10年目の東京マラソン ~東京がひとつになる日。~

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10回目の節目を迎える東京マラソンでは、いくつかの新たな取り組みが始まる。まずは、大会ロゴのリニューアル。1本1本、色の異なる線が、東京マラソンに参加する1人1人を表している。また、10回大会限定で、マラソンの定員を1,000人増加(35,500人⇒36,500人)(10km500人)し、外国人ランナーへのおもてなし強化のため多言語対応ボランティア700人を募集。このほか、国際パラリンピック委員会(IPC)公認大会として車いすマラソン国際レースを実施、10回記念グッズの販売や、キックオフイベント実施など、様々な取り組みを通じてマラソンムーブメントの更なる盛り上げを図っていく。

東京マラソンの歴史

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東京マラソンが、今年で10回目を迎える。今でこそ、日本最大の市民参加型シティマラソンとして認知されている東京マラソンだが、2003年に東京都の石原慎太郎知事(当時)が東京市民マラソン構想を提唱した際、3万人規模のランナーが都心のメインストリートを走り抜ける姿を誰が想像できただろうか。

かつて、東京にはエリートランナー向けの「東京国際マラソン(男子)」と「東京国際女子マラソン」、市民ランナー、障がい者向けの「東京シティロードレース」があり、それらを統合することで大規模シティマラソンが企図されたが、問題は公道の交通規制の時間だった。警視庁は「5時間」を主張していたが、組織委員会は完走率を90%以上にするため「7時間」を要求。議論は難航したが、石原都知事(当時)の後押しもあって「7時間」の制限時間となった2007年第1回大会は、結果「96.3%」の完走率となった。

2013年大会からはマラソンのグランドスラムといわれるアボット・ワールドマラソンメジャーズ(AbbttWMM)に加入し、「ニューヨークシティマラソン」、「ロンドンマラソン」、「ボストンマラソン」らと並んで世界の主要なマラソン大会の一つとなった。2015年にはボランティア総勢10,000人、沿道の応援は150万人以上。チャリティなど協賛する企業や団体が増加し、経済効果は271億円(2013年大会)にまで発展した。

そして2016年、記念すべき第10回大会の東京マラソンは、2020年の東京五輪も視野に入れて動き出す。走る喜び、支える誇り、応援する楽――。2月28日は、「東京がひとつになる日。」だ。

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為末 大 インタビュー

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東京五輪の決定を契機に、2015年に立ち上げられたスポーツレガシー事業。その運営委員を務める元プロ陸上選手・為末大さんに、東京マラソンの価値や今後のレガシー事業の展望を聞いた。

■東京マラソンとはどのような存在ですか?
「陸上競技のど真ん中だった自分からすると、以前の東京マラソンは市民マラソンであり、陸上競技という認識は薄かったですね。でもここ数年、選考競技者が市民ランナーと一緒になって走るようになり、認識が変わってきました。競技志向の人は競技志向の大会に、市民ランナーは市民マラソンに、という棲み分けがあったのですが、東京マラソンによって初めて融合しました。ロンドンマラソンや、ニューヨークシティマラソンに近いと感じています」

■為末さんが考える東京マラソンの魅力を教えてください。
「単なるマラソン大会ではなく、イベントになったのが大きいですね。みんなが東京マラソンという場所を利用して遊んじゃおうぜっていう感覚で、仮装する人、撮影する人、応援する人、走る人…。走った方に、『応援されながら走るのが嬉しい』と言われます。沿道から応援されながら走る感覚というのはなかなか味わえるものではありませんが、東京マラソンに出ればそれが体感できてしまう。競技志向の大会ではありえないことですが、東京マラソンが市民マラソンとしてスタートしたからこそだと思います。それから車いすランナーが走れることも、東京マラソンらしさですね。『Run for All,All forRun』。競技者、市民ランナー、障がい者…すべての人に開かれている大会だと思います」

■2015年から始まったスポーツレガシー事業について教えてください。
「レガシー(遺産)は日本では“建物”という感覚ですが、一番重要なのは“文化”です。日本にスポーツの文化を残すこと、高齢化や教育の問題にとっても、日本というブランドにとっても重要です。僕は文化を形成するのは人間だと思っていて、リーダーシッププログラムを開いて人を育成しています。人が文化を育てていくのです。僕らスポーツ選手は伝道師であり、啓蒙する役割だと思っています。競技性が高まってくると、勝ち負けが優先され、勝つことが全てという価値観の中で、現役時代しかフォーカスされない。国民に勇気を与えたり、日本の力を世界に示した選手は、社会でも必ず役に立つことができる。引退してスパッと終わってしまうのではなく、スポーツ選手は引退後に社会に還元できることがある。人材育成は今までやってたが、還元するところまではできていませんでした。選手はそれぞれの考えを持っていますが、その考えをどう発信していくか。アウトプットの仕方が大切です」

■今後、レガシー事業を通じて伝えていきたいこととは?
「これからは、選手がメディアになる時代です。ただ体を動かすだけでなく、世界でチャレンジしたい、夢を追いかけたい、そうした想いを社会に訴えかけていけるようなツールを提供する。僕らはインフラを整備して、伝えるのはあくまで選手たち。スポーツを通じて生活が豊かになり、幸福を感じ、勝利の先にある目的を語っていく。満足のいくアウトプットができないと人は集まりません。僕らの役割は競技力を高めることではなく、選手のインタビューを変えることです」

■最後に、読者にメッセージをお願いします。
「スポーツを通じて、社会の価値を高めていく。これまではスポーツのためのスポーツが多すぎましたが、これからのスポーツというのは、全ての人に開かれていくと思います。ルールから外れたことをすると怒られるからやりたくないとか、そんなことを考えずに誰もが自由に楽しめるスポーツになっていくはずです。ランニングじゃなくても、何かしらスポーツに携わってほしいですね」

第1回リーダーシッププログラムにて。

東京マラソン財団
スポーツレガシー事業運営委員
為末 大 Dai Tamesue

東京マラソンウィーク2016

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2011大会から、東京マラソンが開催される直前の1ヶ月、大会を待ち望むランナーやコース沿道の期待に応えて、様々なイベントで東京の街中を盛り上げていく。今年も、ものまねアスリート芸人・M高史が東京マラソンウィークの宣伝部長を務め、地域密着の姿勢で様々なところに顔を出す。

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東京マラソンEXPO2016

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ナンバーカードを引き換えにくる海外や全国のランナーを含む約10万人以上の来場者が訪れる日本最大のランニングのトレードショーが、2月25日(木)~27日(土)にかけて開催させる。最新のランニングアイテムやグッズ、未体験のサービスなど多くのデモンストレーションを体験することができ、2015年大会は過去最多114の企業が出展。10回目を迎えるにあたり、「RUNNINGLIFE STYLE」を開催テーマに、走ることと多種多様なライフスタイルを融合させたテーマパークを来場者に提供する。

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