鈴鹿からJリーグへ Interview 海口彦太「サッカーを取り上げたときに、価値が残る人間になりたい」

昨年、関西学院大から鈴鹿ポイントゲッターズ(当時はアンリミテッド)の一員となり、常時スタメンとはいかないまでも出場機会を得て、Honda FCやソニー仙台FCを相手にゴールも挙げた海口彦太。今年からチームの運営会社で社員として働いている海口に、チームの現状や自粛期間中の過ごし方を聞いた。

自粛期間で仕事に集中できた

■鈴鹿に来て2年目になりますが、振り返っていかがですか?
1年目は難しかった印象が強いです。大学からJFLに来て、大学サッカーとは違った部分がありました。大学サッカーはチームとして、組織として戦うのですが、JFLは個で戦う。最初はそこに戸惑いがありました。船で例えると、大学サッカーは選手全員がチームという大きな船に乗っているイメージですが、JFLやプロだと一人ひとりが小さな船に乗って、船団として戦うイメージでした。小船が沈められても代わりの船が来るだけで助けては貰えません。そこに戸惑いを感じた1年でした。ただ、そうした戦いも面白かったですし、良い経験になりました。

■外国の女性監督というのも驚きだった?
そこに戸惑いはなかったですね。女性であることは全く関係ありません。ただただスペイン人の監督に指導してもらっているという感覚です。ミラ監督は自分たちを家族のように扱ってくれるので、みんなが「ミラのために」という気持ちでプレーしています。指導の部分では厳しい面ももちろん見せますが、練習後にトルティーヤを作ってきてくれたり、本当に選手に対して家族のように接してくれます。

■新型コロナウイルスによる自粛期間中の過ごし方は?
運営会社での仕事がメインになりました。働くことになった経緯は去年、大学を卒業して新卒でバリバリ働いている同期を見て、「自分からサッカーを取り除いた時、社会人としての価値はゼロなんじゃないか?」という思いがあり、契約更新の面談の際に「ぜひやらせてください」とクラブに伝えました。新しい仕事は慣れない部分も多かったのですが、逆にこの自粛期間に集中して仕事ができたので、覚えも早かったです。仕事に関しては、練習もできなかったこの期間はメリットでした。一方、サッカーに関してはプレーできなかったので、選手寿命も短い中で、その中の半年がなくなってしまった。すごく不安が募りました。それはどのスポーツ選手も一緒だと思いますが、僕は幸い会社での仕事ができていたので、不安がなくなったと感じています。もしサッカー選手一本だけだったら、「自分は何をしているんだろう」と不安な日々を送っていたと思います。仕事があったので、他の選手よりは不安が和らいだと思います。仕事をすることが将来のためになっていると思えたので、自粛期間中もネガティブにはなりませんでした。

■ようやく全体練習も再開されました。チームの現状はいかがですか?
徐々に練習試合もできるようになってきて、7月の開幕戦に向けてここからまたシーズンスタート、仕切り直しという形です。個人としては、結果を出す。そこはシーズンを通して、常に自分に課している目標なので、自分のやることを続けていきます。シーズンが半分になったからといって、そこは変わりません。

率先して「ポイ活」を進めていく

■会社での仕事は慣れましたか?
慣れました。今は与えられたことだけではなく、ゼロからイチを作るようなことをしたいと考えています。広報活動は内に向けたものと外に向けたものがあります。メルマガはすでにいるサポーターに向けて、つまり内に向けて配信していますが、まだ鈴鹿ポイントゲッターズを知らない人たちへの広報、外への広報ができていないと感じています。なので、元選手で今は営業部の原祥太郎さんについていって、一緒にスポンサー営業をしたりしています。これは自分に課せられたマストの領域ではないのですが、個人的に進んで始めています。

■会社として、チームとして今最も力を入れているのが「ポイ活」です。
自分は去年から少し携わっていて、ビジネスの仕組みも理解しているので怪しいイメージもないのですが、なかなかサポーターの皆さんに理解していただくのは難しいですね。アフィリエイトを知らない人たちに、どうやって受け入れて貰えるか、理解して貰えるかをみんなで考えています。ポイントサイトへの理解を深めて貰うために、今は自分や選手たちが率先してポイ活を進めています。

■今シーズンは無観客での試合や、サポーターが声を出せない試合が想定されています。
悲しいですね…。自分の中に「理想のサッカー選手像」みたいなものがあって、大きなスタジアムで、たくさんのお客さんの中でプレーしている。それが無観客だと、勝ったときに喜びを分かち合う、あの光景が見られない、応援してもらっている熱を感じ取れない。サッカー選手になれたのに、悲しいなって思います。スタジアムが一つになる感覚がスポーツの魅力だと思うので、それがなくなるというのは、僕らもそうですし、これからプロを目指す子供たちにも影響が出てしまうのではないかと心配です。

■今シーズンの目標を教えてください。
チームとしては15試合しかないので、スタートダッシュできれば上位に行けます。やるからには優勝を目指しています。個人的には、数字でいえば5ゴール5アシスト。また海口彦太としては、自分からサッカーを取り上げたときに、価値が残る人間になりたいです。

■最後に、サポーターへのメッセージをお願いします。
グリーンタウン(フットサル場兼事務所の愛称)で仕事していると、自粛中でも声かけてくれたり、応援して貰えていることが伝わってきました。スポンサー企業の皆さんにも支えられていることが仕事を通じて実感できましたし、そういった人たちの支えがあって自分がサッカーをやれていることを痛感しました。感謝を伝えるために、死ぬ気でプレーするのは当たり前ですが、魅力的なサッカーを見せられるように、安心・安全に試合を観戦できる環境になったら、ともに戦いましょう。

プロフィール

海口 彦太
Genta Umiguchi
生年月日:1996年12月9日
出身地:神奈川県
経歴:FCウィングス→あざみ野FC→横浜FC鶴見→桐蔭学園高校→関西学院大
●鈴鹿ポイントゲッターズHP
https://suzuka-un.co.jp/

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