Interview 鈴鹿アンリミテッドFC 小澤宏一 監督

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“足りなかった”昨シーズン

■就任から1年が経ちましたが、改めて鈴鹿市の、三重県の印象をお聞かせください。
「鈴鹿はすごくコンパクトで生活しやすいです。グラウンドも近くにあり、トレーニングを含めて過ごしやすい場所にあると感じます。三重県の方たちから感じるのは、名古屋や大阪、京都といった大都市に囲まれているためか、もてなす能力が非常に高いなと。一方で、自分たちから率先して物事を進めていくという部分で、物足りなさも感じます。三重県にJリーグがないことにも関連しているかもしれませんが、機運というか、グルーヴ(高揚感)というか、そういうところから作っていかないといけないと、この1年間で感じました。三重県にもいくつかJリーグを目指すクラブはあって、それぞれ自分たちの中ではそのグルーヴを作っているかもしれない。でも、まだ三重県全体を巻き込むまでには至っていません。僕は鈴鹿アンリミテッドFCを通じて、そういう機運を作っていきたいです」

■シーズンを通してトップチームを率いるという経験は昨シーズンが初めてだったと思いますが、いかがでしたか?また、新シーズンに向けた準備はいかがですか?
「昨シーズン、自分が1年間率いて、結果はリーグ2位でした。全てを見返したときに、“足りなかった”という気持ちが強く残ったシーズンで、充実感よりも何が足りなかったのか、昨年末から今年の頭にかけてはすごく考えていました。地域リーグという特性上、監督だから指揮だけやっていればそれでいいということはなくて、営業活動だったり、強化もそうですし、トレーニングも自分がやらなければいけない。ただ、去年はあまりにも自分が関わらなければいけないことが多かったので、今年はある程度、役割を振って、やってもらうところはやってもらおうと思っています。選手の編成に関しては、早くから動いたこともあって、ここまで順調にきていると思います」

地域の特性を出して、JFL昇格へ

■昨シーズン、対戦した、しないに関わらず、気になったチームはありましたか?
「昨シーズン、地域決勝大会ではブリオベッカ浦安とラインメール青森がJFLに昇格しました。僕は全国社会人サッカー選手権大会を視察した際、青森FCの試合を観ることができて、知っている選手がいたりというのもありましたが、印象としてはやはり良いチームだなと。メディア的には、岡田武史さんのFC今治にスポットが当たっていましたけど、僕は今治に勝つのであれば、青森だろうなと感じていて、地域決勝で実際にそうなったので、やはり良いチームでした」

■浦安と青森は他のチームと何が違いましたか?
「サッカーは大都市が強いわけではなく、各地域にそれぞれのカラーがあって、そのカラーを出しているチームが本当に強いチームだと思います。青森の試合を観て、全国の水準は測ることができたので、そこを目標にやっていきたい。J1のサンフレッチェ広島を観ても、浦和レッズを観ても、サッカーのスタイルではなく、地域性というものがある。それを前面に出して戦えるようなチームになっていけば、おのずと応援してもらえるチームになっていくと思います。そのためには、僕自身もそうですし、選手自身も、ここで生活していて感じること、“感謝”の気持ちを忘れずにプレーしていければ、そうなっていくと思います。ただ“昇格したい”という個人的な想いだけでは、空回りしてしまう。地域への感謝の気持ちが合わされば、相当大きな流れになると思いますし、そういう流れを作っていきたいです」

■最後に、サポーターへのメッセージと今シーズンの目標をお願いします。
「今年も監督を引き受けるにあたり、自分がここで何をするべきかを考えました。でもそれ以上に、鈴鹿の人、三重の人たちの気持ちを考えたときに、やはりJFL昇格というのは絶対しなきゃいけないなと思いましたし、それを今年は成し遂げたい。僕は目標を聞かれると、JFL昇格とか、リーグ優勝とか、三重県選手権優勝とか、その場の状況に合った答えを選んでいますが、共通するのは1日1日を無駄にしないで、こだわってやっていくこと。それを続けていけば、目標は絶対に成し遂げられると思っています。とにかく、日々の練習から質を上げていきたい。質を上げることが、最終的にはリーグ優勝、そしてJFL昇格に結びつくと思っています」

プロフィール

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小澤 宏一 Koichi Ozawa
1964年9月29日生まれ 東京都出身
20歳でブラジルに留学。24歳で指導者の道に進み、32歳で語学留学も兼ねて外資系の保険会社に入社。イギリスの本社に出張という名目でスコットランドまでサッカークラブを見学した際、UEFAのC級ライセンスの話を聞いて取得へ。プレストン・ノースエンド(イングランド2部リーグ)の下部組織を指導し、帰国後、桐蔭学園高校のコーチに就任。2011年にはブラジル留学時代に交流のあった三浦泰年に誘われ、ギラヴァンツ北九州のトップチームコーチに就任。三浦監督の退任とともにヴォルカ鹿児島で監督に就任し、2014年からは鹿児島実業高校でコーチとして指導。2015年からはFC鈴鹿ランポーレ(現・鈴鹿アンリミテッドFC)の指揮を執る。
【指導歴】
1988-1992年 三菱養和サッカークラブ コーチ
1993-1996年 浦和スポーツクラブ(浦和レッズ下部組織) コーチ
1998-2001年 A.S. Laranja Kyoto(現・関西リーグ) コーチ
2001-2004年 プレストン・ノースエンド(イングランド2部)リザーブ&ユースコーチ
2004-2010年 桐蔭学園高校 コーチ
2011-2012年 ギラヴァンツ北九州 トップチームコーチ
2013年 ヴォルカ鹿児島 監督
2014年 鹿児島実業高校 コーチ
2015年 FC鈴鹿ランポーレ(現:鈴鹿アンリミテッドFC) 監督

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