JAF鈴鹿グランプリ 特別対談 ストフェル・バンドーン×関口雄飛

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来シーズンからマクラーレン・ホンダのレーシングドライバーとしてF1を戦うことが発表されたストフェル・バンドーンと、スーパーフォーミュラ第4戦のもてぎで初優勝を飾った関口雄飛。ともに今シーズンからスーパーフォーミュラにデビューした大型ルーキー2人に、レースの魅力や今後の目標について語ってもらった。

互いに目指すは「一番」

■レーシングドライバーになろうと思ったキッカケを教えてください。
バンドーン「父が建築家で、レーシングカートのコースを設計し、そこへ連れて行ってもらったのがキッカケです。カートに乗せてもらえることになり、そこから徐々に興味を持つようになりました」
関口「最初のキッカケは、小さい頃にF1をテレビで見たことですね。ちょうどブームだったこともあって、すぐに夢中になりました。実際に自分がレースを始めたのは、父親が週刊誌に載っていた子供用カートができたという広告を見て『乗ってみないか?』と言ってくれたことがキッカケです」

■レースのどういったところに惹かれたのでしょうか?
バンドーン「私が育つ過程で、このスポーツに対する熱意というものがでてきました。速い車が走っているのを見て、それを自分が運転してみたいと感じました。レースをするということは、他人と競うということ。そうなれば当然、自分が一番になりたいと思うものです。チェッカーフラッグを一番で受けたい。世界一速くなりたいと思っています」
関口「僕も一番を目指しています。あと、モータースポーツは僕が得意とするスポーツ。サッカーや野球が得意という人がいるように、僕はこのスポーツが一番得意です。そして、ここには僕の他にも得意だと思っている人が集まっている。その中で、自分がどのくらい力を発揮できるのか。面白いし、やりがいを感じますね」

■自身のキャリアにおいて、ターニングポイントとなった出来事はありますか?
バンドーン「特にはありません。小さい頃にベルギーでカートに乗りはじめて、それからずっと国際レースに出て、F1に至るまで、どのカテゴリーでも自分は楽しんできました。ジュニアリーグでチャンピオンになったり、色々なレースで優勝したりしてきましたが、それは素晴らしいチームに囲まれていたおかげです。彼らのサポートがあったので、素晴らしいパフォーマンスを出せたのだと思います。どのカテゴリーでも、その一瞬、一瞬を常に楽しんできました。来シーズンからF1に挑戦しますが、自分としても素晴らしい挑戦になると思います」
関口「やはりカートとの最初の出会い、もっと言えば、たまたまF1がテレビでやっていたことですね。今、地上波では放送していませんからね。みんなそれぞれ個性があって、面白かった。誰かに憧れたわけではないのですが、時代の関係もあり、今のドライバーよりも魅力的に映りました。モータースポーツに触れやすい環境にたまたまいたことが、キャリアのターニングポイントだったと思います」

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自分の可能性を信じて

■ご自身のレーシングスタイルについて教えてください。
バンドーン「私が心がけているのは、レース中のアクシデントに巻き込まれないこと。トラブルにならないように走ることです。そして、レースというものを理解するということ。いつアタックするか、いつリスクを冒すのかをよく考えながらレースをすることが大切だと思っています。それらが、自分がやってきたスタイルであり、レースにはインテリジェンスを持って臨むということです」
関口「特にこうしているというスタイルはないのですが、以前はとにかくクラッシュが多かったですね。すごくリスクを冒しているとか、攻めているという感覚はないのですが、無意識にぶつかってしまうことが多かったです。それが原因でクビになり、これは変えていかないと生き残れないということで、今ではしっかりコントロールできるようになりました」

■お互いに聞いてみたいことはありますか?
関口「F1に行って、どのくらいお金貰えるの?」
バンドーン「言えないよ(笑)。僕はマシンのセッティングについて聞きたいな」
関口「僕がセッティングしているわけじゃないから、エンジニアに聞いてよ(笑)」

■今後、プロのレーシングドライバーを目指したいという子供(を持つ親御さん)へのアドバイスをお願いします。
バンドーン「自分の可能性を信じること。僕は普通の家庭で育って、今はF1に挑戦できる立場にいる。ずっとそういう目標を持ってやってきました。子供たちも、とにかく自分の可能性を信じてやってほしいと思います」
関口「難しいですね。僕は、とにかく自分がやりたいことをやってきたつもりです。自分の思うがままに。ただ、モータースポーツというのは、サッカーのようにボールさえあればどこでもできる競技ではなくて、まず車がないとできません。それはすごくお金のかかることで、親や自動車メーカーの支援なしには絶対にできない競技です。僕もだいぶ助けてもらいました。正直、僕に投資してくれた金額をまだ回収できていないと思います。それは親だけではなくて、スポンサーや関係者含め、1億円近い金額が動いている。せめてその分は返していきたいですね」

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2人が見据える「世界での戦い」

■今後の目標について教えてください。
バンドーン「先週、F1の契約を結びました。今、自分の目の前にある未来に対して、とても興奮しています。契約したチームはとても大きなチームなので、私も一緒に大きくなって、チャンピオンシップを勝ち獲りたいと思っています」
関口「今は日本で最高峰のスーパーフォーミュラとスーパーGTに出ていますが、野球で言えば、プロ野球が日本最高峰で、アメリカのメジャーリーグが本場と言われ、サッカーではヨーロッパが本場と言われています。僕は日本のモータースポーツのレベルの高さを証明するため、ヨーロッパが本場だと言うのであれば、そこで勝負がしたい。例えば、トヨタが出ているWEC(世界耐久選手権)のル・マン24時間とか、日本のチームから世界の舞台に行けたら最高だなと思っています」

■最後に、JAF鈴鹿グランプリへの意気込みをお願いします。
バンドーン「鈴鹿サーキットは私にとってすごく楽しくて好きなサーキットです。鈴鹿で走るのは今年2回目になりますが、走るのをすごく楽しみにしていますし、良い結果を出せるようにと思っています」
関口「最終戦だからとか、JAFグランプリだからということは関係ありません。毎回、どのレースも優勝を目指してやっていますので、レースの大きさや重要度に違いはないんです。いつも通り、全力で取り組むというのがテーマですね。ただ、鈴鹿サーキットのセクター1はコーナーが続いてくねくねしているので、僕はあまり好きではありません(笑)。人それぞれ得意、不得意のコースがあって、鈴鹿は僕にとっては苦手なコースに入るので、そこは意識して克服できるよう頑張りたいと思います」

プロフィール

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ストフェル・バンドーン
Stoffel Vandoorne
生年月日:1992年3月26日 出身:ベルギー
所属:DOCOMO TEAM DANDELION RACING
2014年、GP2に参戦すると、翌2015年にシリーズチャンピオンを獲得した。並行してF1マクラーレン・ホンダのリザーブドライバーに起用され、2016年からはスーパーフォーミュラに参戦を発表。4月にはフェルナンド・アロンソの負傷欠場に伴い、急遽代役としてF1デビューを果たし、見事に10位でチェッカーを受けた。この走りが評価され、9月には2017年からレギュラードライバーに昇格することが発表された。

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関口 雄飛
Yuhi Sekiguchi
生年月日:1987年12月29日 出身:東京都
所属:ITOCHU ENEX TEAM IMPUL
2007年、全日本F3とスーパーGTのGT300クラスにデビュー。2011年には全日本F3で王者となり、2013年には、スーパーGTのGT500クラスへ。今年はLEXUS RC Fで3シーズン目を迎えるほか、待望のスーパーフォーミュラへのデビューを果たした。

◇JAF鈴鹿グランプリ公式サイトはこちら

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