UEFA EURO 2016 report04 ベスト4が出揃う

Germany v Italy - Quarter Final: UEFA Euro 2016

サッカーの欧州一を決める大会『UEFA EURO 2016』。欧州各地で行われた予選を勝ち抜いた強豪国のみが出場するEUROはW杯に匹敵する盛り上がりを見せ、平均的な試合のレベルに関してはW杯をしのぐといわれる。出場国が24カ国に増えた今大会はフランスで開催され、厳重なテロへの警戒態勢が敷かれた中、国の威信を懸けた熱い試合が繰り広げられている。

旋風起こすウェールズを堅実なポルトガルが迎え撃つ

現地時間3日に行われた試合をもって、準決勝を戦うベスト4が出揃った。

左の山からは、ともに初優勝を狙うウェールズとポルトガル。初出場5カ国(アイスランド、スロバキア、北アイルランド、アルバニア、ウェールズ)の中で唯一ベスト4に残ったウェールズは、グループリーグでイングランドに敗れたものの、2勝1敗で首位通過。決勝トーナメント1回戦で北アイルランドとのダービーを制すると、続く準々決勝では優勝候補の一角ベルギーに3-1と逆転勝ち。チームを牽引するのはレアル・マドリード所属のベイルだが、決してベイルのワンマンチームではないことを、ベルギー戦では証明(ベイルは全3得点のいずれにも絡まず)した。今大会のダークホース筆頭は伊達ではない。

そのウェールズと準決勝で対戦するのは、ベイル以上の大エース、クリスティアーノ・ロナウドを擁するポルトガル。こちらはベスト4に名を連ねて然るべきチームではあるが、ここまでの勝ち上がり方は薄氷を踏むかのごとく、ギリギリの戦いが続いた。グループリーグでは比較的恵まれた組み分けになっていたはずだが、1勝もできず、3分けでまさかの3位通過。決勝トーナメント1回戦ではクロアチア相手に延長戦の末1-0で競り勝ち、続く準々決勝ではポーランドとPK戦までもつれ込む死闘を辛くも勝ちきった。つまり、今大会のポルトガルは90分間での勝利が一度もないまま、ベスト4まで勝ち上がってきたのだ。

エースのロナウドはグループリーグでの2得点にとどまっているが、それはウェールズのベイル(3得点)も同じ。個人の活躍よりもチームの勝利が優先されて然るべきだが、苦しい状況を打開するのもエースの仕事。サンドニでの決勝に駒を進めるのはどちらのチームか。そしてチームを勝利に導くのはどちらのエースか。ウェールズにとってはもちろん初の、ポルトガルにとっては自国開催の2004年大会以来となる2度目の決勝進出となる。

世界王者vs開催国!“死の山”決着へ

ドイツ、スペイン、イタリア、フランス、イングランドとW杯歴代優勝国がズラリと揃った“死の山”では、その名に相応しい死闘が繰り広げられた。

最初の脱落者となったのは、大会3連覇を目指していたスペイン。今大会、大方の予想を裏切る形で優勝候補の一角に躍り出たイタリアを前に、成す術なく0-2で敗れ去った。2年前のW杯ではグループリーグ敗退の憂き目に遭い、続く今回の敗戦で2008年から指揮を執っていたデル・ボスケ監督は辞任を表明。2008年から長らく続いていたスペイン黄金期は、いよいよもって終焉を迎えた。

スペインの後を追ったのは、サッカーの母国イングランド。こちらは準々決勝のフランス戦が山場になると見られていたが、1回戦でアイスランドを相手に1-2とまさかの逆転負け。早々に先制しながらも逆転を許し、反撃の手立てもなく敗れ去った自国チームの不甲斐ない姿に、地元メディアも「EU離脱に続いて、EUROからも離脱した」と皮肉った。

1回戦でスロバキアを難なく退けた世界王者ドイツと、スペインを圧倒したイタリアの『伝統の一戦』は、文字通りの死闘となった。前評判ではドイツ優位の見方が強かったものの、W杯とEUROにおける対戦成績は過去8試合で4勝4分無敗とドイツに対して圧倒的な戦績を誇るイタリアはやはり“イタリア”だった。地力で勝るドイツが後半半ばに先制した際には、いよいよ『ドイツは公式戦でイタリアに勝てない』というジンクスに終止符が打たれるかと思われたが、終盤にドイツのあり得ないミスからPKを手にしたイタリアが追いつき、そのまま120分間で決着が付かず勝負はPK戦へ。9人目のキッカーまで登場したPK戦は3人が外したドイツに対し、イタリアも4人が失敗。PK戦とはいえ、ドイツが史上初めてイタリアを倒し準決勝へと駒を進めた。

グループリーグでは思わぬ苦戦を強いられながらも、劇的ゴールの連続で首位通過を果たした開催国フランス。1回戦のアイルランド戦でも開始早々に先制を許す苦しい展開に。しかし、後半に入ってグリーズマンが立て続けにゴールを奪い逆転に成功すると、相手に退場者が出たことで余裕を持って試合を終わらせ準々決勝へ。ウェールズと並んで旋風を巻き起こしてきたアイスランドを相手に、今大会初めて前半に先制点を奪うと、前半だけで4点をリード。後半に2点を返されたものの、フランスも1点を追加し、終わってみれば5-2の大勝でドイツの待つ準決勝へと進むこととなった。

イタリアとの死闘で主力に負傷離脱や出場停止が出てしまったドイツに対し、フランスは負傷者も出場停止もなくベストメンバーで世界王者との決戦に挑むことができる。地力ではドイツに分があるものの、自国開催の国際大会で2度優勝(EURO1982、1998W杯)しているフランスはコンディション面で優位に立つ。スペインvsイタリア、ドイツvsイタリアに続く3つ目の決勝戦を制するのはどちらか。そして、サンドニでの決勝に進むのは――。

欧州一の称号をかけた熱い戦いも、いよいよ3試合を残すのみ。準決勝は7月6日と7日に行われ、決勝戦は10日に行われる。

UEFA EURO 2016大会公式サイト
http://jp.uefa.com/uefaeuro/

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメントは利用できません。

ページ上部へ戻る