新日本プロレス、スターダムオーナーInterview~木谷 高明 株式会社ブシロード取締役~

人気女子プロレス団体『スターダム』の買収で話題を呼んだのが、カードゲームを中心に幅広いジャンルのエンターテインメント事業を展開し『新日本プロレスリング』の親会社でもあるブシロード。その創業者であり、現在は取締役として、現場の最前線に立って現場を指揮している木谷高明氏に、スターダム買収の経緯や、今後のプロレス界について語ってもらった。

プロレスは大河ドラマ

スターダムに感じた可能性

■新日本プロレスを救い、今度は女子プロレス。なぜスターダムだったのかも含めて、買収の経緯をお聞かせください。
動機としてはいくつかあるのですが、一つはアメリカですともっとジェンダーレスが進んでいて、プロレスの大会があると1試合は女子の試合が組まれています。ない方が不思議に感じるような潮流の中で、新日本プロレス以外の格闘団体のほとんどは女子の部門もあるんですね。今は何も言われていませんが、女子プロレスがないことについて「遅れてる」と言われるような空気にガラッと変わる可能性があリます。そうした時に備える意味もありますし、放っておいたら『WWE※』に買収されていたと思います。なぜスターダムかというと、数年前からどの団体が良いのかと色々観させてもらったのですが、レスラーも若く、色々な個性も揃っているので、観ているうちに今後伸びていく可能性を感じたのがスターダムでした。
※アメリカのプロレス団体。世界最大級のスポーツエンターテイメントと称されている。

■女子プロレスは90年代に一度最盛期を迎えました。今後伸びていく可能性とは?
今は90年代以上に、女子を好きな女子が多い時代だと思います。頑張っている女子を応援したい女子が多くなっている印象です。タイミングよくスターダム所属の木村花選手がテラスハウスに出演することになりましたが、10 ~ 20代の女性が多く視聴している番組ですので、どんどんメディアに載ってもらいたい。認知度は大事ですから。

プロレスは日本一のインバウンドコンテンツ

■開催迫る、新日本プロレスの1.4、1.5のダブルドームですが、期待と意気込みを教えてください。
まさか2日連続ドームで興行できる日が来るとは思わなかったですね。チケットも順調に売れています。2日間で8万人は動員したいですね。1日目のペースは去年より良いのですが、それは毎年1.4をやっているから癖になっているのと、土日のイベントだと土曜日の方が入るんです。日曜日だと次の日のことを考えてしまうらしく、お客さんの考え方がすごく堅実になってきていると思います。あとは地方から来る人にとっては帰りづらいですよね。海外からも結構来ますから。1.4の前後はみんな便乗して、至る所でプロレスの試合があるので、会場周辺は外国人観光客ばかりになります。プロレスは日本一のインバウンドコンテンツですよ(笑)。

■このイベントにはNoahの清宮海斗選手や武藤敬司選手、神取忍さんもご出演されていたと思いますが、今後はプロレスとファッションの関りは増えていくのでしょうか?
プロレスとファッションの関りは増やすべきだと思います。格好から入った方が良い時代かもしれません。昔だったら、見た目が多少悪くても仕事ができたらモテたじゃないですか。今は見た目から入る女性が多いですし、仕事ができる人って見た目も良いんですよね。レスラーの変遷を見ても分かると思います。でも、仕事もそうですがプロレスもビジュアルだけで残れるほど甘くはありません。最終的に残るのは、やはりプロレスが上手い人なんです。

語れるコンテンツの強み

■Spopreのメイン読者となる、まだプロレスを観戦したことがない方(男女)たちへ、木谷オーナーが考えるプロレスの魅力や楽しみ方をメッセージとしてお願い致します。
他のスポーツよりもキャラクターが立っていて、ストーリー性がある。例えるなら、連続している大河ドラマなので、一回そのサイクルに入るとずっと楽しめます。野球もペナントレースを通してドラマ性はあるのですが、日本シリーズの前後で終わって、しばらく間が空いてしまいます。プロレスは間が空きませんし、何かのドラマが終わったと思ったら別のドラマが始まったりする。一年中、大河ドラマを体験できるというのがプロレスの魅力だと思います。あとは選手寿命が長いので、一回好きになった選手をしばらく観ていられます。10歳の時に25歳のレスラーを好きになったら、30歳になってもそのレスラーはまだ45歳。敢えてそう表現しますが、一回好きになった「キャラクター」を長く愛し続けることができる。他にはないスポーツだと思います。過去映像が価値を持つスポーツはプロレスだけなんです。それは歴史やキャラクターが詰まっているからで、過去の試合について飲み屋で語るわけですよ。それも試合だけではなくて、色々な切り口で語れるじゃないですか。そこがプロレスの強みだと思います。語れるコンテンツは長く続きますよ。

■最後に、今後の展望などを含め、プロレスファンに向けてメッセージをお願い致します。
ビッグマッチというと東京をはじめ大都市での開催が多いですが、地方でもビッグマッチをやりたいですね。1,500人の会場でやるのではなくて、ちゃんとそれに相応しい1万人の会場でタイトルマッチをやっていきたい。今はテレビ放送も深夜だけですし、『新日本プロレスワールド※』に登録しないと試合映像を観られませんが、もっと接触機会を増やせるような活動をしていきたいと思っています。プロレスをもっとお客さんの目に触れるようにして、友達も誘い易くなるような環境を目指していきたいですね。
※新日本プロレスの動画配信サービス。

木谷 高明
Takaaki Kidani
生年月日:1960年6月6日
出身地:石川県金沢市

 

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