね。以前はこんなんじゃなかったよ。トレーニングの必要なんてなかったし、寝て、ビール飲んで、レースへ行っても勝てる時代だった(笑)。これがレース界が変わったという理由だよ。以前はレース中でも他のライダーについて研究するゆとりがあったけれど、今は1周目から全開で、驚異的なスーパーラップをゴールまで続けるんだ。そうしたリズムをキープするためにトレーニングは欠かせないし、レース中に問われる集中力も半端じゃないのさ」

■日本のファンにメッセージをお願いします。
「いつも、多大なサポートと応援をくれる日本のファンの皆さんに感謝を伝えたい。過去20年、ずっと支えてくれて共に歩んできてくれたことに対して、いくら感謝してもしきれないよ。本当に、(ツインリンク)もてぎで再びみんなに会えることを心待ちにしているんだ。計り知れないほど貴重な日本のファンのみんなの、全てのサポートに対して感謝を表すために、日本GPでベストを尽くすことを誓うよ!」

,ホルヘ・ロレンソ
JORGE LORENZO
1987年5月4日生まれ

もう1度、“Revs your Heart”

■とても充実したシーズンを送っていますね。
「今シーズンは、レースをするたびに、より一層エキサイティングになってきている。僕たちの調子は良いし、2台の“M1”がシーズンポイントランキングでトップ2を独占しているね。これはコンストラクターとしてもチームとしてもいいニュースだ。素晴らしいシーズンを楽しめているし、バレ(ンティーノ・ロッシ)も僕もベストを尽くせているから、かなりハッピーだよ。とはいっても、シーズン終盤へ向けてチャンピオン争いはタイトで厳しいものになっていくはずだから、自分たちの仕事にこれまで以上に集中していく必要がある」

■タイトル争いへの自信は?
「多分、チャンピオン争いは最終戦までもつれるんじゃないかと予想している。バレは決してギブアップしないし、毎レース本当に粘り強い。決してミスをしないから、こちらもより集中して、ミスをしないようにしないといけないんだ。バイクはシーズンを通じてかなり改善されてきているし、昨シーズンよりも競争力があるのは間違いない。ブレーキングポイントやトラクションの面が改善された点が大きいよ。あとは、僕らライダーがベストのライディングをできれば、勝利がついてくるはずさ。その自信はあるよ」

■日本のファンにメッセージをお願いします。
「シーズンの終盤に向けて、いい緊張感があるし、僕たちはうまくやれる自信がある。特にミサノやフィリップアイランドはね。もちろん、日本GPのもてぎも、YAMAHAのホームだし、そこでの勝利はそういう意味でも重要だ。毎年多くのファンが熱く応援してくれるから、待ち遠しいよ。日本についての印象は、過去にも同じことを言ってるけど、大好きな国なんだ!とても礼儀正しく、レースへの情熱が素晴らしい。日本人はモータースポーツのカルチャーをずっと生かし続けているし、そうした伝統の継承がスポーツにとってどれほど重要なことか。『感動を創造すること』をスローガンに掲げているYAMAHAから、『感動』の哲学も学んだんだ。そのコンセプトが大好きだし、誇りに思う。YAMAHAの三冠達成(ライダー・チーム・コンストラクター)に向けて、日本GPではみんなの応援が大きな助けになるので、ぜひ応援してもらいたい。僕たちはもう1度、“Revs your Heart”(あなたの心をワクワクさせたい)!」

ヤマハの2人がタイトルを争う

ヤマハのサテライトチーム『Monster Yamaha Tech3』からMotoGPに参戦しているポル・エスパルガロとブラッドリー・スミスは、この夏の鈴鹿8耐でYAMAHA FACTORY RACINGの一員として参加し19年ぶりの優勝に貢献。ヤマハの未来を担う2人に、日本GPへの想いを聞いた。

エスパルガロ1 ポル・エスパルガロ
POL ESPARGARO
1991年6月10日生まれ

より素晴らしい結果を残せるはず

■日本GPへの想いを聞かせてください。
「鈴鹿8耐での勝利の後、ヤマハファクトリー同様に、“Monster Yamaha Tech3”のチームにとっても、もてぎでの日本GPが非常に特別な経験となることを確信している。今年は、ヤマハ発動機にとっても、創業60周年の節目だし、今年が本当に特別な年だということは言うまでもない。過去数年に渡っても継続的な改善がされてきたけど、今シーズンはさらに驚くべき進化を続けている。日本GPで最高のバイクを得るために、自らのベストをチームへ捧げられることを誇りに思うし、それが素晴らしいヤマハのサポートに報いることだと思っているよ」

■残りのシーズンに向けての意気込みをお願いします。
「2015年、残りのシーズンに向けての抱負は、ここ数レースでの良い進歩を続けることだ。今も調子は良いけど、昨シーズンと比べると少しだけパフォーマンスレベルのギャップがあるので、その原因を突き止めて改善していく必要がある。もし、僕たちが今続けているこのハードワークをキープして、自信をもって前へ進んで行けば、2015年のシーズンが終わる前に、より素晴らしい結果を残せるはずさ」

スミス1 ブラッドリー・スミス
BRADLEY SMITH
1990年11月28日生まれ

日本GPには特別仕様のヘルメットで

■日本GPへの想いを聞かせてください。
「日本GPでもてぎへ行く僕を、再び快く受け入れてくれるであろう日本のファンの皆に、前もって、大きな感謝の意を表さなければならない。7月の経験は感動したよ。鈴鹿8耐では優勝を果たし、日本での2週間の滞在は素晴らしいものだった。約80,000人のファンを目の当たりにしてね。だから、10月にMotoGPのパドックに到着し、再びあの雰囲気を味わえるかと思うと、すごく楽しみなんだ。実は、日本GPには特別仕様のヘルメットを持ち込む予定で、近くなったらSNSにもいくつか写真をアップしていくので、みんなSNSをぜひチェックして欲しいね」

■残りのシーズンに向けての意気込みをお願いします。
「今シーズンは、最終的にトップ6に入ることを目指して戦っている。引き続きベストを尽くし、終盤戦までチャンピオンシップの5位くらいについていければ、必然的にそれは達成できるだろうし、バレンシアでの最終戦の前には『ファクトリーバイク』の前にいる必要があるだろう。これが僕のメインのターゲットであり、現時点でサテライトチームの中ではトップに位置しているので、よりハードに、できる限りプッシュしていくよ」
19年ぶりの優勝を果たした鈴鹿8耐にYAMAHA FACTORY RACINGのエースとして参加し、JSB1000クラスでも前人未到の4連覇に挑む中須賀克行。今シーズンもMotoGP日本GPへのワイルドカード参戦が決定した中須賀に、MotoGPへの想いや、JSB1000クラスへの意気込みを語ってもらった。

nakasuga1 中須賀 克行
KATSUYUKI NAKASUGA
1981年8月9日生まれ 福岡県出身

ポルとブラッドリーとの対戦が一番の楽しみ

■今年も日本GPへのワイルドカード参戦が決まりました。
「日本GPへは、今年で4回目の出場になります。レーシングライダーとしては、一発決めるぞという気持ちですが、世界の強豪が集うGPでは、スポット参戦ではなかなか上位にいけないのが現状です。それでなくても速くてタフなライダーたちが、日本GPまでに14レースを戦っていて、マシンもライダーも万全の状態でやってくるわけですからね。しかも、とくに今年は速いライダーがたくさんいる。バレ(ンティーノ・ロッシ)やホルヘ(・ロレンソ)、マルク(・マルケス)、ダニ(・ペドロサ)は別格だけれど、上位15人くらいのレベルがものすごく高い。だからポイント圏内の15位以内でゴールするのも苦労しそうです。もちろんヤマハファンのみなさんには活躍するところをお見せしたいという気持ちは強いですけどね」

■今年はヤマハがレース活動を始めて記念すべき60周年です。
「こうした節目の年に日本GPへ出場できるのは、本当に光栄です。マシンは特別カラーで、黄色と黒の、いわゆるヤマハのインターカラーになるようですが、黄色は僕のラッキーカラーなのでとても気に入っています。まあ、ラッキーカラーだから速く走れるかと言えば、関係ないのですけどね(笑)。でも、ヤマハファンの多くの人が憧れているカラーリングということなので、ぜひ注目してください」

■今年は、鈴鹿8耐で優勝し、全日本JSB1000でも前人未踏の4連覇に向けて快調です。
「鈴鹿8耐の優勝は、今でも夢のようですね。表彰台の中央からの景色は、本当に素晴らしかった。鈴鹿8耐で優勝経験のあるライダーから『すごいよ!』と聞いてはいたのですが、これまでは傍観者でしたから。でも本当にすごかった。2012年のバレンシアGPで2位になって表彰台に立ちましたが、それに匹敵するか、それ以上だったかもしれません。全日本JSB1000では、今年から新しいYZF-R1での戦いで、開幕戦から数戦は苦労した部分もありますが、チームスタッフがレース毎にうまくマシンをまとめてくれて、今ではいい状態で乗れています」

■MotoGPクラスでは、V・ロッシとJ・ロレンソが絶好調です。
「YZR-M1の開発ライダーとして、これは本当にうれしい。とくにバレやホルヘが、マシンのポテンシャルが上がっているとコメントが出るとうれしいですね。もちろんバレやホルヘの頑張りがあるから現在の成績があるのですが、そこに少しでも関わっている、少しでもサポートできているというのは、ステータスでもあります」

■今年の鈴鹿8耐でチームを組んだポル・エスパルガロとブラッドリー・スミスとも再会できます。
「これが一番の楽しみかもしれません。ポルとブラッドリーは、鈴鹿8耐以前にMotoGPのオフィシャルテストで顔を合わせてはいましたが、色々と話をしたのは鈴鹿8耐が初めてでした。鈴鹿8耐のテストを行う毎に信頼関係が深まり、お互いをリスペクトし合う仲になりました。もちろんチームの一体感も高まって、これが優勝できた理由だと思っています。今では仲間というか、親友でもあります。鈴鹿8耐が終わって彼らが日本を発つとき、ポルが『日本GPには出場するのか?』と聞いてきたので『たぶんね』と答えたら、いきなりファイティングポーズをとってきたんです。こっちもファイティングポーズで応えましたが、今度はライバルとして戦うことになるので、これもまた楽しみなんです」

■ファンへのメッセージをお願いします。
「自分の戦法は、JSB1000でもそうですが、とにかく集中して100%の力を出し切ること。これは日本GPでも同様です。最後まで絶対に諦めずに、一つでも上の順位を狙って、どん欲にプッシュし続けます。みなさんの期待はビシビシ伝わってきているので、とにかく最善を尽くして戦い、ファンのみなさんにとって、そして自分自身にとっても納得できるレースをしたいと思っています。応援よろしくお願いします」

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