京王閣競輪開設67周年記念ゴールドカップレース(GⅢ)特集

インタビューページ

走りで気持ちが伝わる選手をみつけて、そして追いかける。
競輪の新たな面白さは、そこから始まると思います。

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記念を優勝することは、一流選手への仲間入り。地元の記念に呼ばれる誇り、その期待に応え名前を売りたい。今節は、河村雅章(東京・92期)の気概に注目したい。

記念と呼ばれるGⅢ競走は、各競輪場で年に1度だけ行われるレース。京王閣のゴールドカップレースに呼ばれる東京の地元選手は、それが誇りにもなるし、期待してもらっているのだという自覚にもなります。GⅠレースとは違ったモチベーションなのですが、GⅠ以上に個々の選手にとって重みのある戦いになるはずです。また記念に優勝することは一流選手の仲間入りを果たすことになります。若手選手にとっては、自分の走りを存分にアピールすることで、相手に警戒されるようになれてこそ、強くなりますからね。その意味で今節、期待しているのは河村雅章(東京・92期)選手です。今年、GⅠに初めて出走し、今まさに名前を売っている時期。そして呼ばれた地元の記念ですから、そこでどんな走りを見せてくれるのか楽しみです。決して勝つことだけがすべてではありません。レースの中でいかに自分の個性、自分の持っている力を出し切れるか、そしてその想いがどれほど強く届くのか。地元で期待されているというプレッシャーに押し潰されず健闘して欲しいです。

若手は自分の走りを相手に見せつけて警戒させる。ベテランは自身の強さを改めてアピールし圧倒する。記念の一走、一走の積み重ねが、後のGⅠにつながる。

ケイリンは一走、一走の積み重ねが大切です。記念は若手にとって自分をアピールする場となりますが、GⅠレースに照準を定めているスター選手であっても、ここで恥ずかしい走りは見せられません。記念レースは自身の強さを改めてアピールする場所であり、本当に強い選手は、年間に記念をいくつも優勝していきます。同じように地元のベテラン選手にとって、その意味は大きく、後閑信一選手が3連覇している記録も残っていますが、「負けられない想い」は誰よりも強いものとなるでしょう。彼の性格的にも体調を整えてくると思います。東京ではもう一人、岡田征陽選手の巻き返しに期待したいですね。グランプリ出走の経験があるトップ選手。やはりこのままでは終われないという想いは強いはず。地元の記念で久しぶりにいいところを見せて、ファンにアピールして欲しいです。やはり地元が強いと盛り上がりますから。他の地区の選手だって、それぞれの想いを抱えて気合が入っています。私の出身である岐阜の森川大輔選手も出走してきますが、9月に岐阜の記念では期待に応える走りが出来ませんでした。地元のプレッシャーに負けた印象ですが、その経験は彼の向上心に火をつけたはず。私もそうでしたが、田舎育ちは都会のレース場の記念だと妙にテンションが上がるんですよ(笑)。今後の成長も含めて、今節見届けたい一人です。

グランプリを勝ったことで浅井には責任感が漲っている。平原の走りは常にケイリンを象徴する男気が備わっている。今年もグランプリに出てきてもらいたい現役最強候補です。

今年のゴールドカップレースの本命は浅井康太選手、平原康多選手のSS戦士です。浅井は昨年末のKEIRINグランプリ(京王閣で開催)を勝ったことで、ケイリン界を背負って立つという責任感が走りからも伝わってきます。以前から上手い選手でしたが、さらに精神的にワンランクポジションを上げましたね。9月までにGⅠこそ勝っていませんが安定感のある走りで賞金ランク6位、さらに賞金を積み重ねてKEIRINグランプリに出てくるはず。どんなレース展開になっても勝負強く、ファンにとっては本当に頼りになる選手だと思います。京王閣との相性も悪いはずがありません。平原もここでは実力上位。今年は本人にしてみれば物足りない成績でしょう。KEIRINグランプリ出走へ、この秋のGⅠレースが賞金加算へ正念場。埼玉ですから準地元、東京との連携もあり、ここはしっかり勝ちきる気持ちで入ってくると思います。体格もズバ抜けていて、スピード、スタミナともに屈指の存在。先行しても、捲っても、ラインの力を出し切る乗り方はファンの支持も大きく、KEIRINグランプリを獲らせたい選手です。この二人はある意味、現役最強といってもいいレベルに近づいている選手。ゴールドカップレースの決勝で二人の対決が見てみたいし、そのままグランプリでも再び戦って欲しいと思います。

選手の走りから、選手の気持ちが伝わってくるときがある。それは誰が見ていても、わかる熱量だったりするもの。ケイリンの魅力は、選手の想いを考えながら推理すること。

気持ちを感じさせる走りを見せる選手って、一般のファンの人にも感じ取れるんですよ。勝ち負け以上に、自分のポジションでしっかりと意思を持って走っている選手は、見ていると分かってくるものです。その選手の気持ちを感じながら推理すると、ケイリンの予想はとっても面白くなります。選手時代、脚力やスピードで敵わない相手でも、レースに向かっていく気持ちで内容はガラッと変わりました。妄想で良いんですよ、その選手の気持ちになってレースを見ると、レースそのものがより魅力的になるし、感動や興奮の振り幅も大きくなるし、ケイリンの楽しさが増してきます。最初にも言いましたが、一走、一走がすべて繋がってくるのがケイリン。予選のレースで負けてしまったからといって、それで終わりではなく、選手は常にその先にあるものを求めて戦っています。ゴールドカップレースをきっかけに、選手の気持ちを自分に投影しながら、ケイリンを見てください。そして新たな面白さを見つけてもらえたらと思います。keirin

プロフィール

山口 幸二
やまぐち こうじ
現役時代はレースセンスに長けた追い込み選手として活躍。ここ一番の強さでファンを魅了。2度のKEIRINグランプリやオールスター競輪を制している。「ヤマコウ」の愛称で親しまれ、常にファンやマスコミにもユーモア溢れるコメントを提供してくれた。現在は競輪評論家として、様々なメディアでケイリンの魅力を伝えている。

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1つのレースのほんの僅かなことでも、それが10レース分となれば大きな差。最初のレースと10回目のレースでの走り方は大きく変わってきます。

■京王閣で行われた昨年のKEIRINグランプリ優勝おめでとうございます。その時の感想を改めてお聞かせください。
素直に嬉しかったです。選手になってまずはグランプリに出ることが目標で、そこから5年連続で出ることができて、いつかは勝ちたいという思いも強くなっていたので、本当に嬉しかったです。やはり1年の総決算、頂点の舞台ですから、KEIRINグランプリで結果を残せたことは名誉です。

■優勝賞金は1億円を超える大一番、その賞金でご自分に何かご褒美を買ったりしたのですか。
勝ったからといって特別な買い物などはしていません。金額はプロスポーツ選手の結果としてついてくるもの。それで浮かれていたり、満足してしまったら、そこで終わりですからね。ひとつの節目にはなったので、改めて家族やお世話になった人たち、応援してくれたファンに感謝の気持ちは伝えたいと思いました。

■そこからまたすぐ今シーズンが始まりました。KEIRINグランプリ覇者として挑むレースというのは、何か意識が変化したりしたのでしょうか。
自分自身よりは周りの見る目が違いますよね。同じSS班でも、チャンピオンユニフォーム、1番車で走りますから、それだけ注目してもらえる訳で、今まで以上に恥ずかしいレースは出来ないという思いは強くなりました。しっかりと勝てているときはいいのですが、やはりまけることもありますから、その期待に応えられなかったことで、自分にプレッシャーをかけ過ぎて、少し調子を崩したりもしました。それも経験、KEIRINグランプリに勝ったことで感じることですから、より強くなるための糧にしていかなくてはと思っています。

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■評論家の山口幸二さんは、浅井選手は責任感の強い走りが目立ち、いちだんと頼もしくなったと仰っていたのですが、どう思われますか。
そう言っていただくのはありがたいと思います。ただ今までもSS班で走ってきて、今年もその延長線上にあるのは変わりません。何か走り方を変えていることではなく、各レース毎に色々な考え方があり、ラインのメンバーでも変わってくるだろうし…。その中で自分が仕掛けていかなくてはいけない場面もありますし、厳しい展開でも何とかしていかなくてはと思っています。高いレベルのレースに慣れ場なるほど、ギリギリのタイミングで仕掛けたり、本当に一瞬の判断で天と地の差になります。責任感というか、年々、強い気持ちでレースに向かっているのは確かです。最終的には結果を出し続けてこそ、評価されていく世界ですから、それがファンの方に信頼されることにもなるだろうし…まだまだやるべきことはありますよ。

■9月25日の時点で、KEIRINグランプリ圏内の賞金ランキング5位につけています。川崎GⅡサマーナイトフェスティバルの優勝、それからGⅢの記念レースを奈良、松山、平塚、福井、弥彦と勝ちました。GⅠレースこそ買っていませんが、納得できる内容ではないでしょうか。
確かにGⅡを含め記念レースを幾つも勝たせてもらっていますが、GⅠレースでは高松宮記念杯の決勝3着だけ。そういう意味では、まだまだ足りないものを感じています。一走、一走の大切さがケイリンでは意味を持ってくるのですが、特に初日のメインレース、純決勝、決勝など、SS班のメンバーを含め、強豪が揃うレースの走り方というのは、学ぶべきポイントが必ずあります。それは勝ったレースでもミスはありますし、負けたレースには必ず敗因がありますし、それに気づくことが出来れば、次のレースで修正できると思います。また自分だけではなく、色々な選手の動きなどからも気づくことはあります。1つのレースのほんの僅かなことでも、それが10レース分となれば大きな差。意識づけできたり、技術的に修正できれば、最初のレースと10回目のレースでの走り方は大きく変わってきます。また変わっていなければだめだと考えています。そういった積み重ねの結果を大きな舞台で見せたいです。

■とてもプロ意識が高くストイックにレースに向かっている印象を受けますが、SS班を継続していくということはそういうものなのでしょうか。
おそらくすべての選手がそういう意識で戦っているとは思いますよ。ただ誰もが頑張っていても、その結果の良し悪しは、どうしても個人差が出てしまいます。後輩選手とかにも、プロの選手としての意識とか、そういう話はしたりしますが、色々なことを教えたからといってみんな強くなるのではなく、自分で課題なりを見つけられて、そこに真摯に取り組んでいる選手が強くなってくるのだと思います。自分の努力と貰ったアドバイスで、1+1が2じゃ意味がなくて、1+1を3にも4にもしていかないとね…。ケイリンはレースになれば、ラインの関係性などもありますから、すべて自分だけで勝てるものではありません。ライバルではあるけどチームでもある。お互いが信頼しきれる関係性を築くためには、常に高い意識を持っていなくては、チームとして成立しません。ファンの皆さんに見ていただく意味では、そこに競輪の魅力があるので、個人戦であり、チームの戦いでもあるというところを見て欲しいですね。

■プロ意識という点では何かレースに挑むときのルーティンなどはありますか。
色々なところで言っているのですが、「左重心」を意識しています。話すと長くなるので、詳しく知りたい人は調べてください(笑)。基本的に左に重心があるときは、前方への力が生まれるので、そのパワーの伝え方をレースでできるよう意識しています。日常生活の中でも意識しているんですよ。レースの時は選手が集合して清めの塩をまくとかきから、すべての身体の使い方に「左重心」に対する意味があり、特に最後の動きとしては、スターと直前、腕を組んでいくつかの筋肉の動きをチェックしています。僅かな時間の中で5箇所くらいの筋肉の動きを調整することがルーティンで、すべては「左重心」に意識を集中するためです。記念を京王閣に見に来ていただき、レース前の僕の動きも見てください(笑)

■最後にゴールドカップレースに向けて、意気込みを聞かせてください。
GⅠ寛仁親王牌の前で、今はKEIRINグランプリ出場は確定していませんが、KEIRINグランプリ出場に向けてゴールドカップレースは大事な位置づけになります。ゴールドカップレース、競輪祭、そしてKEIRINグランプリへとレースが続いていきますから、肉体的にも、精神的にも、自分自身が自信を持って向かっていきたいし、いい流れで年末を迎えるためにも、しっかりと結果を出したいと思っています。この時期に京王閣を走れるということは、昨年のKEIRINグランプリのときの気持ちを思い出させてくれるでしょうから、とても心強い感じがします。ゴールドカップレース時には、KEIRINグランプリ出場が決まっていれば、さらにいいテンションで挑めると思います。

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