ラグビージャーナリスト村上晃一氏が新生ジャパンの初陣を展望!

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11月5日(土)、東京・秩父宮ラグビー場にて、日本代表はRWC2015ベスト4の強豪アルゼンチン代表を迎える。新HC(ヘッドコーチ)にジェイミー・ジョセフ氏が就任して初の試合ということで大きな注目を集めているが、新生ジャパンはどんなプレーを披露してくれるのか。ラグビージャーナリストの村上晃一氏に、初陣を展望してもらった。

スコッドは経験値+調子+将来性

■新生ラグビー日本代表のスコッドを見ての印象を教えてください。
今回のセレクションは、基本的には日本代表で国際試合に出た経験値をまず大事にしています。加えて、今トップリーグで調子が良い選手、将来性のある選手で構成されているなという印象ですね。新HCのジェイミー・ジョセフがニュージーランド協会との契約の関係で9月まで日本代表の活動ができず、就任わずか2ヶ月後の11月にテストマッチが控えている。さらにトップリーグの最中で準備期間がすごく少ないという中で、強いチームを作るために選んだメンバーだと思います。

■ジェイミーHCの印象はいかがでしょうか。
アタックならアタックコーチ、スクラムならスクラムコーチといった具合に、各専門分野のコーチを招聘し、任せていく。全てに介入するというよりは、コーチ陣のマネジメントに注力していく。それぞれの役割を大事にする人だなと感じます。選手にも役割を与えて『この役割をしっかり果たしてくれ』ということをやっていく人ですね。

■注目すべき選手、期待している選手はいますか。
ラグビーワールドカップ2015のメンバーでいうと、堀江翔太、田中史朗、小野晃征、立川理道、松島幸太朗。この辺を中心に、アマナキ・レレイ・マフィと畠山健介までは絶対的な軸になる選手です。そこに、初選出が多いヤマハのフォワード陣。特にフロントローが入ってきている。面白いのは、フランカーとしては体格的に小さな180cm前後の選手が選ばれている点ですね。
今後の方向性を示す4試合
■RWC2015ベスト4の強豪、アルゼンチン代表を迎え撃つわけですが、どんな特徴を持ったチームですか。
今回、ほぼベストメンバーで来ると思いますが、伝統的にスクラムが強いチームです。パワフルなラグビーが特徴で、大きな選手がすごく低いタックルでくる。日本代表に対して、パワーでねじ伏せてきます。それからキックの上手い選手が多く、キックでも揺さぶってくるでしょうね。

■試合の見所は。
試合序盤は、アルゼンチンが圧倒的に攻めてくるはず。そこをスクラムで止めてディフェンスで粘ることと、キックの処理を最初の15分くらいミスしなければ、拮抗した展開に持ち込めると思います。最初の10分から15分の序盤戦が大事になってきますね。

■秩父宮でのアルゼンチン戦後のヨーロッパ遠征(ラグビー日本代表リポビタンDツアー2016)含め、11月の4試合の位置づけはどういったところになるのでしょうか。
これからの日本代表の方向性を示す4試合になると思います。そして選手たちも、『こういうラグビーでいくんだな』ということを理解する4試合になるはずです。アルゼンチン、ジョージア、ウェールズ、フィジー…相手は全て、日本より世界ランクが上のチーム。こういう4試合はなかなか組めません。今回は今のジャパンの力を見極める、各選手の力を見極めることと、チームの方向性を示すことがテーマになります。

■強豪と試合を組めるのは、RWC2015の結果や、それ以前の積み重ねがあるからでしょうか。
そうですね。テストマッチ11連勝、RWC2015で3勝したということが、強豪国がテストマッチを組んでくれる背景にあります。また、2019年には日本でワールドカップが開催されます。そこで、ホスト国になる日本と試合をしておきたいという狙いも各国にはあるでしょう。今回はアルゼンチン戦の後、日本が遠征していきますけど、日本に来たいという国も多いし、ここから2019年に向けてすごく国際交流がやりやすくなるはずです。今回、ジェイミー・ジョセフHCは全て勝つために準備していくとおっしゃっていますが、新生日本代表として、実質2回のミニ合宿と1週間の合宿しか組めず、グラウンドでの練習時間は10日もない。急造チームとはいえ結果は期待されると思いますが、何よりも試合内容が問われる4試合になると思います。

プロフィール

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村上 晃一
Koichi Murakami
ラグビーマガジン編集長や出版局を経て、フリーランスの編集者、記者として活動。ラグビーマガジン、Number(文藝春秋)などにラグビーについて寄稿し、JSPORTSのラグビー解説も98年より継続中。
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