三重から世界へ ~女子ラグビーチームPEARLSの挑戦~

2021年の「三重とこわか国体」での優勝を掲げ、2016年に設立された女子ラグビーチーム「PEARLS(パールズ)」。創設3年目の2018年、初めてコアチームに昇格して参戦した「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ」で2大会優勝し、総合2位になるという快挙を成し遂げた。日本一を掲げて臨む4年目のシーズンを前に、キャプテンの齊藤聖奈、保井沙予、ジャンナ・ヴォーンの3選手に、PEARLSの魅力や今シーズンの目標を語ってもらった。

齋藤 聖奈×保井 沙予×ジャンナ・ヴォーン Interview

PEARLSは人が人を呼んで集まってくるチーム

■昨シーズン、新キャプテンとして大きな役割を担いました。コアチームとして初参戦した太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ、初の地元開催となる鈴鹿大会もありました。国体、15人制もある中で、振り返ってどんなシーズンでしたか。
齋藤:激動のシーズンでしたね。1年間があっという間でした。私は7人制と15人制の両方でプレーしておりますが、昨年は初めてコアチームとして年間参戦するということで、7人制としてのプレー期間が長かったです。15人制の大会は2019年がスタートしてからで、10月まで7人制としてプレーしていたため、猶予が2カ月しかありませんでした。準備期間としてはとても短かったです。また鈴鹿大会では、優勝を狙っていたのでそれを達成できなかったことは悔いが残るのですが、昨シーズン初めてコアチームとして参戦する中で、ほとんどの選手が年間での参戦は初めてでした。初めての経験ばっかりで、その中で一番最後の、プレッシャーのかかる地元開催の大会も初めての経験で、優勝する難しさも知りましたし、プレッシャーの中で戦うことの難しさも経験できたので、今後に繋がる大会だったと捉えています。

■ジャンナ選手は2017年からPEARLSに加入し、昨年は太陽生命ウィメンズセブンズシリーズの第2戦、第3戦と2大会連続でMVPを獲得されました。昨シーズンを振り返っていかがでしたか?
ジャンナ:レベルの高いトーナメントに参加して、すごくハードだったのですが、みんなとハードにトレーニングすることで、楽しいトーナメントに変えることができました。緊張もあったかもしれませんが、私はとても楽しく臨むことができました。

■保井選手は2018年4月よりPEARLSに加入しました。自身も日本代表SDS(セブンズ・デベロプメント・スコッド)に選ばれるなど、大きく飛躍された年だったと思います。振り返っていかがでしたか?
保井:ラグビーの経験も浅い中で、トントン拍子に物事が運び過ぎた1年でした。今でも信じられません(笑)。

■保井選手はラガール・ウェストからの移籍となりましたが、PEARLSへの移籍を決めた理由は?ほかのチームのと違いはどのようなところだと感じていますか?
保井:チームの方とお話しする機会があって、その後で入れ替え戦でPEARLSが優勝して、移籍するなら今かなと。去年、上手くタイミングが重なって、移籍することになりました。PEARLSは練習から、とにかく1人ひとりのレベルが高いので、毎日の練習がとても濃いです。それが、自分も含め、チームを成長させてくれているのだと思います。

■設立時の初期メンバーでもある斎藤キャプテンにとって、3年でPEARLSがここまで成長する姿を想像していましたか?また、そうなった理由は何だと思いますか?
齋藤:ここまで人数が増えて、色々な選手が集まってくれるとは思っていなかったです。このチームの特長として、PEARLSに入るとき、自分もそうでしたが、誰かがオファーを出して、スカウトするというよりは、選手同士の関係があったり、人が人を呼んで集まってくるチームという珍しい形があります。その分、信頼関係があるのかなと思っています。PEARLSから、「この選手が良いから呼ぼう」ということではなく、「あの選手がいるからPEARLSに行きたい」というケースが多いです。

■ジャンナ選手はニュージーランド代表(Black Ferns)としてプレーされた経験もあります。その目から見て、PEARLS、そして日本女子ラグビーについてどう感じますか?
ジャンナ:最初、日本に来た時、このチームには緊張感がありました。ただトレーニングしていくうちに、外国人の選手も増えてきて、だんだんリラックスして自分らしくプレーできるようになっていきました。聖奈も最初は緊張感をもってプレーしていましたが、外国人選手の影響もあって、よりリラックスしてプレーに臨むようになっていきました。チーム全体が、そういった雰囲気に変わっていったと思います。

■記虎監督が勇退され、今シーズンはニュージーランド人ヘッドコーチ(クリスタル)とコーチ(ブレント)が就任しました。キャプテンとして、チームはどのように進化していくと思いますか?
齋藤:日本体育大学からの3人と高校生で4人、ポテンシャルの高い日本人が入ってきます。ほかのチームからすると、PEARLSは外国人がいるチームというイメージがあったと思いますが、日本人選手のレベルも高くなってきていますし、今年は日本人選手が出る機会が多くなる年になると思っています。去年、初めてクラブチームのキャプテンを務めさせていただきました。代表のキャプテンはやったことがありましたが。代表と比べても役割が異なり、困惑したことも多かったのですが、今年は2年目ということで、少しは自分に余裕があると感じています。昨年、記虎先生がされていたように、なかなか出場できない選手もケアできるようなキャプテンになりたいと思います。

■2人のコーチは昨年もスポットコーチとしてPEARLSに携わりましたが、ジャンナ選手は以前からこの2人をご存じだったそうですね。どのようなコーチですか?
ジャンナ:2人は本当に、ニュージーランドで一番いいコーチだと思いますし、2人が日本に行くと決めていなかったら、ジャンナも日本に来ることはなかったです。チームを1つにしてくれていますし、選手1人ひとりに自信を与えてくれて、私にも自信を与えてくれました。与えられた自信によって、また個々のラグビースキルも上がって行きました。彼らのおかげです。

4年目も更に上へ
7人制も15人制でも目標は優勝

■それぞれ、今シーズンの目標を教えてください

保井:今シーズンは4大会通して、すべてに優勝することが目標であり、15人制でも今年の雪辱を晴らしたいです。すべてにおいて、完全制覇を目標としています。個人としては、五輪に向けてこれからメンバーが絞られていく中で、今年が最終選考ですので、まずはPEARLSの練習をしっかりこなして、レベルの上がった中で、代表の合宿があったとき、本来の実力を発揮できるかが大事になると思います。経験がなければ大舞台で結果を出せないので、経験を積みながら五輪、ワールドカップの出場を狙ってやっていきたいと思います。

ジャンナ:目標は優勝です。その中で、PEARLSのカルチャーを作っていき、理解して実践できたときに、最後にチャンピオンになれると思っています。個人としては、良いパフォーマンスをすることもそうですが、毎大会、8~9回くらいのトライを取っているので、今シーズンもたくさんトライをとっていきたいと思っています。それと同時に、自分のポジションに新しく入ってきた世代にもバトンタッチできるように、しっかりと自分のポジションを引き継げるように、次の世代を育てることもしていきたいです。

斎藤:2人が言った通りだと思うのですが、まずは(伊藤)絵美さん、記虎先生が引退された中で、初期を知っているメンバーが私含めて4人になりました。どれだけPEARLSのカルチャーを、これから入ってくるメンバーに伝えられるか。あとはチームがどれだけ一つになって、15人制も、7人制でも、日本一に向かって行けるか。あとは国体ですね。2021年に三重とこわか国体があって、そこへ向けてPEARLSというチームが発足された経緯があるので、そこは絶対のターゲットとして、2021年に向かって、今年の国体でも結果を出したいです。5位、5位、5位ときているので、少しでも順位を上げられるように準備したいなと思います。個人的には、15人制では代表のヘッドコーチが女子の外国人に変わって、変化があるのシーズンになりそうです。2021年のワールドカップではベスト8という目標を立てて、4年前は上手くいかなかったので、次はリベンジできるよう頑張ります。

■最後に、サポーターの皆様にメッセージをお願いします。
保井:応援してもらえるというのは、プレーしている中で特に力になります。色々な面でサポートしていただくことが、PEARLSが成長していくために必要な糧となりますので、地域の方や関係者の方にもっと応援してもらえるようなチームになれるよう、自分たちも頑張ります。

ジャンナ:いつも応援ありがとうございます。4大会、全部で応援に来ていただけたらありがたいです。それで自分たちを誇りに思ってもらえるように、頑張っていきたいと思います。

斎藤:PEARLSはサポーターの皆さんがいてのチームですし、そのためにできたチームです。みんな理解していると思いますが、今ある環境が当たり前と思わないように。選手一人ひとりがそのことを忘れずに、地元からも愛されるようなチームでいたいと思います。

齋藤 聖奈選手  Seina Saito
1992年5月30日生まれ/大阪府出身
所属:住友電装株式会社
出身校:大阪体育大学
ポジション:FW(プロップ・フッカー・ナンバーエイト)

 

保井 沙予選手  Sayo Yasui
1992年6月23日生まれ/奈良県出身
所属:主体会病院
出身校:天理大学
ポジション:BK(ウイング)

 

ジャンナ ヴォーン  Janna Vaughan
1988年7月17日生まれ/ニュージーランド出身
所属:一般社団法人PEARLS
出身校:Massey University
ポジション:BK(センター)

●PEARLSオフィシャルサイト:http://mie-pearls.com/
●LINE:https://line.me/R/ti/p/Kcb_HzmuPN
●Facebook:https://m.facebook.com/miewomensrugby/
●Instagram:@pearls.rugby

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