MOTOR SPORTS 2019 ~見所満載の国内レース2019シーズン~

今年はトヨタとホンダがタッグを組んで盛り上げた鈴鹿サーキットのモータースポーツファン感謝デー。そのオープニングセレモニーでは豊田章男社長がWRCマシンのヤリスを、八郷隆弘社長が2輪の世界耐久選手権で活躍するCBR1000RRをそれぞれ駆って登場したほか、2017年インディ500を制した佐藤琢磨はウィニングマシンでデモランを行なうなどして場内を沸かせたが、数あるイベントのなかでもスーパーフォーミュラのデモレース「SUPER FORMULA OPENING LAP」を間近に見て今シーズンの行方に胸を膨らませたファンも少なくなかっただろう。

挨拶に立つJRPの中嶋悟会長

2019年シーズンのスーパーフォーミュラはとびきり話題が豊富だ。まず、マシンが5年振りに新型に切り替わる。ニューマシンの名前はSF19。製造するのはこれまでと同じイタリアのダラーラながら、オフィシャルタイヤサプライヤーである横浜ゴムからの提言を受けてフロントタイヤのサイズをアップ(幅を20mm拡大)したほか、ダウンフォースもこれまで以上に増やして戦闘力を増強。その一方、F1でお馴染みとなったヘイロー(HALO)を装着し、安全性の向上にも努めている。テストに参加したドライバーからは一様にマシンの進化を評価する声が挙がっているほか、エアロダイナミクスの見直しによってこれまで以上にオーバーテイク(追い越し)の機会も増えたとされる。つまり、昨シーズンよりもさらに速く、そしてエキサイティングなレースが期待できるというわけだ。

5年ぶりに切り替わった新型SF19

新シーズンのスーパーフォーミュラが楽しみな理由は、ほかにもある。

昨年から横浜ゴムは全戦で2タイプのタイヤを供給。それらはソフト・コンパウンドならびにミディアム・コンパウンドと呼ばれ、ソフトを履けばペースは上がるものの耐久性はミディアムに及ばず、ミディアムは耐久性に優れるもののソフトほど瞬発力が得られないという一長一短の性格に仕上げられている。しかもスーパーフォーミュラに参戦するドライバーは、ソフトとミディアムのタイヤをレース中に少なくとも1度は履かねばならず、これがレースの展開に少なからず影響を与えるようになったのだ。

タイヤの2スペック制は今年も継続

そうした「タイヤの2スペック制」の醍醐味が理想的な形で堪能できたのが2018年シーズンの最終戦“第17回JAF鈴鹿グランプリ”。このレースでは通算29点を得てポイントリーダーに立つニック・キャシディ(KONDO RACING)と彼を5点差で追う山本尚貴(TEAM MUGEN)のふたりがチャンピオン争いを演じたのだが、予選でポールポジションを獲得した山本がまずソフトを履いて逃げを打つ構えを見せれば、キャシディはミディアムでスタートしてじっくり追い上げ、後半に履くソフトで勝負に出る作戦を選んだ。

レースは予想どおり前半は山本が大きなリードを築いたが、後半はキャシディがジリジリと山本を追い詰め、最終的にふたりは0.654秒の僅差でフィニッシュ。このレースに勝った山本が2013年に続く2度目の王者に輝くことになった。

2018シーズンのSFを制した山本尚貴

タイヤの2スペック制は今年も継続される予定だが、各チームとも昨シーズンを通じ牧野任祐などの若手勢。彼らの戦いに、F1候補生のダニエル・ティクトゥムを筆頭に、アレックス・パロウ、ルーカス・アウアー、ハリソン・ニューウェイといった新世代外国人ドライバーが絡み合い、息もつかせぬ激闘を繰り広げるだろう。

なかでも注目株はレッドブルの支援を受けるダニエル・ティクトゥム。2017年参戦のピエール・ガスリーや2016年参戦のストフェル・バンドーンのようにスーパーフォーミュラを足がかりにしてF1へのステップを果たせるかどうかが大いに注目される。

F1進出への期待もかかるダニエル・ティクトゥム

スーパーフォーミュラは4月20~21日に鈴鹿サーキットで開幕。オートポリス、スポーツランドSUGO、富士スピードウェイ、ツインリてタイヤの特性をレース戦略に生かすノウハウをたっぷりと吸収したはずなので、あっと驚くような作戦や思いもよらない大逆転が繰り広げられても不思議ではない。

トヨタとホンダが繰り広げるエンジン戦争も見どころのひとつだ。2014年にターボエンジンが導入されて以降、向かうところ敵なしだったトヨタに対し、昨年はついにホンダが一矢報いてタイトルを獲得したが、こうした背景もあって今シーズンは2社の激突がさらにヒートアップするのは間違いなさそうだ。

ドライバーの顔ぶれも魅力的である。中嶋一貴、小林可夢偉、山本尚貴、野尻智紀といったベテラン勢に挑むのは、坪井翔やンクもてぎ、岡山国際サーキットなど日本全国のサーキットを転戦した後、10月26~27日に鈴鹿サーキットで開催される最終戦“第18回JAF鈴鹿グランプリ”で幕を閉じる。

ル・マン24優勝を果たしたが、SFでは物足りない結果となった中嶋一貴

スーパーフォーミュラと並ぶ人気シリーズのSUPER GTも今年は熱い戦いが繰り広げられそうな気配を漂わせている。2018年はNSXを走らせるホンダが2010年以来となるタイトルを獲得したが、このためライバルのレクサスとニッサンが雪辱に燃えるのは必至。今季のタイトルを勝ち取るのは、ミッドシップの強烈なトラクション性能を誇るホンダNSXか、コースを選ばない速さを備えたレクサスLC500か、それともストレートの伸びが冴えるニッサンGT-Rか。こちらも目が離せないシーズンになりそうだ。

SUPER-GTからも目が離せない

○ text by Tatsuya Otani ○ All Photo by Toshikazu Moriyama

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