COUNTDOWN TOKYO 2020 vol.3 野球 -BASEBALL-

2020年、東京に再びスポーツの祭典がやってくる。Spopreでは「COUNTDOWN TOKYO 2020」と題し、2020年6月1日発行号まで全33競技を毎号特集。カウントダウン連載企画で世界最大のイベントを盛り上げていく。

五輪競技から除外された2つの理由

日本の国民的スポーツ、野球。国内最高峰のプロ野球は80年以上もの歴史を持ち、野球のワールドカップ、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)では本場の国アメリカをおさえて第1回と第2回を連覇するなど、世界でもその実力は認められている。 しかし、日本でそれだけ人気のある野球が、2008年の北京大会を最後に五輪競技から外されてしまう。なぜ、野球は五輪競技から外れなければならなかったのか。大きな理由は2つある。

1つは、国際的な普及率。日本を始めとした東南アジアの国々や、アメリカを中心とした北中米カリブ海の地域は非常に野球が盛んだが、一方でヨーロッパや南米、そしてアフリカでの野球の普及率は低く、五輪参加国の半分程度しか野球機構を持っていなかった。

2つ目は、トップ選手の不参加が挙げられる。野球の世界最高峰といえば、アメリカのMLB(メジャーリーグベースボール)だが、その舞台でプレーする選手たちが参加しないことが問題となっていた。プロ選手の参加が認められた2000年のシドニー大会から、日本はプロ8選手を参加させ、続く2004年のアテネ大会では初めてプロ選手だけでチームを編成。しかし、MLBに参加する選手はシーズン真っ只中の五輪に一切選手を送ることを拒否している。このため、五輪に出場するアメリカ代表チームはかつて大学生中心で構成され、プロ選手の参加が解禁されてからはマイナーリーグ(MLBの下部リーグ)や独立リーグの選手中心で編成。日本もMLBで活躍する選手は参加できず、国内の選手もシーズン中であるため、どれだけベストなメンバーを招集できるかは未知数だ。

稲葉ジャパンにかかる期待

まさに課題山積み状態の五輪野球だったが、WBCの設立、WBSC(世界野球ソフトボール連盟)の設立、またこれに伴ってWBCに次ぐ国際大会『WBSCプレミア12』の創設など、野球界全体で国際交流、国際普及の努力を続け、ついに2020年の追加競技として認められた。

日本は1984年のロサンゼルス大会以来となる金メダル獲得を目指すことになるが、これまでの大会と違うのは、野球日本代表の組織も2008年当時とは大きく変わっていることだろう。主にWBCを軸に考えてのことではあるが、各世代プロアマの日本代表を『侍ジャパン』として組織化し、4年のスパンで同じ監督が代表チームの強化を図る、サッカーに似たシステムを採用。2017年のWBC終了後は稲葉篤紀がトップの監督に就任し、2021年の第5回WBCでの世界一奪還を目指している。

もちろん、2020年の東京五輪も目標のひとつではあるが、まだMLB選手の参加も含め、不透明な状況だ。稲葉監督はMLBに活躍の場を移した大谷翔平にラブコールを送っているが、本人の意思だけではどうにもならない領域の話であり、現状は非常に難しいといわざるを得ない。

参加できるかできないか直前まで分からないMLB選手をアテにすることなく、国内の選手中心で世界と戦えるチームを作る必要がある。稲葉監督は就任直後の『アジアプロ野球チャンピオンシップ』で、オコエ瑠偉などの若手を積極的に招集し、見事優勝を果たした。引退後、野球解説者として国内外問わず数多くの試合を見続けてきた稲葉監督には、選手時代の経験と、解説者として培った豊富な知識を活かし、侍ジャパンを世界一に導くことが期待されている。

●(協力)一般財団法人全日本野球協会
HP:http://www.baseballjapan.org/jpn/

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