COUNTDOWN TOKYO 2020 vol.28 バドミントン -BADMINTON-

イギリスで発祥

バドミントンの起源は諸説あるものの、元々は1820年代にインドのプーナで行われていた、皮の球をラケットでネット越しに打ち合う「プーナ」という遊びがあり、これを1873年に当時イギリスの植民地であったインドから帰ってきたイギリス人兵士が本国に伝えたことが始まりとされる。

その兵士がプーナを伝える際に球として使用したのが、シャンパンの栓に鳥の羽根を刺したもので、それをテニスのラケットで打って見せたという。これを紹介した場所がイギリスのグロスターシアのバドミントン・ハウスという邸宅であったため、バドミントンという名称がついたとされている。

しかし一方で、イギリスには「バトルドア・アンド・シャトルコック」という、 シャトルコックに似た球を打ち合う遊びが、プーナ伝来よりも遥かに昔から伝わっている。その競技の性質や名前などから、この競技が次第にバドミントンへと変化していったという説も信憑性が高い。いずれにせよ、現在の国際的流行の下地を作ったのはイギリスである。

1893年、イギリスにバドミントン協会が誕生し、ルールの統一化を進めていく。1899年にはロンドンで第一回全英オープンが行われ、1921年にカナダ、1930年にデンマーク、オランダ、フランスにバドミントン協会が設立され、そして1934年に国際バドミントン連盟(2006年より世界バドミントン連盟に改称)が誕生した。

五輪には、1972年のミュンヘン大会で公開競技として行われ、続くモントリオール大会から正式競技になる見込みだったが、中国の脱退などで国際バドミントン連盟が分裂する事態が起こり、立ち消えとなった。正式競技となったのは1992年のバルセロナ大会からで、混合ダブルスは1996年のアトランタ大会から採用。五輪種目として生き残るべく、元の15点3ゲーム・サイドアウト制から7点5ゲーム・サイドアウト制にしたり、9点5ゲーム制なども検討されたが、2006年からは21点ラリーポイント制の得点システムが満場一致で支持され、以降の世界大会から採用されることとなった。

男子初の快挙に期待

バドミントンは発祥国イギリスの旧植民地(イギリス連邦)を中心に普及していき、デンマークやオランダでも盛んに行われ、その旧植民地にも伝播していく。このため、ヨーロッパの植民地が多い東南アジアでは人気が高く、特にオランダ領だったインドネシアでは国技であり、五輪で獲得したメダルの半分以上がバドミントンによるものである。

日本には1921年、横浜YMCAの体育主事をしていた広田兼敏がアメリカ人の名誉主事から用具一式を寄贈されたことが始まりとされている。広田はその後、在日欧米人よりバドミントンについて学び、1933年に横浜YMCAの体育活動に取り入れ、1937年にはバドミントンクラブを設置したといわれている。

その後、第二次世界大戦のために普及活動は停滞するが、1946年の終戦後、早々と各地のYMCAなどのクラブチームはバドミントンを再開。同年、日本バドミントン協会が設立され、急速にバドミントンが普及していく。

日本は中国や韓国と並び、1950年代から競技が本格化した国ながらもトップ選手を輩出。特に女子は湯木博恵を中心に世界の強豪と対等に渡り合い、女子の国別団体戦「ユーバー杯」で優勝するという快挙を成し遂げた。また、公開競技として行われた1972年のミュンヘン大会において女子シングルスに出場した中山紀子が金メダルを獲得している。

正式種目として採用された1992年のバルセロナ大会以降はしばらくメダルを獲得できなかったが、2008年の北京大会で女子ダブルスに出場した末綱聡子・前田美順(スエマエ)ペアがベスト4入りを果たすと、2012年のロンドン大会では藤井瑞希・垣岩令佳(フジカキ)ペアが銀メダルを獲得。そして2016年のリオデジャネイロ大会で高橋礼華・松友美佐紀(タカマツ)ペアが日本初の金メダルを獲得した。

このため国内では「女子が強い競技」と認識されがちだが、2015年に桃田賢斗がBWFスーパーシリーズ(現ワールドツアー)男子シングルスで日本人初優勝を達成し流れが変わる。桃田は2016年に発覚した違法賭博による出場停止処分が解けた2017年に実力で日本代表へと復帰すると、2018年の世界選手権ではシングルスで日本男子初の金メダルを獲得。さらにはダイハツ・ヨネックスジャパンオープンでも男子シングルスで日本勢初優勝を達成し、9月発表の世界ランキングで日本男子史上初となる男子シングルスの世界ランキング1位に輝いた。年始にマレーシアで交通事故に遭い、後に判明した右眼窩底骨折の影響が心配されるが、実力では間違いなく金メダル最右翼。悲願の初出場となる自国開催の東京五輪で、日本男子シングルスの歴史を変えてもらいたい。

● 公益財団法人日本バドミントン協会 https://www.badminton.or.jp

 

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