JAF presents Special Interview 山本尚貴 ~30年越しに募るF1への想い~

昨シーズン、国内最高峰カテゴリーであるSUPER GTとSUPER FORMULAのダブルタイトルを達成した山本尚貴。その結果、F1参戦に必要なスーパーライセンスポイント取得が夢ではなくなり10月のF1日本グランプリにおけるF1フリー走行への参戦が噂されている。今シーズンも両カテゴリーで好調ぶりを見せている山本に、2つのカテゴリーを両立させる難しさや、F1への想いを聞いた。

移籍は自分の能力を伸ばすために

■2018年、SUPER GT とSUPER FORMULAの国内最高峰カテゴリーのダブルタイトルを達成しました。シーズン前には双子の娘さんも生まれて、改めてどんな1年でしたか?
子供も生まれて、2つのトップカテゴリーのタイトルを同時に獲得できました。これ以上ない年だったと思います。同時に達成したといっても、同じ日に達成したわけではありません。SUPER FORMULAを獲った後に、SUPER GTを獲るシチュエーションになりました。まずはSUPERFORMULAを獲らないとダブルタイトルにはならないので、プレッシャーがありました。その後、SUPER GTを獲ればダブルタイトルということで、また違ったプレッシャーがありました。この2つのカテゴリーに同時に参戦する難しさというのは、参戦しているドライバー自身が一番難しいと感じています。特にSUPER GTはいくら自分が頑張っていても、チームメイトの存在なくしてはタイトルを獲ることはできません。自分の力だけで獲ったダブルタイトルではなく、色々な人の想いが合わさったダブルタイトルだと思います。シーズン中はとにかく目の前のレースに集中していたので、成し遂げたことの凄さというのは、獲った後しばらくしてから実感しました。

■SUPER GTとSUPER FORMULA、それぞれの魅力や、両カテゴリーで戦う難しさなどを教えてください。
同じレースではあるものの、車の形が違いますし、戦っていくプロセスも違います。それぞれのレースで勝つための戦略を、良い意味でしっかりと切り分けて組み立てていかないといけません。一つのカテゴリーに集中すること自体、難しいことですが、同時に戦う上ではそこの切り替えの部分が一番難しいですね。それぞれに面白さがありますし、どちらにも参戦しているからこそ感じられることでもあります。GTに関しては、各タイヤメーカーの開発競争がありますので、レースごとに持ち込むタイヤの種類をメーカーとともに決めていくのは、GTならではの魅力の一つだと思います。また、メーカーがしのぎを削ったパーツの開発、それに携われる面白さ、そして一つのマシンをチームメイトとシェアして戦う。ここが一番の魅力ですね。一方、SUPER FORMULAでは、個々の能力が如実に表れるカテゴリーです。ある意味、自分のドライバーとしての力を証明する舞台でもあります。

■SUPER GTでは、昨年に引き続きバトン選手と同じチームです。山本選手から見て、バトン選手はどのような存在ですか?
経験と実績については、僕が語る必要がないくらい、世界的にも認められている選手です。そういった選手と組むことによって、得られた部分はたくさんありました。車に乗っているときの姿はもちろん、下りているときの姿についても、学ぶべき点は多かったです。自分が気持ちよく、純粋に速く走ることに集中できたのは、大人なJB(ジェンソン・バトン)がいたからこそ。彼との良好な関係が築けたからこそ、良い成績を残すことができたのだと思います。

■SUPER FORMULAでは、DOCOMOTEAM DANDELION RACINGに移籍を果たしました。移籍を決断された経緯は?また今シーズンここまでを振り返って、いかがですか?
一つのチームに長く在籍するが故に、見えなくなってしまっている盲点があるのではないか。移籍して、自分の力を証明する必要があるのではないか。覚悟、プレッシャー、それ以上に自分の能力をさらに伸ばしたいという想いから、移籍を決断しました。移籍したからには、成績を残さなければ「チームに助けられていたんだな」と思われるかもしれません。どんな車両、どんなチームに行っても勝てると思われるドライバーになりたい。そのためには、リスクを負って挑戦しなければ、さらに上のモノは掴み取れません。結果的に、ここまでは上手くやれていると思っています。移籍に後悔はありません。

鈴鹿サーキットは僕の人生の原点

■10月、鈴鹿でF1マシンに乗るチャンスがあると報じられています。改めて、F1への想いを聞かせてください。
レーシングドライバーである以上、その頂点であるF1に想いと憧れを抱くのは当然だと思いますし、僕もレーサーを志した身ですので、F1に乗ってみたい、F1の世界に挑戦したいという気持ちがあります。ただ、“想い”だけでは乗れないのがF1の世界。周りのサポートが必要ですし、様々な条件が整ったときに乗ることができます。そんな数少ないチャンスが、自分の手の届きそうなところに転がっている…。何かを得るには、リスクと覚悟を背負わなければいけないですし、簡単にはいかないと思います。それでももし、10月のF1日本グランプリに携わることができれば嬉しいですし、今後に向けてプラスにしていきたいと思います。

■鈴鹿サーキットはどのようなサーキットですか?
思い入れなどあれば教えてください。モータースポーツの原点であり、僕の人生の原点です。初めてF1を観た場所が鈴鹿ですし、初めてレーシングコースを走った場所も鈴鹿。SUPER GT、SUPER FORMULAで初めて優勝できたのも鈴鹿です。そして今年、鈴鹿で3度目のチャンピオンになれるチャンスがあります。初めてF1を観てこの世界に挑戦したいと思ったきっかけとなった地で、30年後に自分がF1のマシンに乗れる可能性がある。それが実現したら、自分にとってはこれ以上ないめぐり合わせになりますね。HONDAが好きで、(アイルトン・)セナが好きで、HONDAのホームコースですし、HONDAのPUを積んだマシンに乗る…。その夢を実現させられるように、頑張りたいですし、その先の夢に挑戦する足掛かりにしたいと思います。今5~6歳の子供が、僕の走行を観た十数年後に鈴鹿を走っている可能性がある。自分だけの夢ではなく、色々な人の想いがあるので、ぜひ実現させたいですね。

■SUPER FORMULA最終戦となるJAF鈴鹿グランプリへの意気込みをお願いします。
JAFグランプリは去年と2015年の2回、勝ったことのあるゲンの良い大会です。チャンピオンシップの渦中にいる状況で、3度目のチャンピオンに向けて臨めるので、大好きな鈴鹿サーキットに足を運んでいただけたら嬉しいです。また、現地に来ることができない方も、各地で応援宜しくお願い致します。

プロフィール

山本 尚貴
Naoki Yamamoto
出身:栃木県宇都宮市
生年月日:1988年7月11日
身長/体重:164cm/58kg
血液型:RH+B
出身校:作新学院高等学校
趣味:旅行、料理

第18回JAF鈴鹿グランプリ


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