女子アスリート対談『カラフルトーク 年末SP②』奥井迪×RENA

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シュートボクシングの女子エースとして活躍し、年末の格闘技イベント『RIZIN』で総合格闘技(MMA)に初挑戦するRENAと、競輪界最強女王を決める年末のガールズグランプリ出場を決めている奥おく井い 迪ふみ。ともに年末に大一番を控える2人の初対談は、競輪と格闘技の意外な共通点など新たな発見があった。

競輪と格闘技、怖いのはどっち?

■お互いの競技の印象は?
奥井「格闘技って、男性の方がやられているイメージが強くて、あんな激しいことを女性がやられているというのが想像できないですね。すごくきれいな顔をされてますし。そもそも、シュートボクシングとはどういう競技なのですか?」
RENA「ベースはキックボクシングに近いのですが、そこに投げ技、締め技、関節技が加わり、立っていればなんでもアリです。寝技だけはなくて、寝転んだらブレイクがかかります。投げだけでも勝ててしまったりするのですが、全ての要素が必要になります」

■競輪の印象はどうですか?
RENA「未知の世界ですね。今日、初めて競輪場に来ましたが、ウキウキワクワクして、さっき投票用紙も記入してみました。また、バンクで練習されているのを上から見ていて、距離があるのでスピードは分かりませんが、きっとすごいスピードなんだろうなと思いました。でもあれだけのスピードで走って怖くないですか?」
奥井「最初はやっぱり怖いですね。でも、殴られる方が怖いですよ(笑)。競輪は転ばなければ良いのですが、格闘技は絶対、殴られるわけじゃないですか。その恐怖心の方がすごいと思います」
RENA「確かに試合では怪我したりしますけど、練習でそこまで大きな怪我はないですし、投げられて手をついたときに捻ったりしますが、それは受身などで防げますから。これまで何回くらい転びましたか?」
奥井「私はプロになってからは転んだことがないんですよ。競輪は自分が転ばないように気をつけていても、相手に当たられてしまえば転ぶこともあります。でも、私は常に先頭を走る戦法なので、当たらせません(笑)。トレーニングで自転車に乗ることはないのですか?」
RENA「意外となくて、減量の最後の最後、エアロバイクを漕ぐくらいですかね。あとは心拍数を高めるトレーニングで、たまに漕ぎます。私は30秒で止めたくなりますが、(競輪は)常にですもんね。競輪は体重制限はありますか?」
奥井「制限はないんですよ。そこは楽ですね。でも重い方が有利かというとそうでもなくて、パワーがあるとスピードは出ますけど、俊敏さが失われますし、バランスが大事ですね。競輪学校時代に競馬の騎手の方と会ったのですが、すごく節制していて、ご飯も『え?もう終わり?』と思ったくらい。こっちは丼いっぱい食べてるのに(笑)。すごく厳しい世界だなと思いましたし、格闘技の減量もそれに近いんじゃないでしょうか」
RENA「騎手の方たちは常に体重をキープしなければいけませんが、私たちは1ヶ月くらいかけて試合に合わせていくので、あそこまでストイックではないと思います。試合に向けて落とす体重は、男性でだいたい10kgが目安で、それを1ヶ月、早い人は3週間で落としてしまいます。私は3週間くらいで4~7kgくらい落とします。食事に関しては、好きなものを好きなだけ食べるというスタンスで、減量期間も食べるものは考えますが、元気がなかったら焼肉を食べたり、週に1回は好きなものを食べるようにしています。そうすると当然、体重は増えますが、その後、スッと落ちていきます。停滞期もなくなるので、そうやって自分で波を作るイメージですね」

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共通点は「鍛えた分だけ強くなる」

■自身の競技の魅力を教えてください。
RENA「キックボクシングにはない、投げ・締め・関節技がある競技で、選手としてはやることが多くて休めないのですが、観る側からすれば展開が止まらないので、面白いと思います。あとは、“夢の戦い”が実現できるところですかね。キックボクサー対総合格闘家とか、普段交わることのない選手が戦うので、格闘技好きにはたまらない競技だと思います」
奥井「RENA選手の得意技はなんですか?」
RENA「性格上、パンチですかね(笑)。元々、グローブ空手という、道着を着たキックボクシングをやっていたのですが、その頃からパンチは好きでした。格闘技にはまってしまったのは、当時子供だったんですけど、先生が『何でも受けるから打ち込んで来い』と言われて、思いっきり殴るじゃないですか。でも全然当たらなくて、全部避けられて…。でもどんどん楽しくなってきて、ちょっと当たったときにすごく嬉しくて、もっと褒められたいと思って頑張るうちに、はまってしまいました。そこが原点ですね。今も楽しくやれています」
奥井「ガールズケイリンは、ラインとかあって複雑な男子に比べて、単騎の個人戦なので、レース的には観ていて分かりやすいと思います。なので競輪を知らない初心者の方でも観ていて面白いし、車券を買うにしても予想しやすく、入りやすいと思います。また、女子ならではの特長として、可愛い子もいるので、そういう子たちが一生懸命走っているだけでも、ファンからすれば親心といいますか、感情移入してしまうという話も聞いたことがあります。選手としては、自分がやったことがストレートに結果に出る。やった努力が結果に結びつきやすいところはやりがいがありますし、そこは鍛えただけ強くなれる格闘技と似ているかもしれないですね」

■同じ女性アスリートとして聞いてみたいことはありますか?
奥井「格闘技はまさに相手と“闘う”わけですけど、恐怖心をどう乗り越えていますか?」
RENA「私は相手がこう来たらこう返すという技のレパートリーがあって、それをひたすら自分の頭の中でシミュレーションします。試合中に一番怖いのがパニックになることなので、そこで冷静に戦うことができればスタミナの消耗もなくなりますし、平常心で戦えるように色々なケースを想定しながら、こう来たらこう、こう来たらこうってイメージして、“よし、大丈夫”と思えるまでやります。それこそ、競輪でも落車の恐怖心はありますよね」
奥井「怪我の恐怖心はありますね。練習してても、常に危険と隣り合わせといいますか。ただそうした恐怖だったり緊張というのは、レース前に必ずあることなので、五郎丸選手じゃないですけど、ルーティーンって大事だなって思います。やっぱり自分の中で発走までの細かい動きの流れというものがって、それをやることによって集中力が高まりますし、自然とスイッチが入ります。それこそ、中には五郎丸選手を真似する人もいますよ(笑)」

年末に控える大一番

■今、掲げている目標を教えてください。
RENA「私はシュートボクサーですけど、年末にフジテレビさんでやる『RIZIN』という格闘技のお祭りみたいな大会で、寝技ありのMMAに初挑戦します。それに向けて今、寝技を練習しているのですが、距離感も全然違いますし、これまで普通のグローブだったのが、オープンフィンガーになったので、素手で殴り合いしているぐらいの感覚です。なるべく寝技に持っていかせない昔のミルコ・クロコップさんみたいな戦い方ができればベストですけど、しっかり寝技を練習して、『RENA、寝技もできるのか』って思われたいので、新しい自分を見せたいと思います」
奥井「私も年末、一番大きい、ガールズグランプリ(12月28日、東京・京王閣競輪場)に出走できることになりました。『ガールズグランプリを先行で勝ちたい』というのを1年間、目標にしてきたので、全てを出し切りたいと思います」

■最後に、読者へのメッセージをお願いします。
RENA「私は毎日、浅草のシーザージムで練習させていただいていて、一般参加の方と触れ合う機会も多いので、是非一緒に汗を流して、年末の『RIZIN』もそうですが、シュートボクシングを広めるためにも、一度ジムに来ていただければ嬉しいです。一緒にパンチや、キック、投げ・締めしましょう(笑)」
奥井「やはり生で、ガールズケイリンの迫力だったり、臨場感を感じてほしいですし、私たちにとってはその声援が一番大きな力になりますので、年末はぜひ、京王閣競輪場へ足を運んでいただければ嬉しいです」

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プロフィール

RENA(レーナ)
1991年6月29日生まれ
出身:大阪府
血液型:A型
身長:160cm

奥井迪 Fumi Okui
1981年12月19日生まれ
出身:北海道
血液型:O型
身長:168cm

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