Interview 大野均「泥臭くてもちょっとずつ前に進んでいく僕らの姿を見て、良いメッセージを受け取ってもらえたら嬉しい」

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ついに動き始めた新生ラグビー日本代表。代表でのキャリア12年目を数えるベテラン大野均は、新たな日本代表についてどのような印象を持ち、再び世界との戦いに身を投じるのか。その胸の内を聞いた。(取材日:10月18日)

やることは変わらない

■日本代表の新しいスコッドについて、初選出の選手もいますが、どういった印象でしたか。
非常にフレッシュなメンバーですね。初選出が16人ですか。この前の合宿で始めて顔を合わせたのですが、若い選手がいっぱい入っていて、自分としても日本代表として12年目ですけど、また違ったモチベーションで臨めるなと感じました。

■一番の変化はHCだと思いますが、合宿での新HCの印象はどうでしたか。
やはり日本で8年間プレーしていて、さすが元オールブラックスと感じる部分がありました。人間として大きなものを感じますし、指導もすごく細かいところまで見ていて。この前のミニ合宿でも、そこまで教えるのかと驚く部分もあって、これからが楽しみです。エディーさんとまた違ったアプローチの仕方を見せてくれるのではないかと期待しています。

■最年長として、新しい日本代表にどういった役割で関わっていきますか。
HCがかわったから、自分が最年長だからといって、やることは変わりません。1年1年、日本代表に残るために、目の前の練習で自分の持つ100%を出し切るだけです。出し切らないと、ついていけないのでね(笑)。年上だからといって上から目線でどうこうするわけではなくて、切磋琢磨してファーストジャージーを掴むしかない。そこはもう、若い時から変わっていません。

2019年がゴールではない

■12年の代表キャリアの中でも、去年のラグビーワールドカップは非常に大きいものだったと思います。
南アフリカに勝ったことは世界中に衝撃を与えたし、そのあとサモアに勝ち、アメリカに勝って3勝できたことで日本代表の実力がまぐれじゃなかったということを証明できた。決勝トーナメントには進めずに悔しい思いはしましたが、目標としていた3勝はできて、誇らしい気持ちで帰ってきました。

■3年後の日本で開催されるワールドカップを見据える意味でも、大成功だったと思います。
日本での開催、そして前回のワールドカップで3勝を挙げたということで、2019年はそれ以上の結果を求められるし、他のチームも日本を警戒してきますので、厳しい戦いになるのは間違いないと思います。ただ、それに向けてできることは決まっているので、あれもこれもと焦るのではなくて、ジェイミー新HCが提示してくるものをしっかりチームで吸収して、一歩づつ強くなるしかないと思っています。それこそ去年は、何かしらの結果を残さないと、新国立の問題もあって日本での開催自体が危うくなるんじゃないかという危機感を選手1人ひとりが持って臨んだ大会だったので、ああいう結果に繋がったんじゃないかと思います。これからの3年間は、違うモチベーションを探さないといけない。もちろん日本開催も一番のモチベーションではありますが、2019年がゴールではなくて、次の2020年からのラグビー界をもっと盛り上げるというモチベーション、それに向かっていく使命感というのを選手1人ひとりが持たないといけないと感じますね。

■11月5日に対戦するアルゼンチンについて、どのような印象を持っていますか?
体が大きくて、フォワードでガンガン前に出てくるイメージですね。自分たちのフィジカルを存分に生かしてくると思います。あとはキックの使い方がうまいという印象がありますね。スーパーラグビーでほぼアルゼンチン代表という構成のチームと戦った時も、ファーストスクラムで一気に仕掛けて日本の気持ちを折ろうという狙いを感じました。でも、それを我々が耐えたことで、向こうの歯車が狂って、最終的に我々が勝つことができたので、向こうの強みを出させない試合運びをしないといけないと思います。アルゼンチンに限らず、ヨーロッパ遠征で戦うジョージア、ウェールズ、フィジーも全て強豪なので、ジェイミーHCがどう持っていってくれるのか、期待しています。特に、アルゼンチン戦は秩父宮でやるので、お客さんもいっぱい入ってくれるでしょうし、そこで勝つことでまた去年のワールドカップのイメージをみんなに思い起こしてもらって、またラグビーを観に来てもらう。それを加速させるきっかけになる大事な試合になると思うので、全員で集中していきたいと思います。

■最後に、読者にメッセージをお願いします。
ラグビー自体は、ルールがわからなくてもぶつかり合いで楽しめると思います。ボールを使った格闘技なので、ぶつかり合いを単純に楽しんでほしい。新たな代表チームも去年までのチームと同じで、ずば抜けた実力の選手はいないので、全員が必死にボールを追いかけて、何フェーズも続けて泥臭くトライを狙っていく。それを80分間、ピッチにいる15人がどれだけ貫き通せるか。そういう日本代表が、泥臭くてもちょっとずつ前に進んでいく姿を見て、良いメッセージを受け取ってもらえたら嬉しいです。

プロフィール

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大野 均
Hitoshi Ono
1978年5月6日生まれ
福島県出身
身長/体重:192cm/105kg
出身校:日本大学
所属:東芝ブレイブルーパス
ポジション:LO(ロック)
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