いよいよ開幕!2016リオデジャネイロオリンピック バレーボール世界最終予選

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5月から始まる『2016リオデジャネイロオリンピック バレーボール世界最終予選兼アジア大陸予選大会(東京大会)』は、昨年行われた『FIVB ワールドカップ2015』で男女ともに出場権を獲得できなかった日本にとって、文字通りリオデジャネイロオリンピック出場を懸けた最後の戦いだ。オリンピック出場枠「12」に対し、すでに開催国、ワールドカップ上位2チーム、そして各大陸予選1位により7枠が埋まっている。残る5枠のうち、今大会では4チームにリオデジャネイロオリンピックの出場権が与えられる。

女子見どころ

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ロンドン五輪に続くメダル獲得を目指す火の鳥NIPPONだが、そのロンドン五輪に出場するまでの予選で苦しんだことは忘れてはいけない。「あの時は韓国に負けたのが響きました。韓国に負けたのはあの予選だけですからね。キム・ヨンギョンという世界レベルのエースがいますから」と眞鍋監督が振り返った通り、前回の最終予選ではペルー、チャイニーズタイペイ、タイに3連勝した後、韓国に敗戦。残りのキューバ、ロシア、セルビアという世界の強豪相手に最低1勝は挙げなければならない状況に追い込まれてしまった。今回、韓国は3戦目。眞鍋監督はその前の2試合で連勝し勢いに乗りたいと考えているようで、「ホームで、若い選手も半分くらいいますので、プレッシャーよりも勢いを持って臨みたい」と語った。ただ、見据えるのは出場権のその先。眞鍋監督は「毎回言っていますけど、背が低いのは変えられません。4つの世界一(サーブ、レセプション、ディグ、失点の少なさ)をクリアしないと、五輪の出場権、そして本大会での従来の目標(メダル獲得)を達成できないと考えているので、そこを追求していきたいと思います」と力強く意気込んでいる。
全日本女子チーム・火の鳥NIPPON エントリーメンバー20名

女子注目選手

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木村 沙織
Saori Kimura
生年月日:1986年8月19日
身長/体重:185cm/65kg
出身地:東京都
出身校:下北沢成徳高校
所属:東レアローズ
高校3年生で初めて経験したアテネ五輪から12年、木村沙織は自身4度目の五輪出場をかけた戦いに臨む。

「いろいろな経験をさせてもらっているので、その経験をしっかり活かせるように。覚悟を持って頑張りたいです」

全日本に選ばれたばかりの、木村が10代や20代前半の頃、チームには強い覚悟や意志を持ってチームを統率、牽引してくれる先輩たちがいた。もともと自分が前に出て発言することが不得手な木村にとって、常に自らを支え、鼓舞してくれるその存在は心強いものであり、エースとしていかに戦うべきか。自分のプレーに集中して臨むことができた。しかしロンドン五輪の後、多くの選手がユニフォームを脱ぎ、若返りを図る中、木村はリオデジャネイロ五輪へ向けた全日本のキャプテンに就任することとなった。不慣れな立場とはいえ、眞鍋政義監督は「木村しかいない」と絶大な信頼を寄せ、キャプテンに任命した。その期待に応えるために投げ出すわけにいかない。エースとして、さらに主将として奮闘したが、金メダル獲得を狙った14年の世界選手権、15年のワールドカップはどちらも表彰台に立つこともできぬまま、大会を終えた。

W杯の直後は「この大会に賭けていたので、次に目標を定めるのが難しかった」と振り返るように、なかなか気持ちを切り替えることができずにいたが、V・プレミアリーグを戦い終え、再び「世界」へ「五輪」へ向け、士気も高まった。加えて、これまで共に戦い続けて来た荒木絵里香の代表復帰も木村にとって「心強い要素になっている」と笑顔を見せる。

「エリカさんのようなベテラン選手と、サリナやハルカのような若手選手、チームのバランスがすごくよくなっている。チーム一丸、みんなが覚悟を持って戦いたいです」

4度目の五輪へ向けた戦いが、今、幕を開ける。

koga 古賀 紗理那
Sarina Koga
生年月日:1996年5月21日
身長/体重:180cm/66kg
出身地:佐賀県
出身校:熊本信愛女学院高校
所属:NECレッドロケッツ
熊本信愛女学院高校1年時、春高バレーの準決勝で見せた古賀紗理那のプレーはスパイクの高さ、スキル、ゲーム勘、すべてが高校生離れしたレベルで群を抜いていた。加えて、攻撃面だけでなく実に器用にサーブレシーブやディグなどディフェンスもこなす。全国大会の頂点に立つことはできなかったが、木村沙織二世の呼び声も高く、全日本でも即戦力として古賀の活躍を期待する声は高まった。
しかし相次ぐケガに悩まされ、なかなか全日本デビューは飾れずにいたが、満を持して、ようやくその時が訪れたのが昨夏のワールドカップだ。19歳ながら、木村と共に攻守の要として堂々としたプレーを披露。居並ぶ世界のブロックもうまくいなしたり、当てて飛ばしたり、巧みなプレーで新エース誕生を周囲に強く印象付けた。さらにW杯後に開幕したV・プレミアリーグでもルーキーながらNECレッドロケッツの中心選手として開幕戦から出場を続け、スケールの大きなプレーを見せるなど、活躍の場を次々広げていった。
コートの外と中。見せる顔の違いも、古賀の魅力でもある。コートに立てば、主将の木村が「若いのに堂々としていて頼りになる」と称賛される存在である一方、コートを離れれば一転。多くの選手が「ふわふわしていて全く頼りにならない」と口を揃えるように、常に自然体の天然ボケ。年齢を問わず、誰もが認める愛されキャラだ。
試合に出るたび「緊張する」と自身は言うが、これまで経験してきた大会を遥かに上回るプレッシャーがかかるであろう、五輪への挑戦。最終予選をどう戦うか。不安だけでなく、楽しみもあると言う。「OQT(五輪最終予選)は初めてなのでどんなふうになるかはわからないけれど、強い覚悟を持って、負けられない戦いに臨みたいです」
19歳のシンデレラガールが、初の五輪、世界へ向けて羽ばたいていく。

miyashita 宮下 遥
Haruka Miyashita
生年月日:1994年9月1日
身長/体重:177cm/61kg
出身地:三重県
出身校:大阪国際滝井高校
所属:岡山シーガルズ
15歳でVリーグデビューを果たし、18歳で全日本デビュー。高さと度胸、大胆な発想を持ったトス回しに加え、サーブ力にディフェンス力を武器として、若き司令塔はコツコツと努力を重ね、成長を続けて来た。奇しくも宮下遥が全日本に選出された13年は、それまで長きに渡り全日本の司令塔を務めた竹下佳江が引退した直後であり、将来を担う新セッターとしてだけでなく、竹下の後継者として、多大なるプレッシャーとの戦いでもあった。
転機になったのは、昨年のワールドカップ。それまでは全日本に選ばれながらも、自分のペースにこだわりがちだったが、W杯前の海外遠征時にセッターとして戦う心構えを眞鍋監督から説かれたことに加え、長岡望悠や大竹里歩といった同世代の選手たちの支えや活躍が、宮下の意識を変えた。
「チームが勝つためならば、スタートでも途中出場でも構わない。私ができることを一生懸命やって、チームの勝利に貢献したいと思ようになりました」
全体練習の前後も地道な練習を続け、スパイカーとのコミュニケーションを積極的に取るように心がけるようになった。これまでは自分よりも年上の選手たちばかりだったが、古賀紗理那や宮部藍梨など年下の選手とプレーする機会も増え、「自分が引っ張らなければならない」という意識もこれまで以上に高まった。
21歳という年齢で、豊富な経験を持つ選手ではあるが、五輪への挑戦はこれが初めて。周囲の選手から、かかるプレッシャーの大きさを聞き、不安を感じないわけではないが、それ以上に思うことがある。
「自分らしさを忘れずに、そしてアタッカーを生かせるように。責任を持って戦います」
仲間を信じて、自分を信じて。胸を張ってコートに立つ。

男子見どころ

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「この予選の一番の目標はオリンピックの切符を取ること。そのために、7試合の中でも絶対に負けられない戦いというのがある」。龍神NIPPONを率いる南部監督は、五輪出場のためにリアリストに徹することを宣言した。「フランスとポーランドは、この予選でも力が抜きん出ています。アジアの1位になればオリンピック出場となりますので、狙うならアジアの1位かなと。そのために集中して、アジア最強国イランをはじめ、アジアのライバルに勝たなければいけない」と語る南部監督は、「6戦目までが勝負」と続けた。最終戦の相手はフランス。それまでに、出場権を獲得できていなければ、かなり厳しい状況に追い込まれてしまう。そのために、序盤の勢いが重要だ。「主軸が若いチームなので、白星先行でカードを切りたい。(3戦目の)ポーランド戦の翌日に、一番の相手のイランとできる。その次にオーストラリアとできるというのは良い流れ。2015年のワールドカップもそうでしたが、強豪と対戦しことでリズムが出た。反省材料を活かして、長所を伸ばしていきたい」。若き龍神NIPPONが、五輪出場に向けて走り出した。
全日本男子チーム・龍神NIPPON エントリーメンバー20名

男子注目選手

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清水 邦広
Kunihiro Shimizu
生年月日:1986年8月11日
身長/体重:193cm/94kg
出身地:福井県
出身校:東海大学
所属:パナソニックパンサーズ
大学4年時に初めて出場した2008年の北京五輪。結果は予選リーグ敗退と、苦いものとなり、以後、日本のエースとして戦いながら常に「次は自分たちがオリンピックへ連れて行きたい」と責任を背負い続けて来た。しかし12年のロンドン五輪出場を逃し、相次ぐケガにも苦しんだ。一時は「バレーをやる意義を見つけられず、抜け殻のようだった」と振り返るほどだった。

キャプテンとして臨んだ昨秋のワールドカップ(W杯)、石川祐希や柳田将洋といった若い選手と共に戦った大会は、清水にとって新たな転機となった。それまでは「自分が決めなきゃ」と打ち急ぎ、相手ブロックに捕まることも少なくはなかったが、W杯では相手ブロックをうまく利用した巧みな攻撃と「自分が決めなくても、決めてくれる若い選手がいる」とチームメイトに託す余裕が生まれ、6位と自身が出場した3大会の中で最高成績を収める原動力となった。

4年前、そして8年前と同様に「厳しい戦いになるのは間違いない」と表情を引き締めながらも、フランスやポーランドなど、今回の最終予選に出場する強豪国とも練習試合や公式戦の機会を重ねたことで自信も口にする。

「自分たちの力を存分に出すことができれば、今のチームは絶対にオリンピックに行ける。総合力で戦い抜きたい」

円熟期を迎えたサウスポーが、日本男子を2大会ぶりの五輪へと導いて行く。

ishikawa 石川 祐希
Yuki Ishikawa
生年月日:1995年12月11日
身長/体重:191cm/74kg
出身地:愛知県
出身校・所属:中央大学
低迷が続いた日本男子バレーボール界にとって待望の若きエースが誕生した。星城高校時代から数多くのタイトルを制し、ユース代表やジュニア代表など、年代別の世界選手権も経験。アジア大会で全日本デビューを飾ると、中央大学に在籍しながらイタリア・セリエAの名門、モデナへ。わずか3か月と限られた留学期間ではあったが、世界各国で活躍するチームメイトからも「祐希は世界で戦うことができる素晴らしい選手だ」と称賛され、誰からも愛された。

昨秋のワールドカップでも、これが初めての三大大会とはまるで感じさせない堂々としたプレーで攻守に渡り活躍。スパイク、サーブといった石川が武器とする攻撃力はもちろん、名だたる世界の強豪に対しても「何かやってくれるのではないか」と期待感を抱かせるような、どんな相手にも臆せず攻める姿勢が見る者を惹き付け、会場へと訪れる観客は日を追うごとに増え、大阪、東京大会では連日超満員。実に20年ぶりとなる5勝につなげただけでなく、男子バレーボール人気復活の立役者となった。

これほどの活躍を残した若きエースに対し、当然ながら対戦国もマークしてくることは想像に容易く、W杯以上に最終予選は苦しい戦いを強いられることになるだろう。石川自身もW杯で痛みを発症した膝の様子を見ながらの調整期間が続き「早くプレーしたいと思う時もある」と口にするが、「大事な本番で活躍するために今は我慢する時期」と常に先を見据えているだけでなく、あれほど活躍したW杯ですら満足することなく、さらに上、もっと上へと視線は向いている。

「OQTは何が何でも勝たなければならない大会。ワールドカップではエースとしてやりきることができなかったので、リベンジを果たして、最後まで戦い抜きたいです」

最高のコンディションで、最高の成績を残す。決意を持って挑む若きエースに注目だ。

yanagida 柳田 将洋
Masahiro Yanagida
生年月日:1992年7月6日
身長/体重:186cm/78kg
出身地:東京都
出身校:慶應義塾大学
所属:サントリーサンバーズ
美しく宙を舞い、パワー溢れるスパイクを叩き込む。186㎝と決して恵まれた体躯ではないが「この身長で生きる道、どうやって勝負すればいいかをずっと考えてやってきた」と言う通り、自身の長所を生かすべくたゆまぬ努力を重ねて来た。

東洋高校2年時に春高バレーで優勝、バレーボールの能力に加え、アイドル顔負けのイケメン選手として人気も注目も一気に集めたが、舞い上がることなく淡々と、自らが磨くべき技術や精神力を高め続けるためにバレーボールと真摯に向き合ってきた。その象徴が、サーブ。南部正司監督が「このチームでナンバーワン」と称するジャンプサーブは抜群の破壊力を発揮、ワールドカップでも世界の強豪からポイントを立て続けに奪った。

W杯の活躍で人気も爆発、所属するV・プレミアリーグのサントリーサンバーズの試合会場はもちろん、合宿地や通常練習を行う体育館には連日大勢の人たちが訪れ、どこに行ても多くのファンが柳田を囲んだ。決して万全な状況ばかりではない中で、多くの人やメディアの注目を一心に集めることで少なからずのストレスを感じてもおかしくないが「応援しくれることがありがたいし、たくさんの応援があれば僕らはもっといいプレーをしようと燃えることができる」と、口にするのは感謝の言葉ばかり。そんな謙虚さが、また多くのファンを魅了したのは間違いない。

オリンピックへの挑戦はこれが初めてだが、大舞台での強さには定評がある。

「チームの総合力で勝負する中、自分がどんな力になれるかをずっと考えてきた。自分自身もチームも調子が上がっているので、できることを全力でやりたい」

クールなまなざしの奥に宿る熱さ。巡って来たチャンスを自らの手で引き寄せる。

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