COUNTDOWN TOKYO 2020 vol.4 陸上競技 -ATHLETICS-

2020年、東京に再びスポーツの祭典がやってくる。Spopreでは「COUNTDOWN TOKYO 2020」と題し、2020年6月1日発行号まで全33競技を毎号特集。カウントダウン連載企画で世界最大のイベントを盛り上げていく。

全てのスポーツの原点

「走る」「跳ぶ」「投げる」という人間の基本的な動きで構成される陸上競技は、様々なスポーツの原点とも呼べる競技であり、その起源は紀元前9世紀頃まで遡る。

紀元前776年、古代ギリシアで記録に残る最初のオリュンピア祭、すなわち『第1回古代オリンピック』において、スタディオン走が行われた。「スタディオン」とは「スタジアム=競技場」のことで、「1スタディオン=192.27m」の距離を競走していたとされている。これが現代の短距離走の原点であり、その後スタディオンの距離が2倍になった中距離走「ディアウロス」、スタディオンを10往復ほどする長距離走の「ドリコス走」と派生していった。

紀元前708年の第18回大会には、短距離競走、幅跳び、円盤投げ、やり投げ、レスリングの5種目を一人の選手がこなす「ペンタスロン」という五種競技も登場。ボクシングやパンクラティオン(現在の総合格闘技)といった女人禁制の祭典らしい過激な競技も加わっていく古代オリンピックは、紀元前146年にギリシアがローマ帝国に支配されたことを受け、ギリシアの文化とともに衰退の一途をたどっていく。

そして392年、ローマ帝国がキリスト教を国教と定めたことで、異教であるオリンピア信仰は禁止され、翌393年の第293回オリンピック競技大祭を最後に1169年間も受け継がれてきた伝統は幕を閉じた。

近代オリンピックの誕生

古代オリンピックの終焉から1500年が経った1892年、フランス人のピエール・ド・クーベルタン男爵がパリ大学ソルボンヌ講堂で世界的なスポーツ大会の開催、すなわちオリンピック復興の構想を明らかにする。それから4年後の1896年、古代オリンピックの起源であるギリシャのアテネで『第1回近代オリンピック』が開催された。

古代オリンピックと同じように女人禁制の大会として開かれた第1回大会では、欧米先進国14 ヶ国、241名の選手が参加。陸上、水泳、ボート(悪天候のため中止)、体操、レスリング、フェンシング、射撃、自転車、テニスの9競技が行われたが、その中心はやはり陸上競技だった。アメリカが陸上競技全11種目のうち9種目において優勝するという圧倒的な強さを見せる中、地元ギリシャは最終日のマラソンで奮起。羊飼いスピリドン・ルイスが見事に優勝を果たし、国王を含む全国民から熱烈な祝福を受けたという。

こうして感動的な幕引きとなった第1回のアテネ大会から16年後、1912年の第5回ストックホルム大会にて、ようやく日本が初参加を果たす。それまで個人やチームで参加できていたが、第4回のロンドン大会から各国のオリンピック委員会を通して行われるようになり、日本も1911年に嘉納治五郎を中心として大日本体育協会(現・日本スポーツ協会)を創立。同年、日本で初めて国内選考会が開催され、三島弥彦(中・短距離走)、金栗四三(マラソン)の2人が日本代表として初めてオリンピックに参加した。

このストックホルム大会後、陸上競技に関する国際的な統括組織と規則策定、世界記録の認定を求める17カ国の代表に夜会議が開催され、国際陸上競技連盟(IAAF)が創設されることとなる。

縮まる世界との距離

1924年の第8回パリ大会後、日本の選手選考が体育協会と私立大学、官立大学との間で揉めた問題を受け、体育協会から分離した陸上競技の全国的団体の創立が図られる。こうして1925年3月に創立されたのが、全日本陸上競技連盟(現・日本陸上競技連盟)。以降、日本国内の陸上競技は全日本陸上競技連盟が体育協会に代わって統括することとなった。

陸連発足後、最初のオリンピックとなる1928年の第9回アムステルダム大会から、女性の陸上競技への参加が初めて認められ、日本からは人見絹枝が出場して800mで銀メダルを獲得。また、男子も織田幹雄(三段跳)と鶴田義行(競泳)が金メダルを獲得した。

近代オリンピックも100年以上の歴史を重ね、現在の陸上競技は男子24種目、女子23種目が五輪種目として行われている。日本は2016年のリオ大会を終え、陸上競技だけで金メダル7個、銀メダル9個、銅メダル9個の合計25個のメダルを獲得。総獲得数では体操(98個)や柔道(84個)、競泳(80個)などに比べて大きく水を空けられているとはいえ、身体能力がモノをいう陸上競技において、体格的に劣る日本がこれだけのメダルを積み上げてきたことは驚異といえる。

特に、日本にとって最もメダル獲得が難しいとされてきた短距離走において、リオ五輪4×100mリレーでの銀メダル獲得や、桐生祥秀(日本生命)が日本人初の9秒台を出すなど、着実に世界との差は縮まっている。最新鋭のトレーニング方法、スポーツ科学の発達など、様々な外的要因によって、まだまだ記録が伸びる可能性を秘めている陸上競技。オリンピックの原点にして花形の競技だけに、2020年の東京五輪でも陸上競技のメダリスト誕生を多くの国民が期待している。

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