ラグビー日本代表特集 Interview 矢富勇毅

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昨シーズン、ヤマハ発動機ジュビロの日本選手権初制覇に貢献したSH(スクラムハーフ)の矢富勇毅。昨年に続いて日本代表としての活躍も期待されたが、代表合宿中に負傷してしまった。9月のW杯出場に向けて厳しい状況となってしまったが、日本代表、そしてW杯に懸ける想いを語ってもらった。(取材日:6月30日)

“タフさ”が足りなかった

■日本代表への想いを聞かせてください。
「ずっと怪我をして呼ばれていなかったときも、目指すべきところでした。選手としてプレーしている以上、目指さなければいけないし、目指さなければ選手を続ける意味もないと思っています。結果を残せば、その舞台に戻れるという自負はありました。8年ぶりに呼ばれたときは、以前とは違って年下の選手ばかりで、初めて呼ばれたときのような、初々しい気持ちでした」

■そんな中、また負傷で戦列を離れてしまいました。
「やってやろうという意気込みはありましたが、一方で怪我に対して人一倍、敏感にやっていかなければならないという気持ちもあり、そこのバランスは正直難しかったです。今回の負傷に関しても、タフさがなかったと思っています。この先、日本のラグビーの強度も高くなっていくと思いますし、僕個人としても、選手として長くやっていきたいと思っていますので、タフさというのは凄く大事になってきます。サッカーのカズ(三浦知良)さんが若手と練習して、その中で上位の成績を挙げて試合に出ているという話を聞くと、やはりタフさがあって、あの年齢までできているのだと思います。僕も今はまだ怪我も多いかもしれないですが、去年の1年間を乗り越えて、新しい自分の課題も見つかりました。今ぶつかっている壁も克服して、成長の糧にしていきたいと思います」

■清宮克幸監督とエディー・ジョーンズHCの共通点はありますか?
「大きな括りで言えば、やはり“リーダーシップ”ということになるんでしょうね。お2人とも優れていますし、誰が見ても思うと思います。ヤマハが強くなったのは清宮さん、JAPANが強くなったのはエディーさん、というように、主役になるんですよね。そういう魅力があるのだと思います。世間の人は惹きつけられますし、もっと近くにいる僕らも当然、惹きつけられます。方法や言葉の使い方だったり、違いはあると思うんですけど、そういうところは似ていると思いますし、オーラみたいなものはお互いあると思います」

単純に、ラグビーが好き

■この4年間で、自身が成長したのはどこだと思いますか?
「正直、僕の中ではあまり成長したとは思っていなくて、戻ってきているという感覚がすごくあります。ダメなことだとは思うのですが、成長したと思えるのは精神面くらいで、悪くいえばまだ大怪我をする前の自分と比べていて、満足していない自分がいます。周りの方にも『昔すごかったね』と言われますが、やはりそれだけの印象があったのだと思いますし、自分自身もそう思います。当時の自分と比べれば、良くなっているところもあるとは思いますが、『今すごいね』と言われるレベルにならないとダメですし、僕もまだそのレベルにいっていないと去年も感じていました。これからもっともっと成長したなって思えるようなラグビー人生を送っていきたいですし、もっと凄い選手になれると自分では思っています」

■復活へのモチベーションは何だったのですか?
「色々な方に聞かれて、家族や応援してくれている人のためと答えてきましたが、時間が経ってわかったことは、やはりラグビーというスポーツが、単純に好きなんですね。ラグビーのない生活というのが考えられない。大怪我をしたとき、特に2回目のときは、本当に辞めたい気持ちになりましたし、(復帰は)無理だなって思ったこともありました。ラグビーから距離を置かせてもらったこともありましたが、気づいたら試合を見ていて、イライラしてる自分がいる。『なんで俺ここにおらへんのやろ』『なにしてんねやろ』と思うと、すぐにリハビリを始めていました。本当に、ただ単にラグビーが好きで、やりたいという想いだけで、最終的には復活できたんだと思います。上手くなりたい、試合に出たい、その気持ちが強かったのだと思います。仲間だったり、家族のためだったりは、口で言うことではなくて、プレーでしっかり見せることができれば、仲間や家族はきっと分かってくれると思います」

■そこまで好きになったラグビーの魅力とは?
「若い頃は、人を抜く、ボールを持って走れる爽快感が好きでした。必死に止めようとする人を抜き去る快感ですね。そこから次第に、奥深さだったり、チームプレーの楽しさというものがだんだん加味されていって、今ではラグビーがこれ以上ない最高のスポーツだなと思うようになりました」

■9月のW杯への意気込みをお願いします。
「個人としては、前回出場した2007年にすごく後悔が残るようなプレーをしてしまったので、今回出場するチャンスがあるなら、後悔のないようにプレーして、観ている方に応援してもらえるようなプレー、これがワールドカップなんだという気持ちが見えるようなプレーをしたいと思います。日本代表としても、日本独自のラグビーを築くためにすごくハードワークもしていますし、そういうものが見えるラグビーができると思うので、観ている皆さんが一緒に戦ってもらえれば、本当に良い2015年大会になると思います」

プロフィール

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矢富 勇毅 Yuki Yatomi
京都府京都市出身
身長/体重:176cm/82kg
所属:ヤマハ発動機ジュビロ
Pos:SH(スクラムハーフ)

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