第90回関東大学サッカーリーグ戦 後期開幕記念対談 小川佳純×和泉竜司

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9月10日(土)より、『JR東日本カップ2016 第90回関東大学サッカーリーグ戦 後期』が開幕する。これを記念し、名古屋グランパスエイト所属で明治大学体育会サッカー部OBの小川佳純と和泉竜司の対談が実現!市立船橋高校サッカー部から現在に至るまで全く同じ経歴を歩む2人は、大学サッカーで何を学んだのか。4年間の思い出や明大ならではの習慣など、プロを目指してサッカーに打ち込んでいた当時を振り返ってもらった。

社会人になるための準備をするカテゴリー

■全く同じ経歴のお2人ですが、進路決定の経緯や、当時の心境について教えてください。
小川「自分は高校3年になって試合に出られるようになった立場だったので、高卒でプロに行けるイメージもない中で、プロになるために大学4年間で力をつけたいと思って進学希望を伝えました。進学先は、両親にも相談し、明治大学、筑波大学、東京学芸大学の3つが候補に挙がりましたが、筑波大は代表歴など入部の条件が厳しく難しい。明大は実家から自転車で行けるくらい近かったこともあり、明大進学の希望を伝え、セレクションに合格して入学することになりました。プロになるという選択肢は、大学でオファーをもらって、4年生の5月に名古屋、夏にサガン鳥栖の練習へ参加させてもらいました。いずれも手応えがなく、すぐにオファーもないまま大学の後期リーグが開幕し、そこで頑張っていたら、名古屋がまた練習に呼んでくれました。その後、鳥栖からもまた声をかけてもらいましたが、名古屋に決めました」
和泉「自分も、高校3年になったとき、J1やJ2の複数チームからオファーをもらえるくらいでないと、高卒でいきなりは通用しないだろう考えていました。実際に、練習参加の話はいくつか貰っていましたけど、やはり大学で力をつけてからと早めに決心して、高校の監督にも伝えていました。進学先に関しては、大学であれば明大へ行きたいという思いはあったので、セレクションを受けて明大に入学しました。名古屋に加入を決めたのは、高校、大学を千葉、東京と親元から離れたところにいたので、プロは極力、応援してくれる人もいる地元(三重県)の近くでやりたいという思いがあったから。ビッグクラブですし、プロのスタートとしても素晴らしいチーム。また、本田圭佑選手や吉田麻也選手といった、名古屋から海外へチャレンジしていっている選手もいたので決めました」

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■大学サッカーとプロの違いについて、どのように考えていますか?
和泉「プロはサッカーだけに集中できる環境が用意されていますけど、大学は自分たちで環境を作っていく部分もあります。どんな選手であろうと明大の場合は、裏方の仕事もやるし、試合に出なかったら試合記録もつけてました。自分たちでそういうものを整えていく違いはありますね」
小川「やはりお金を貰ってプレーをする部分は大きく違う点です。同じチームで同じ目標に向かって一緒に戦っていますけど、それぞれがライバルでもあり、試合に出れなければクビになる厳しい世界。大学は4年間ほぼ同じ仲間とやることが決まっていて、学年や立場の違いがありますけど、プロは1年目だろうが10年目だろうがやれる環境なので、サッカーに対する向き合い方が違いますよね。学生はもちろんサッカーも大事ですけど、全員がプロになれるわけではないし、むしろそうじゃない人、違う就職先を探す選手の方が多いので。大学サッカーは、サッカーを通じて社会人になるための様々なことを学ぶ場でもあると思います。大学のサッカー部=プロ育成所ではなく、サッカーを通じて社会人になるための準備をしていくカテゴリーだと思います。大学サッカー界を作っているのは大学生で、竜司も言ったとおり裏方も運営も全部学生がやって、そういう経験をして社会人になっていく。その経験を糧に企業で働いている人もいっぱいいて、その辺が社会人になるための基盤を作る場だと思います」

■明大サッカー部だからこそ学べたと思うことはありますか?
小川「僕が2年生の時に、朝6時からの朝練が始まったんですよ。僕が1年のときはコーチだった神川(明彦)さんが、2年から監督として指揮を執ることになってからですね。今でも続いているそうです」
和泉「何でこんなに真っ暗な中、走らなきゃいけないんだって思いながらやっていました(苦笑)」
小川「陽が昇った頃にようやくボールを蹴れる、みたいなね」
和泉「1年生は準備もあるので4時半とかに起きて、おかげで朝には強くなりました(笑)。朝練は授業や勉強も両立させようという考えから始まっているので、6時から2時間練習して8時に終われば、9時からの1限に間に合う計算です」
小川「“文武両道”という言葉はよく出てきて、出席できる授業はしっかり出ろと言われていました。竜司たちが学生の時代も言われたと思いますけど、『サッカーだけできる人間にはなってほしくない』という明大サッカー部の理念があります。先ほども言いましたけど、プロになれるのはほんの一握りなので、社会に出て、企業へ就職したとしても第一線で活躍できるような人になってもらいたいという方針はありましたね。朝起きること1つとってもそうですし、自分のすべきことをしっかりやれということです」

プロになることが全てではない

■最近の大卒選手について、どのような印象を持っていますか?
小川「年齢的にも即戦力として入ってくる選手が多いし、みんなそういう自覚を持って入ってきます。大学時代にJリーグのセカンドチームとの対戦経験もしてきているし、ある程度プロがどんなレベルなのかを知って入ってきている選手がほとんどですからね。即戦力としての期待は非常に高まっていると思いますよ。だからといって、自分も1年目に結果を出せたわけではないし、どのタイミングで芽が出るかわからないですけど、腐らずに、チャンスを待つ忍耐力を、みんな持っていると思います。人間としてもしっかりした選手が多いなっていう印象がありますね」

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■お互いの印象について教えてください。
和泉「名古屋に入って、新人王(現ベストヤングプレーヤー賞)をとって、リーグ優勝もして、自分の目指すべき道というか。同じ経歴を辿ってきたということもありますけど、今背負っている29番も佳純さんが加入した時と同じ背番号をもらっています。名古屋で試合に出て活躍して、結果を出したいという気持ちがあったので、目指すべき、目標とする選手です」
小川「同じ経歴なので、他の選手以上に、親近感はありますよね。ただ自分自身、高校も大学もチームの中で突出した選手ではなくて、11人の中の1人として試合に出て頑張って、生かされてというタイプ。だけど竜司は、自分で試合を決められる選手なので、期待のされ方が違います。僕はたまたま高校選手権決勝でゴールを決めたり、たまたまが続いたタイプなんですけど、竜司はずっとチームの中心選手としてやってきていて、期待されて明大に入って、中心選手として活躍して、名古屋へ入って。僕は、巻(祐樹)と一緒に名古屋に入って、吉田麻也も同期でしたけど、自分より期待されている選手が周囲にいたので、逆に気負いなくやれたんだと思います。プレッシャーはあると思うし、大変だと思いますけど経験を積んで、頑張ってほしいと思います」

■プロを目指す大学生へエールをお願いします。
和泉「プロになることが全てではないですし、何が正解かは自分次第だと思います。プロになりたいと思ってなれたら、もうやるだけだと思いますし、そうでなくても違う道があると思う。先のことを考えることも大事ですが、目先の目標をコツコツ達成していくこと、地道にやりつづけることが、自分の目標としている場所にたどり着く唯一の近道です。あまり先を見すぎずに、目の前のことを100%努力することが大事なことだと思います」
小川「大学サッカーはプロになる選手、サッカー以外の道で一般企業に就職する選手もいて、様々ですけれど、大学サッカーで学んだことが将来生きてくることは間違いないです。今、大学サッカー界で自分が置かれている立場があると思いますが、プレー以外の仕事であっても、今やっていることを100%やってほしい。人間としても成長できる素晴らしい場だと思います。僕も大学サッカーがあったから今があるわけで、まずは4年間、しっかりサッカーに打ち込んで欲しいし、その経験を活かしてその先も活躍して欲しい。あとは4年間、一緒になった仲間は生涯の仲間になっていくと思うので、そうした人たちとの時間を財産として、仲間を大事にしてほしいと思いますね」

プロフィール

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小川 佳純 Yoshizumi Ogawa
1984年8月25日生まれ
東京都出身
身長/体重:173cm / 67kg
[経歴]
市立船橋高校
明治大学
名古屋グランパス:2007年

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和泉 竜司 Ryuji Izumi
1993年11月6日
三重県出身
身長/体重:173cm/72kg
[経歴]
市立船橋高校
明治大学
名古屋グランパス:2016年

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