~YAMAHA STYLE~ ヤマハ発動機ジュビロ 新監督 堀川隆延・新主将 大戸裕矢

8年間に渡り、ヤマハ発動機ジュビロの指揮を執ってきた清宮克幸監督が、2018年シーズンを最後に勇退。コーチとして共にヤマハを強くしてきた堀川隆延を後継者に指名した。そして堀川新監督は、新たな主将に大戸裕矢を任命。スクラムで相手を圧倒するスタイルで日本のラグビー界に革新を起こしてきたヤマハが、新たな監督、新たな主将の下でリスタートを切ろうとしている。

新監督
堀川隆延 Takanobu Horikawa

ヤマハスタイルは変わらない

■清宮克幸前監督からバトンを引き継ぎました。どのようなチームにしていきますか?
清宮さんが築き上げてきたものを、さらにいい形にする。それが僕の役目だと思っています。清宮さんと一緒にずっと、新しいことをバージョンアップしながらやってきました。その姿勢には変わりはありません。「ヤマハスタイル」という言葉は、今後おそらく誰が監督になろうが、変わらないものであると思います。

■ファーストミーティングの中で、今シーズンのキーワードに「マキシマイズ」という言葉を挙げました。どういった意味がありますか?
選手の能力を最大限に引き出す。その中で、一人ひとりの個性を伸ばしていく。その個性を生かして、どうチームを作っていくかというのが、この8年間でした。まずは選手個々のポテンシャルを最大限まで引っ張り上げることですね。それから今年は、100フェイズアタックという練習をやります。去年までは50回でした。しかし、実際の試合では70回くらいで、これを100~150回にしたいと考えています。ということは、練習ではさらに厳しいことをやらなければいけない。プレッシャーがかかった時に、タフなチョイスができるかどうか。厳しい局面で、タフなチョイスをできるようなチームにしていきたいです。

■堀川監督自身、どのようなコーチ像を理想としていますか。
選手とコミュニケーションを取り続けたいですね。一人ひとりの選手と、お互いに双方向でコミュニケーションを取る。そういうコーチングをしたいです。毎日、必ず全員と何かしらコミュニケーションを取ります。話をするのはもちろん、握手でもいいです。何かしら、必ずします。

■清宮前監督から、新監督に任命された時の心境は?
実は去年1年間、ずっとその話をしてたんです。やるやらない、まだ続けた方がいいとか。でも最後は、やはりやれよと。ずっと話をしてきました。最後は清宮さんの意思が固く、色々な想いもあったので、引き受けることにしました。清宮さんも、自分だったらこれまで積み上げてきたものを大事にしながら、新しいものを作っていってくれるだろうという想い、期待があったと思うので。

■9季ぶり3度目の監督就任となりますが、これまでとの違いはありますか?
最初に就任したのは32歳のときでした。引退して1年間、マネージャーをやって、コーチングが何かもわからずに就任しました。正直、最初は簡単にできると思っていました。実際、どう戦っていくかなどのラグビーの考え方はそんなに難しくありませんでした。ただ、チームがどうあるべきか、チームをどうマネージメントするかというのは経験が必要でした。そういった経験をこの13年間、積んできたので、過去の2回とは全然違うと思います。

■清宮前監督の退任会見で、「堀川を男にしたかった」というコメントが印象的でした。堀川監督にとって、清宮さんはどのような存在ですか?
兄貴みたいなものですね。ずっと隣にいましたから、8年間。学ぶことも多かったです。特に、言葉を大事にすることが勉強になりました。一番はそこですね。言葉の力の大切さを学びました。

■今年のヤマハラグビー、注目してほしいポイントを教えてください。
ラグビーは、外から観ていると「ここを攻めたらいいのに」という場面が出てきます。ラグビーには必ずスペースができます。お客さんがそう思ったところに、確実にボールが飛んでいくラグビー。そういうラグビーがしたい。スペースにボールが飛んでいく、ボールが動き続けるラグビー。観客の皆さんが楽しめる、ボールが動いていき、思っているところにボールが飛んでいくラグビーをしていきたいです。

■堀川監督が考えるラグビーの魅力とは?
やはりチームのために自分を犠牲にする、自己犠牲の精神です。組織の中で、自分ではなくて、チームのために何ができるか。それが一番大きいと思います。

■日本で開催されるラグビーワールドカップについて、初心者が楽しむための観戦ポイントを教えてください。
試合の前に必ず国歌を歌います。ラグビー以外であまり見たことがないのですが、ラグビーのワールドカップでは、色々な人が国歌を歌っているとき、涙しているんです。これはラグビーだけだと思っていて、独特ですよね。チームのために自分を犠牲にしていく。そういうスポーツであることが、国歌を歌っているとき、涙する選手を見たときに理解できると思います。そういったところから「ラグビーってなんだ?」と思ってくれたら、また違う見方ができると思います。国と国との戦いの中で、国のために自分を犠牲にする、チームのために自分を犠牲にする選手たち。ぜひ、ご覧になってみてください。

堀川 隆延
Takanobu Horikawa
生年月日:1973年7月22日
出身地:宮崎県

新主将
大戸裕矢 Yuya Odo

チーム力が試されるシーズン

■先日行われたファーストミーティングが、新主将としての最初のお仕事だったと思います。どのような心境でしたか?
初めての立場なので、最初の方はドキドキといいますか。大丈夫かな、という雰囲気も感じましたが、いざファーストミーティングで堀川監督からの言葉を受けて、トップリーグに向けてのワクワクが増えました。少し不安だった部分も期待に変わりましたね。僕自身のチャレンジにもワクワクが増えました。

■新主将に任命されたのはいつでしたか?
打診されたのはシーズンが終わって、2月の納会前ですね。堀川さんから直接いわれました。ただ、僕もちょうどその時期から代表のキャンプに行くといわれていたので、その時点では「少し考えさせてください」といって保留にしました。ただ、心の中ではその時点で受ける気でいましたが(笑)。

■堀川新監督は、新チームのキーワードとして「マキシマイズ」という言葉をチョイスしました。この言葉のイメージについて教えてください。
ここ数年、2位や3位に留まることが続き、トップリーグ優勝にあと一歩届かないということが続いています。そこで、選手一人ひとりの持っているものを最大限に引き出すという意味でのマキシマイズが一つ。もちろんチーム力というのも、僕が先頭に立って、レベルアップをしていかないといけないという意味でもあります。今年は変則的なシーズンで、チーム力が試されるシーズンだと思いますので、特に今シーズンには合っているスローガンだと思います。

■個々とチーム、それぞれをマキシマイズさせると。
僕も含めて、誰一人スターティングメンバーは確定されていないと思います。特にこの2年で、これまでのヤマハの軸となってきた選手たちが何人も抜けていきました。今年は競争の年になると思いますし、競争があるからレベルも上がっていくと思います。僕もその中に入って、みんな、チームの底上げに貢献したいと思います。

■今年のヤマハラグビー、注目してほしいポイントを教えてください。
まずはセットプレーですね。どこもできないようなセットプレーを確立したいです。堀川監督が、すごいメニューを考えてくれているそうなので、これまで経験したことないくらい厳しい練習をみんなでこなすことで、チームとしてレベルアップできると思います。

■大戸選手が考える、理想のキャプテンシーとはどういったものですか?
まず大前提として、試合に出続けることです。それから、去年のサントリー戦のような、勝たなければいけない試合で勝てるチームにすることだと思っています。「あの時、こうしておけばよかった」ということをなくしていく。それが理想ですね。

■参考とするキャプテン像はありますか?
代表だとリーチ・マイケル選手は非常に統率力があり、影響を受けました。ヤマハでは三村さん(勇飛丸)ですね。代表では特にそうなのですが、ちょっとした話し合いの質が高くて、話す方もそうですが、聴く側も顔を見ながら、下を向きません。話している側も伝わっていることが分かるし、これが本当のコミュニケーションだなと感じました。

■あと一歩届かない、トップリーグ優勝に向けて、ヤマハに足りないものとは?
代表に行って感じたのは、ヤマハも負けないくらい質の良い練習ができているのですが、メンタルが足りていないことを感じました。苦しいときに、タフなチョイスができるか。苦しい時、喋る人と喋らなくなる人に分かれます。そういう苦しい時に喋れる、メンタルの強い選手が出てくると、チームとしてもっと強くなれると思います。僕も今、メンタルを鍛えているところです。

■大戸選手が考える、ラグビーの魅力とは?
やはり体がぶつかり合うところですね。僕自身、プレーしていて楽しいところもそこです。迫力があるし、ラグビーを知らない人にも伝わる部分だと思います。

■日本で開催されるラグビーワールドカップについて、初心者が楽しむための観戦ポイントを教えてください。
国と国の代表が戦う舞台で、国歌斉唱が流れると涙する選手がいます。それくらい、その試合に想いを懸けている。国を背負っているんです。そういう場面を観ていると、心を動かされますよね。観ている側も、一つひとつのプレーに感情移入できると思います。

■今シーズンの目標を教えてください。
ここ2年、ここぞという時に勝てず、悔しい思いをしているので、その思いを胸に、今度は勝てるようにしていきたい。どうしても、ヤマハはセットプレーという大前提があり、相手も対策してきます。もちろん、そこの軸はブレずにやっていきますが、そこにプラスして、プロップ陣とか、今までボールに絡まなかった選手がスッと出ていけると、ヤマハもセットプレーだけという印象はなくなると思います。

■新生ヤマハ、今シーズンは期待できますか?
もう期待しかありません!新加入選手や新人が入ってきて、期待がいっぱいです。フォワードもいっぱい入ってきました。色々な変化がある中で、チームとして良い方向に変わっていけたらいいと思います。

大戸 裕矢
Yuya Odo
ポジション:LO(ロック)
生年月日:1990年3月9日
身長/体重:187cm/104kg
出身地:埼玉県

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