COUNTDOWN TOKYO 2020 vol.5 トライアスロン-TRIATHLON-

2020年、東京に再びスポーツの祭典がやってくる。Spopreでは「COUNTDOWN TOKYO 2020」と題し、2020年6月1日発行号まで全33競技を毎号特集。カウントダウン連載企画で世界最大のイベントを盛り上げていく。

3つの種目で1つの競技

「 トライアスロン」はスイム(水泳)、バイク(自転車)、ラン(長距離走)と3つの種目を連続して行うことから、ラテン語で「3」を意味する「tri」と「競技」を意味する「athlon」が組み合わさり生まれた名称。1974年、アメリカのサンディエゴで世界初のトライアスロン大会が実施されたが、今と順番も距離も全く違う大会からスタートした。

それから3年後の1977年、ハワイで行われたマラソン大会の打ち上げで「ホノルルマラソン」「ワイキキ・ラフウォーター・スイム」「オアフ島一周自転車レース」のどれが一番過酷かという議論が始まる。収拾がつかなくなってきたところ、サンディエゴのトライアスロン大会に出場していたホノルル海軍のジョン・コリンズによる「全部一緒にやって一番を決めよう」という鶴の一声により翌1978年、スイム3.8km、バイク180km、ランニング42.195kmを1人でこなすという超人的なアイアンマンレースがオアフ島で開かれる(第1回大会17名参加)。

これを機に、トライアスロンレースが各地で広まり、1981年には日本でも初開催。鳥取県米子市の皆生温泉が「皆生温泉開湯60周年記念事業」として大会を開き、スイム2.5km、バイク63.2km、ラン36.5kmの合計100kmを競った。53名が参加したレースは、下津紀代志と高石ともやが6時間27分33秒で同時にゴールしている。1982年には、スイム1.5km、バイク40km、ラン10kmの合計51.5kmとした新たな国際基準(ショート・ディスタンス)が設定され、一般でも参加できるハードルが下がったことで一気に世界各地へと普及拡大していった。

世界トライアスロンシリーズ

1989年、国際トライアスロン連合(ITU)が設立され、同年にはITU世界トライアスロン選手権が初開催された。2008年までは毎年1大会が開催されていたが、2009年からは複数大会を行い、成績に応じて与えられるポイントの合計で王者を決めるシリーズ制を導入。日本も第1回大会から代表選手を派遣している。

日本では2009年、横浜を舞台に開港150周年記念事業として初開催された。この「世界トライアスロンシリーズ横浜大会」は、山下公園や赤レンガ倉庫、みなとみらい21地区など、横浜の観光名所がコースとなっており、「横浜トライアスロン」として定着。今や横浜は東アジア唯一の世界トライアスロンシリーズ(大会)の開催都市となっている。

5月12日から13日にかけて行われた2018年大会では、2020年東京五輪の出場権を懸けたポイントランキングがスタート。エリート男子では世界ランキング1位のマリオ・モーラ(スペイン)が圧巻の大会3連覇を飾るなど、世界のトップレベルが強さを発揮した一方、日本勢は苦戦。小田倉真(三井住友海上)の32位が日本勢最高で、古谷純平(同)が34位。東京五輪での出場2枠を目指す小田倉は「もっともっと自分に厳しく強化しないと」と危機感を募らせた。

女子エリートでも、フローラ・ダフィー(バミューダ)が連覇したものの、日本勢では高橋侑子(富士通)が15位、世界ランキング4位の佐藤優香(トーシンパートナーズ・NTT東日本・NTT西日本・チームケンズ)は18位、五輪3大会連続出場中の上田藍(ペリエ・グリーンタワー・ブリヂストン・稲毛インター)は30位に沈んだ。「不甲斐ないレースになってしまった」と振り返った高橋は、2016年のリオデジャネイロ五輪代表の切符を掴めなかった過去を持つ。「本当に悔しい思いをした。今度こそという気持ちは強い」と2年後を見据え、4月にバミューダで行われた世界シリーズでは日本勢最高の5位に入っており、東京五輪出場と表彰台を狙う。

男女各最大3枠の熾烈な代表争い

トライアスロンが五輪競技に初めて採用されたのは2000年のシドニー大会。競技時間の関係上、ショート・ディスタンス形式が採用され、以降ショート・ディスタンスは「オリンピック・ディスタンス」と呼ばれ、現在は「スタンダード・ディスタンス」と呼ばれている。日本人選手としては2008年の北京大会、女子代表の井出樹里が日本選手として初となる5位入賞を果たした。

五輪に出場するためには、前述の世界トライアスロンシリーズでポイントを積み上げてランキングを上げる必要がある。東京五輪に向けては横浜トライアスロンが最初の対象大会となり、2020年の5月11日までが期間。2016年のリオ五輪では男子1人、女子3人が日本代表として出場し、2020年では開催国ということで男女各最大2枠が与えられている。熾烈な出場枠争いの中で、切磋琢磨し表彰台も狙えるような選手に出てきて欲しい。

また、東京2020オリンピック競技大会(または、東京五輪)より、個人種目に加えてチームミックスリレーが新種目として採用される。男女各2名の4名で構成され、各選手がスイム300m、バイク8km、ラン2kmを行いリレーしていく競技で、競技時間は約70分。スーパースプリントディスタンスを各選手18~20分でフィニッシュする。日本は、開催国枠の4名が選出されれば、リレー参加資格も得ることができる。個人・ミックスリレー競技ともに、開催場所はお台場海浜公園が予定されている。2016年リオデジャネイロパラリンピックから正式種目となったパラトライアスロンも同会場で実施予定。メダルを狙う日本選手に期待したい。

2000年代後半から、一般の方にも急速に普及していったトライアスロン。過酷なイメージがある一方で、スタンダード・ディスタンスならばフルマラソンほどのカロリー消費や膝への負担はなく、一度参加してみたらハマってしまった人が続出しているという。1つの競技に3つの種目があるため、観ているだけでも面白い競技だが、観ているとやりたくなるのが人の性。普段、体を動かしており、マラソン大会にも参加するような方は、これを機会に是非、ライフスタイルとしてトライアスロンを取り入れて、楽しんでみてはいかがだろうか。

●(写真提供) Satoshi TAKASAKI/公益社団法人 日本トライアスロン連合(JTU)
HP:http://www.jtu.or.jp

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