COUNTDOWN TOKYO 2020 vol.6 水泳 -AQUATICS-

2020年、東京に再びスポーツの祭典がやってくる。Spopreでは「COUNTDOWN TOKYO 2020」と題し、2020年6月1日発行号まで全33競技を毎号特集。カウントダウン連載企画で世界最大のイベントを盛り上げていく。

メドレー誕生までの歴史

五輪における水泳競技は「競泳」、「飛込」、「水球」、「アーティスティック(旧シンクロナイズド)スイミング」の4つの種目に分かれている。

一定の距離を定められた泳法で泳ぎ、タイムを競う競泳は、五輪において陸上競技・体操競技・フェンシングとともに、1896年の第1回アテネ大会から行われている。ただし、種目は水夫による100m自由形1種目のみで、競技を行う場所は専用のプールではなく港だった。また、現在最も速く泳ぐことのできる泳法「クロール」の普及前であり、自由形といいながらもほぼすべての参加者が平泳ぎで泳いだ。

そもそも「泳ぐ」という行為は「走る」、「跳躍する」、「投げる」などといった人間本来が持つ動作の一つとして、紀元前から当たり前のように存在していた。そんな中で、走る速さを競い合う徒競走と同じように、泳ぐ速さを競う競泳も自然と発生。そして1869年、ロンドンに首都水泳クラブ協会が創立され、距離や規定が確立するとともに普及拡大した。

第2回のパリ大会で背泳ぎが種目として採用され、自由形ではクロールが主流となったことを受け、第3回のセントルイス大会からは平泳ぎが単独の種目として独立。しかしこの平泳ぎでは、より速く泳げるという理由からカエル足を用いたバタフライ泳法が主流となってしまう。1948年のロンドン大会、1952年のヘルシンキ大会において、平泳ぎの入賞者すべてがバタフライ泳法だったため、1956年のメルボルン大会からはバタフライが単独種目として独立し、現行のメドレー4種目が誕生。1960年のローマ大会から、メドレーリレーが種目として採用され、1964年の東京大会から個人メドレーが採用された。

1908年の第4回ロンドン大会がきっかけとなり、同年に国際水泳連盟(FINA)が創立。第5回のストックホルム大会からは女性の参加が許され、日本が初参加したのもこの大会から。第8回のパリ大会からは、コースとしてようやくプールが使われるようになった。 一方、2008年の北京五輪からは、海を10km遠泳するオープンウォータースイミング(マラソンスイミング)が正式種目として採用され、2020年東京五輪での会場はお台場海浜公園が予定されている。

飛躍的に進歩してきた飛込

飛板や飛込台から空中に舞い、入水するまでの一連の動作の技術、演技の美しさを競う飛込は、その起源に諸説あるが、競技としていつ頃から行われるようになったかという正確な記録は残っていない。世界最初の競技会は、1886年にドイツで飛板飛込みが行われていたとされ、1890年にはイギリスがスウェーデンのダイバーを招いて世界最初の国際競技大会を開催。ただし、当時は単純に水中に飛び込むだけという競技だった。

五輪競技としては第3回セントルイス大会から高飛込みが正式種目として採用され、4年後のロンドン大会からは飛板飛込みも採用された。その後、ダイビングは五輪が開かれるごとにルールの改正と施設の改善を繰り返しながら日進月歩していき、第18回の東京大会で大きな転機が訪れる。それまでは比較的単純な技の美しさを競うものであったが、東京大会からは回転や捻りがより多く演技に取り入れられるようになり、複雑で高度な技が追求されていく。

それ以後、年々演技種目の高難度化が進み、現在では最高が前宙返り4回転半の宙返り、捻りが4回転半という技が認められるまでに進歩。また板・高、各競技種目においても、観客が見て楽しむ競技として発展した2人同時に飛び込むシンクロダイビングも正式種目として行われるようになった。

芸術を競うアーティスティックスイミング

飛込と同様に美しさを競うのが、アーティスティックスイミング。シンクロナイズドスイミングという名称が多くの人々にとって馴染み深いものであるが、ソロや混合種目では「シンクロナイズド(同調した)」の表現がそぐわないと国際オリンピック連盟(IOC)が指摘し、2020年東京五輪を前に名称変更されることとなった。

音楽に合わせて体を動かし、技の完成度、音楽と泳者相互の同調性、構成、芸術的な表現力を競う競技で、水面で繰り広げられる美しさからは想像できないほど体力の消耗は激しい。日本は1973年にベオグラードで行われた第1回世界選手権から出場し、アメリカ、カナダに次ぐ第3位の成績を収めた。その後も正式種目となった1984年ロサンゼルス五輪でソロ、デュエットともに銅メダルを獲得するなど、現在に至るまで強豪国としての地位を確立している。

“水中の格闘技”と呼ばれる水球

タイムや芸術点を競うことの多い水泳競技の中で、異彩を放つのが水球だ。プールに設置されたコートで、シュートしたりパスしたり、相手をマークしたりの攻防を繰り広げながらその得点を競う水球は、“水中の格闘技”とも呼ばれ、元々はウォーターフットボールという競技から発展。発祥の地イギリスからヨーロッパ各国やアメリカへと広まり、1907年に日本へと伝わった。
日本の男子が代表チームとして五輪に参加したのは1932年のロサンゼルス五輪からで、女子チームは開催国枠として出場する2020年の東京五輪が初出場となる。冬季五輪におけるカーリングのように、東京五輪で活躍することによる地位向上に期待したい。

●公益財団法人日本水泳連盟
HP:https://www.swim.or.jphttp://www.jtu.or.jp

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