COUNTDOWN TOKYO 2020 vol.2 サーフィン -SURFING-

2020年、東京に再びスポーツの祭典がやってくる。Spopreでは「Countdown TOKYO 2020」と題し、2020年6月1日発行号まで全33競技を毎号特集。カウントダウン連載企画で世界最大のイベントを盛り上げていく。

ポリネシア発祥のマリンスポーツ

サーフィンはオセアニアにある海域の1つ、ポリネシアに起源を持つとされるマリンスポーツで、現在でいえばニュージーランドやトンガ、サモア、またアメリカのハワイやモアイ像で有名なチリのイースター島などが含まれる。その後、イギリス人のジェームズ・クック船長によって古代ポリネシア人の文化としてサーフィンが発見されたものの、布教の妨げになるとして宣教師たちによってポリネシアでサーフィンは禁止となり、サーフボードは燃やされてしまう。古代サーフィンはここに終焉を迎えたのだった。

時は過ぎ、20世紀初頭̶̶。ハワイで再びサーフィンをする動きが起こると、これをきっかけにハワイアンだけでなく移住してきた人達もサーフィンを楽しむようになる中、急速な観光地化に伴ってライフガード組織が必要となる。

その主要な役割を担ったカハナモク家の長男デュークは、サーファーとして、そしてスイマーとして卓越した技術を持ち、1912年にストックホルム五輪のアメリカ代表として出場すると 100m自由形で世界新記録を達成。それから17年間世界一の座を維持し続け、世界的なスターとして世界の水泳競技大会に招待されるようになっていく。デュークは招かれた国々でサーフィンを披露し、この素晴らしいスポーツの普及に努め、特に1915年の1月15日にオーストラリアのシドニーで行ったエキシビジョンは有名で、それによりオーストラリアではサーフィンは国民的なスポーツとして大きな発展を遂げることとなった。「近代サーフィンの父」と呼ばれるデュークの偉業を称えるため、ハワイのワイキキ海岸とオーストラリアのフレッシュウォーター海岸には彼のブロンズ像が建てられている。

こうして産声をあげた近代サーフィンは世界各地で急速に発展。日本では1960年頃、アメリカ人が湘南や千葉の海でサーフィンを楽しんでいるのを地元の少年たちが模倣して自作の「フロート」と呼ばれたボードで始めたのが最初だといわれている。そして1965年にはその青年たちによって日本サーフィン連盟が発足し、翌年の7月には第1回の全日本選手権が99名の選手で競われた。日本のサーフィンの歴史は、日本サーフィン連盟と共に歩んできたといえる。

注目は現役女子中学生サーファー

そんな日本でも馴染み深いサーフィンが、2020年の東京五輪でついに追加競技として正式決定された。

サーフィンはサーフボードのサイズによって、ロングボードとショートボードの2つに分けられる。古くから親しまれたのは、長さ9フィート(約274センチメートル)以上のロングボードで、ボード上を歩くテクニックが中心となる。一方、1970年前後に登場したショートボードは、長さ6フィート(約183センチメートル)前後でボードの先端が尖っている。こちらは細かいターンがしやすく、三次元のダイナミックな技を可能にしたタイプで、東京五輪ではこのショートボードで競技が行われる。

サーフィンはフィギュアスケートのように採点競技であり、波を乗りこなすライディングテクニックをジャッジが採点し、勝敗が決まっていく。いかに難易度が高く創造的な技を繰り出すか、スピードがあってダイナミックであるかなどが評価され、選手は定められた時間内に10本前後のライディングを行い、高い2本の合計点によって得点が決まる。また五輪では4メンヒートという方法が採用される。これは4人ずつで競技を行い、2人が勝ち抜けるという方式。1ヒート(試合)は波の状態によって異なるが、20~25分。その間に1人10~12本程度波に乗り、そのうちの点数が高かった2本の合計点が順位に反映される。

日本代表、いわゆる“波乗りジャパン”は、日本サーフィン連盟を中心に約80名の強化指定選手がおり、五輪本番に向けて大会をこなしながら徐々に絞られていく。男女それぞれ海外を拠点に活動する選手もおり、日本で行われることもあって非常にメダル獲得の期待値が高い競技といえる。

そんな日本代表の数ある候補者たちの中から、Spopreが注目したのはまだ14歳になったばかりの中塩佳那。現役中学生ながら国内大会の女性部門で優勝するなど実力は確か。サーフィン好きの父親と、プロのサーファーとして活躍する兄の影響で始めたというサーフィンだが、地元であり練習場所であった仙台港が2011年の震災によって影響を受け、翌年に千葉県へと引越し。今は九十九里浜を活動拠点としている。

2016年には日本サーフィン連盟のランキングで1位に輝いている彼女。その若さでテレビCMにも出演するなど人気急上昇中の彼女の名前は、覚えておいて損はなさそうだ。

プロフィール

中塩 佳那 Kana Nakashio
2004年1月29日生まれ
宮城県仙台市出身

●(提供)一般社団法人日本サーフィン連盟
HP:http://www.nsa-surf.org

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