Suzuka8hours 2017 ~ヤマハ発動機、鈴鹿8耐3連覇への挑戦~

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7月27日から30日にかけて、鈴鹿サーキットで『コカ・コーラ 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第40回記念大会』が開催される。ヤマハ発動機は今大会、「青の真価。」をスローガンに、ファクトリー体制の2チーム「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」と「YART Yamaha Official EWC Team」が出場。3連覇・7回目の優勝を目指す。

20160731_40「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」は2016年、鈴鹿8耐2連覇と全日本最高峰のJSB1000で5連覇を達成した中須賀克行と、「Pata Yamaha OfficialWorldSBK Team」からスーパーバイク世界選手権に参戦中で、ともに鈴鹿8耐での優勝経験を持つアレックス・ローズとマイケル・ファン・デル・マークが出場。監督は、全日本のファクトリーチームで指揮を執る吉川和多留が務める。
一方、2016-2017FIM世界耐久選手権(EWC)にレギュラー参戦し、3戦を終えランキング4位、シリーズチャンピオンを目指す「YART Yamaha Official EWC Team」は、ブロック・パークスとマービン・フリッツ、そして同チームのレギュラーライダーであり全日本選手権のファクトリーチームにも所属する野左根航汰が出場する。
マシンは、鈴鹿8耐用に開発したファクトリー仕様の「YZF-R1」を使用し、過去の鈴鹿8耐や全日本ロードレース、EWCで実績のあるブリヂストン製のタイヤを装着。なお、ファクトリー2チームに加え、ル・マン24時間耐久レース、オッシャースレーベン8時間耐久レースで2連勝を飾り、ランキング2位につけるEWCのレギュラーチーム「GMT94 Yamaha OfficialEWC Team」も、鈴鹿8耐に参戦する。

YAMAHA FACTORY RACING TEAM

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中須賀 克行
Katsuyuki Nakasuga
1981年8月9日生まれ 福岡県出身
全日本ロードレース選手権の最高峰JSB1000で5連覇、通算7回のチャンピオンを獲得してきたレジェンド。鈴鹿8耐でもは「#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAM」の中心を担い、鈴鹿8耐2連覇の立役者としてその力を存分に発揮してきた。ヤマハ悲願の8耐3連覇に向け、欠かせない最重要ピースである。
「過去2大会では、チームメイトにも恵まれチーム一丸となって2連覇を達成することができ、こうして3連覇に挑戦できることをうれしく思います。今回、鈴鹿8耐の優勝経験者がチームメイトであり、YZF-R1、チームも2015年から進化・熟成し、万全の体制が整っています。ライバルもニューマシン投入など強化してくると思いますが、ファクトリーの名にかけて勝たねばならないレース。ヤマハファンの声援を胸に、ヤマハ、チーム、スポンサー、サプライヤーが一丸となって3連覇を目指します」

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アレックス・ローズ
Alex Lowes
1990年9月14日生まれ イギリス出身
スーパーバイク世界選手権に参戦し、スピードスターとして大きな期待を背負うライダー。鈴鹿8耐では昨年から「#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAM」に加わり、中須賀、エスパルガロという実力者の中、キープ&アタックを巧みに使いわける走りで存在感を発揮し、自らのライディングで2連覇のチェッカーを受けた。今年も3連覇という重圧がかかる中で、チームに確実性と速さをもたらすことだろう。

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マイケル・ファン・デル・マーク
Michael van der Mark
1992年10月26日生まれ オランダ出身
2017シーズンからヤマハの「Pata YamahaOfficial WorldSBK Team」に移籍し、YZF-R1を新しい相棒として世界に挑んでいる。鈴鹿8耐は、初参戦となった2013年にいきなり優勝を飾ると、2014年に連覇を達成。「#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAM」では初参戦となるが、8耐で優勝を重ねることの難しさを知る数少ないライダーであることから、3連覇を狙うチームにとって欠かせない存在となることだろう。

YART Yamaha Official EWC Team

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「YART Yamaha Official EWC Team」の一員として、昨年に続き2年連続で鈴鹿8耐へと挑む若手ライダーの野左根航汰に、鈴鹿8耐への想いを聞いた。(取材日:6月8日)

去年以上の成績を残したい

■2年連続での鈴鹿8耐出場が決まりましたが、お気持ちはいかがですか?
去年と同じ『YART Yamaha Official EWCTeam』で出場しますが、このチームで今年からFIM耐久世界選手権(EWC)にフル参戦していて、ずっとレースをやってきているので、去年以上にお互いの信頼度も高まっていますし、チームワークも良くなっていると思います。去年以上の成績を残したいです。

■今年から『YAMAHA FACTORY RACINGTEAM』として、JSB1000クラスを戦っていますが、心境の変化、また手応えはいかがですか?
今年からファクトリーチームということで、もちろんプレッシャーはありますが、すごく良い環境で走ることができて、自分としてもすごく良いモチベーションになっています。開幕戦はリタイアしてしまいましたが、前回のSUGOでは2位に入りました。今回のもてぎのテストは今年に入って一番良い仕上がりなので、優勝が狙えるよう頑張ります。※取材後、11日に行われたJSB第4戦で見事、初優勝を果たした。

■ファクトリーチームとして活動する一方、『YART』のメンバーとしてEWCに参戦しています。チームの雰囲気や、海外の経験はいかがですか?
とても良い雰囲気で、他のライダーも含めてファミリーのように受け入れてくれるので、すごく自分としてもやりやすいです。海外のレースは日本とは少し雰囲気も違いますし、耐久レースということで、スプリントレースと違った戦い方があって、難しいです。

■スプリントとは違う、耐久レースを走る楽しさ、難しさはどんなところですか?
ル・マン24時間とオッシャースレーベン8時間が終わったのですが、やはり24時間は本当に長かったです。その中で、いかにミスをせずに速く走るかがすごく難しい。スプリントレースもチームとして一緒に戦っていますが、耐久レースはそれ以上に、ライダーも3人いますし、チームプレーが重要になってきます。そこは耐久レースの難しさでもあり、面白さでもあると思います。

■世界を相手に走ることで、通用すると感じた部分、また課題は見つかりましたか?
開幕戦のル・マン、そしてオッシャースレーベンでも2位に終わっていますが、やはり個人的にまだスピードが足りていないと感じます。スタミナもそうですけど、それよりもスピードですね。同じチームにブロック・パークスとマービン・フリッツというライダーがいるのですが、ブロック・パークスはすごく速くて、チームのエースライダーなのですが、とにかく効率が良く、スマートにレースをこなしていきます。走りに無駄がなく、そこは見習わなければいけないところだと思っています。みんなで同じバイクに乗っているので、ライダーの差が明確に現れます。身近に素晴らしいお手本がいるので、自分の成長につなげていきたいです。

■昨年の8耐では、耐久レース自体が初めてと仰っていました。今年はYARTで世界を回っていて、だいぶ自信や手応えを掴んだ状態で臨めるのではないですか?
昨年は初めてだったので、正直、耐久レース自体がどんなものなのか、わかりませんでした。いざ走ってみると、想像していたよりも過酷でしたね。体力面でかなり厳しかったです。ただ、今年は場数を踏んできていますし、耐久レースの走り方といいますか、レースの仕方も分かってきていますので、昨年より良い成績を残す自信はもちろんあります。

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鈴鹿8耐は“暑い”

■YARTのチームメイトである2人のライダーの特長を教えてください。
ブロック・パークス選手は、経験豊富なベテランで、元々MotoGPを走っていたライダーです。去年の8耐も一緒に走りましたが、エースライダーとしてみんなから頼られていました。体力的にもタフで、この間のル・マンでも、最後の10スティント目に自己ベストを出せるくらいのスタミナがあり、スピードももちろんありますし、本当に見本のようなエースライダーです。マービン・フリッツ選手は本番に強いという印象があります。ル・マンのときに思ったのですが、テストの時には自分の方が速かったにも関わらず、レースに入ったら自分より速くて、自分はなかなか彼のタイムに到達できませんでした。あまり見たことがないタイプのライダーですね。

■耐久レースでは、具体的にどんなところが過酷でしたか?
24時間と8時間では戦い方がまた変わってくるのですが、24時間は本当に長かったです。17 ~ 18時間までは意外と大丈夫でしたが、夜が明けたあたりから体力もかなり消耗して、気力との戦いでした。ル・マンのときは1人あたり50分走行する計算で、単純計算なら自分の番が来るまで100分間、休めるのですが、チームスタッフとどんな走りだったかを話し合って、着替えて、実際に休む態勢になるまで20 ~ 30分かかります。それから軽い食事や、トレーナーにマッサージをされながら、本当は睡眠もとりたかったのですが、レース中なので気分も高揚していて、チームメイトの走りも気になって寝られませんでした。また、何かあったときのために、早めに走れる準備をするので、100分間あるとはいえ、実際に休めるのは60分あるかないかでした。

■シーズンが始まる前に掲げていた、今シーズンの目標について教えてください。
JSB1000クラスとEWCの両方に出ていますが、JSB1000クラスはオートポリスのレースだけ、EWCと日程が被っていて欠場することになっています。それもあって、年間のランキングはほとんど気にせず、その分、出場するレースには攻めの姿勢で臨んで、1回は優勝したいです。EWCも同じ目標で、開幕から2位、2位と来ていて、まだ優勝できていません。こちらでも目標は優勝と、ランキングでも年間王者を狙っています。

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■最後に、読者へのメッセージをお願いします。
鈴鹿8耐は去年、自分も初めて出させてもらって、一言で言うと“暑い”です。その暑さが鈴鹿8耐だと思いますし、耐久レースはスプリントレースとはまた違ったドラマティックな展開があったり、予想もつかないようなことが起こったりするので、観ていて面白いと思います。日本でのレースですし、お客さんも多いので、自分としても良いところを見せたいです。

YART野左根 航汰(写真中央)
Kohta Nozane
1995年10月29日生まれ 千葉県出身
今シーズンより「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」へ加入。さらに「#7 YART Yamaha Official EWC Team」のレギュラーライダーにも抜擢され、世界へ一歩を踏み出した。鈴鹿8耐は昨年に続き2度目。今年はEWCでの表彰台獲得に貢献し、耐久の走りも身につけている。今年の8耐では、日本人ライダーの意地を見せ主力として、チームを表彰台、3連覇、シリーズチャンピオンに導いてくれることだろう。

ブロック・パークス(写真左)
Broc Parkes
1981年12月24日生まれ オーストラリア出身
2014年のMotoGPフル参戦をはじめ、YARTの一員として世界耐久選手権に出場するなど、常に世界トップカテゴリーでレースを続けてきたベテランライダー。鈴鹿8耐では昨年に続き、若手2人がチームメイトになるが、精神的な柱となってチームに落ち着きと安定感をもたらし、#21と表彰台の一角にチームを導いてくれるだろう。

マービン・フリッツ(写真右)
Marvin Fritz
1993年4月10日生まれ ドイツ出身
ドイツのロードレース選手権IDMを主戦場に戦ってきた若手ライダー。今シーズンから日本の若きトップライダーである野左根航汰と、YARTのレギュラーライダーに抜擢された。耐久レースの経験はほとんどないが、同年代の野左根と刺激を与え合いながら、第2・3戦とYARTの躍進を支えている。

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