J.LEAGUE 2018 PREVIEW

2018年、サッカー界にとってはワールドカップイヤーとなる年、26年目のJリーグが幕を開ける。昨シーズンは王者鹿島アントラーズのらしからぬ失速、そして川崎フロンターレ悲願の初優勝と非常にドラマチックなクライマックスを迎えたが、今年はどのようなシーズンになるのだろうか。

昨年まで無冠だった王者同士の対決

Jリーグの開幕を告げる最初のタイトルマッチ、『FUJI XEROX SUPER CUP 2018』が2月10日に行われた。Jリーグ初優勝を成し遂げた川崎フロンターレと、天皇杯王者のセレッソ大阪。この両チームは昨年のルヴァンカップでも顔を合わせ、勝った方がクラブ史上初のタイトルを獲得することで大きな注目を集めたが、ボールを支配し続けた川崎Fに対し、少ないチャンスをモノにする勝負強さを見せたC大阪が“無冠対決”を制し初タイトルの歓喜に沸いた。

一方、またも勝負どころで勝てない弱さを露呈してしまった川崎Fだが、ショックを引きずることなくリーグ戦で勝利を重ね、最終節で鹿島アントラーズを上回り逆転優勝。万年2位の汚名を返上し、ついに頂点に輝いた。

ルヴァンカップを制したC大阪も、初タイトルがチームに自信をもたらし、天皇杯で決勝まで勝ち上がると、横浜F・マリノスとの元日決戦を制して2冠を達成。決勝戦や勝てば優勝というリーグの重要な試合でことごとく勝ちきれず“勝負弱い”と揶揄され続けてきた2つのクラブが、国内のタイトルを席巻したシーズンだった。

そんな両クラブが、シーズン最初のタイトルを懸けて再戦。ライバル横浜FMのエース齋藤学を獲得し、FC東京から元エースの大久保嘉人が“復帰”した川崎Fに対し、C大阪も田中亜土夢、高木俊幸といった実力者を補強しており、昨シーズンからの上積みがどれだけあるか、注目された。

試合は、C大阪が山口蛍のミドルシュートで先制して試合を折り返すと、川崎Fは後半から大久保を投入。しかし後半開始早々に清武弘嗣のゴールでC大阪がリードを広げる。川崎Fは直後に小林悠がPKを決めて1点差に詰め寄るが、C大阪は途中出場の高木が初ゴールを決めて再び2点差にすると、川崎Fは終了間際に大久保が決めて追いすがるも反撃はそこまで。C大阪が昨年のルヴァンカップ、天皇杯に続き、3つめのクラブタイトルを獲得した。

C大阪は昨年、クラブOBでもあるユン・ジョンファン監督が就任して以降、無冠時代が幻だったかのようにタイトルコレクションを増やしている。元々、香川真司(ドルトムント/ドイツ)や乾貴士(エイバル/スペイン)が所属していたように、選手個々の技術力は国内でも屈指だったが、試合毎にムラがあり、下部組織出身者が多い故の甘えや、大事な試合に勝ちきれないひ弱さを内包していた。それが今や、“常勝軍団”への道を着実に歩んでいる。

常勝軍団の逆襲

Jリーグの常勝軍団といえば、鹿島。しかし、昨シーズンは勝てば優勝という最終節でジュビロ磐田の堅守を破れず、川崎Fに歴史的な逆転優勝を許してしまった。勝負強さを伝統としてきた鹿島にとっては、屈辱的なシーズンの幕引き。ほぼ手中に収めていたクラブ史上20個目のタイトルが指の隙間から零れ落ちた悔しさは、タイトルを獲得することでしか晴らすことはできない。そのため、クラブは勝者のメンタリティ、すなわちクラブの哲学を知る選手を呼び戻した。かつての不動の右サイドバックである内田篤人が、7年半ぶりにドイツでの挑戦から帰還。鹿島に20個目のタイトルをもたらすべく、そして自身の復活と日本代表への復帰を視野に入れた内田が、再び鹿島を常勝軍団へと導く。

また、久しくJ1のタイトルに届いていない浦和レッズも、リベンジに燃えている。昨シーズンはクラブ史上2度目となるアジアチャンピオンズリーグ(ACL)制覇を味わったが、欧州王者レアル・マドリードと対戦できるチャンスがあったクラブワールドカップでは、開催国のクラブ相手にまさかの初戦敗退。ACL制覇の喜びが半減してしまうショッキングな敗戦を味わっただけに、再びクラブワールドカップへという想いは強いはずだ。

注目を集める昇格組の2チーム

川崎がJ1を制したことで、改めて脚光を浴びたのが名古屋グランパスの風間八宏監督。現在の川崎のサッカーは「風間イズム」と称される風間監督のアイデンティティが浸透しており、現在率いる名古屋グランパスでも人とボールが動くサッカーを貫いて見事にJ1“復帰”を果たした。今シーズンのJ1では、川崎と名古屋による「風間イズム」の対決が期待できそうだ。

また、昇格組ではJ2昇格から5年目にして初のJ1昇格を成し遂げたV・ファーレン長崎が注目を集めている。2017年にジャパネットホールディングスの子会社となり、ジャパネットの創業者である髙田明氏が代表取締役に就任。過去の経営体制を徹底的に洗い直し、それからわずか1年でJ1昇格という結果を出したことで、経営面とチーム成績の関係性も改めて注目されている。

昨シーズン2冠とリーグ3位という好成績を収めたC大阪は、2016年はJ2におり、4位のプレーオフでJ1に昇格したチームだった。長崎は初のJ1でまずは残留が大目標となるだろうが、名古屋は昨年のC大阪のように、周囲を驚かせるような結果を狙っているかもしれない。

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