第71回全日本大学バスケットボール選手権大会 インカレバスケ開幕直前インタビュー

71回目を迎える“インカレバスケ”こと「全日本大学バスケットボール選手権大会」。全国の大学バスケ部の頂点を競う令和最初の大舞台を前に、現役4年生の平岩玄(東海大学)と、中田珠未(早稲田大学)に、インカレに懸ける想いや大学バスケの魅力について語ってもらった。(取材日:11月17日)
■まずはお互いの印象について教えてください。
平岩:プレーをちゃんと観たのは2年前のユニバーシアードの準決勝でした。相手がロシアだったため体格差があり、ポジション的にも一番不利だったのですが、そうしたハンデを逆手に取るようにリバウンドや得点で貢献していて、凄く驚きました。
中田:確か初めて会ったのは高校の時で、最初はシンプルに“大きいなぁ”と思いました。私の高校(明星学園)は男子バスケ部がそこまで強くなくて、自分より小さい人ばかりだったのですが、玄君を見て自分より大きい人が本当にいることを実感できました(笑)。最近は試合を観る機会がなくてツイッターの動画を観たりしましたが、高校時代に比べてさらに体が大きくなっていて、体を張ったプレーで頑張っているなという印象です。平岩:ありがとうございます(笑)。

■中田選手は代表では基本的に自分よりも大きな選手が相手になると思いますが、工夫していることはありますか?
中田:玄君も言ってくれましたが、私の持ち味はたくさん飛んでたくさん走れるところだと思っています。インサイドだけではなく、ディフェンスを外に引き出してからアタックすることを代表のときは意識しています。早稲田では自分より小さな選手がほとんどなのですが、自分より小さな相手に外から勝負できれば絶対に自分より大きい選手を抜けるはずなので、練習中はアウトサイドの選手とマッチアップすることが多いです。

■平岩選手はいかがですか?
平岩:僕の場合は、外から勝負しても結局同じ2mくらいのヘルプが来るので、代表の時はしっかりスクリーンをかけたり、外と中のコネクターの役割を心掛けています。

■それぞれ、バスケを始めたキッカケを教えてください。
中田:小学校の頃まで吹奏楽をやっていて、中学校でも吹奏楽をやりたかったのですが、その学校にやりたい楽器がありませんでした。どうしようかと悩んでいた時に、背が大きかったのでバスケ部とバレー部から勧誘されて、同じクラスの子がみんなバスケ部に行くと言っていたので、“じゃあ私も”という感じでバスケ部に入りました。実は母がバレー、父がバスケをやっていたので、誘われた時はどっちでもいいなと思っていました。それまでバスケをやったことがなかったのですが、大きいだけで活躍できてしまったので「バスケってちょろいな」とか「この程度で試合出れちゃうんだ」って思っていました(笑)。でも中学2年生の時に選抜の候補に選ばれて、大きかったから呼ばれただけだったのですが、やはり周りのレベルの高さに驚愕して、もうバスケがやりたくなくなるくらい絶望したのですが、偶然高校の先生が見ていて、しっかり教われば伸びるよと言ってくれたので、その言葉を信じて頑張ることができました。その後転校もして、中学3年生の時には高校生の練習に参加していましたね。
平岩:僕の場合は、2つ上の姉が小学校1年生の時にミニバスを始めて、その練習について行ったことがキッカケです。当時から身長が大きかったので、ミニバスの人に誘ってもらって、そのまま始めることになりました。

■これまでのバスケ人生において、一番苦労したのはいつですか?
平岩:今ですかね…。
中田:えー!!今なの!?
平岩:高校生のときは肉体的にかなり追い込まれましたが、今は肉体的な苦労というよりは、チームが勝ててなくて、東海が負けると周囲の目や声も厳しくなり、結果として4年生が矢面に立ちますし…。僕自身、一番プレータイムを貰っているのですが、今シーズンずっとパフォーマンスが上がらない中で、チームの結果もついてこないので…苦しんでいます。辞めたいとは思わないですけど、結構もがいていますね。
中田:私は辞めたいと思ったことはないですが、一番きつかったのは…昨シーズンから代表の活動でチームを抜けることが増えてきて、代表は代表のキツさがあって大学に戻ってきたら戻ってきたでみんなとモチベーションを合わせる必要があったりと、そこでのギャップがしんどかったです。

■その辛さはどうやって克服したのですか?
中田:私の場合は、周りのみんなに本当に支えられたと思います。普段は明るくうるさいほうなので、落ち込んでるのがわかりやすくて、そういう時に周りのみんながご飯に誘ってくれたり、たくさんサポートしてくれました。

■それこそ、平岩選手は今そういったサポートが必要かもしれませんね。
中田:ご飯連れて行ってあげようか?(笑)
平岩:………(笑)。ただ、Bリーグに特別指定選手で参加したり、大学の選抜に選ばれたりした後で、いざチームに戻るとモチベーションにギャップが生まれたりしているので、すごく共感できますね。

■それぞれ、今の大学を選んだ理由は?
平岩:高校の監督のゴリ推しです(笑)。その理由をちゃんとは聞いていないのですが、たぶん(今の監督の)陸川さんを信頼していたからだと思います。
中田:私の場合は、高校からWリーグに行くと思われていたので、大学からも全然声がかからなかった中で、早稲田は声をかけてくれていました。そのあと他の大学からも声があったのですが、両親や兄が早稲田卒ということもあって自然と行きたくなっていました。あと入れ替わりでしたが、日本代表のアンダーカテゴリーのコーチをする萩原さんがいたり、今ヴィッキーズで活躍されている本橋さんがいたりと、接点が多かったのが決め手でした。

■大学バスケの4年間で学んだことは?
中田:1、2年生のころはコーチも毎日来ていたのですが、3、4年生になるとチームにも毎日教えてくれる人がいなくなって、元々そうでしたがより一層自主性が強くなっていきました。これは早稲田でしか学べないことだと思いますし、自主性は4年間で一番学んだことだと思います。
平岩:まず、高校時代はあまり戦術とかもなく勝ってきたのですが、陸川さんをはじめ本当にたくさんの人から色々なバスケを教えてもらいました。また、陸川さんは本当に太陽のように明るく常にポジティブで、僕のバスケ観というか、競技に対する考え方が本当に変わりました。

■平岩選手はアルバルク東京へ特別指定選手として活動されていましたが、いかがでしたか?
平岩:アルバルクのルカHCとは大学1年生の頃から度々関わってきたんですが、スクリーン一つにしても要求されるレベルが高くて、凄く勉強になりました。あとは、2連覇を目指すという点で東海と境遇が似ていて、そこに向けてのモチベーションの保ち方や考え方もたくさん学べました。

■女子はリーグ戦が終わりましたが、いかがでしたか?
中田:繰り返しになりますが、代表と大学と行ったり来たりで、しかも勝てなかったのでフィジカル的にもメンタル的にも辛かったです。ただ最後の白鷗戦は負けてはしまいましたが、明確な課題もわかった良い負け方をして、私自身もやっとすっきりできたといいますか、もちろん悔しさありますが、何とか吹っ切れることはできました。

■お2人の話を聞いていると、リーグ戦の結果からもどこかモヤモヤしている印象ですが、大学最後の大会である「インカレ」への意気込みや想いを教えてください。
中田:これまでは1年通して4冠という目標でしたが、今年に関しては「インカレ優勝」だけを掲げていて、それまでは過程で、本当にインカレだけに照準を絞ってきたし、私に関していえば途中で抜けたりもせず、やっとチーム全員で準備ができる大会なので、楽しみも強くて、個人としてもチームとしてもより強くなって臨めると思います。
平岩:リーグ戦は優勝を逃してしまって、インカレでは一つずつ勝っていかなければなりません。これからの期間で急激に上手くなることはないと思うので、これまで練習してきたことをいかに精度を上げてやりきるかだと思います。チームにはその可能性が十分あるし、自分の役割も全うするだけなので、責任感と危機感をもって準備したいと思います。

■年々、インカレに対する想いは変わってきましたか?
平岩:1年生の時は、4年生に決勝まで連れて行ってもらって、わけもわからないまま終わった感じです。2年生は9位で終わってしまって、不甲斐なかったのですが、去年は失った自信もリーグ戦で取り戻し、どことやっても大丈夫だろうという感じでした。今年はリーグ戦の勝率を見ても、危機感はあります。とはいえ、泣いても笑っても最後の大会なので、4年生として絶対に勝ちたい想いが強いです。
中田:私も1年生の頃は4年生に引っ張って行ってもらいましたが、去年からは主力で出ていて、上手い先輩もいたので周りからも期待されていて優勝候補だったのですが、結局結果が出せませんでした。今年もシーズン通して一番結果が出ていないのですが、逆に失うものは何もないので楽しくやりきるだけかなと思います。

■インカレの見どころは?
平岩:負けたら終わりの一発勝負。4年生にとっては集大成の大会で、技術や戦術以上に気持ちで戦う大会だと思うので、選手全員の雄姿を観てほしいです。
中田:とにかく4年生の想いが強いので、4年生同士の意地のぶつかり合いには注目してほしいですね。男子はダンクなど迫力があってあまりバスケを知らない人でもわかりやすいかもしれませんが、女子は平面の戦いが中心で、細かい動きや戦術など違った面白さがあるので、女子の試合も是非観てほしいです。

■最後に、今後の目標と読者へメッセージをお願いします。
平岩:Bリーグで活躍できるように、また一からバスケットを学んで、外国人選手と戦えるようにフィジカルもスキルも高めて、全体的なレベルを上げたいです。最近バスケが注目されている中で、大学バスケの露出は少ないのですが、ウィンターカップ、Bリーグ、NBA以外にもあるんだということを知る良い機会になる大会だと思うので、是非会場まで足を運んでください!
中田:まずはインカレで優勝することと、卒業後にWリーグに入ったらまたたくさん課題も見つかると思うので、しっかり練習して試合に出られるようになります。そして、チャンスがある以上は東京五輪に出れたらいいなと思います。女子の場合、大学でどれだけ活躍してもWリーグに進まないという選手も多く、そういう選手の最後の舞台がインカレになるので、直接会場で大学生の気持ちの溢れるプレーを観てほしいです。

プロフィール

平岩 玄 Gen Hiraiwa
生年月日:1997年12月5日
出身地:愛知県
身長:199㎝
経歴:土浦日本大学高校→東海大学

中田珠未 Tamami Nakada
生年月日:1997年12月21日
出身地:東京都
身長:182.9cm
経歴:明星学園高校→早稲田大学

大会情報

第71回全日本大学バスケットボール選手権大会
公式サイト:https://jubf.jp/game/index/type/intercollege

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