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改革元年を謳った今年のプロ野は、31年ぶりにボビー・バレンタイン監督率いる千葉ロッテ・マリーンズが優勝、日本一になり、29年ぶりにヤクルトの古田敦也捕手がプレイングマネージャーとなったところで終わりを告げた。結局、昨年の球界再編問題が勃発した時から一貫して新しい野球の姿を追いかけた2人が改革元年にふさわしい締めくくりをしてくれたということだろうか。
スタジアムの外の野球界では、去年はいい子だった楽天の三木谷氏がTBSを買収しようとしたり、村上ファンドが阪神電鉄を揺さぶったりと、プロ野球機構側を刺激して、きな臭い煙がくすぶり続けているけれども、スタジアムの中でやる野球界の方は、着々と改革が進行している。今後、野球というゲームそのものが俄然、面白くなりそうな匂いがぷんぷんしてきた。
80年代の西武ライオンズ・森監督と90年代のヤクルトスワローズ野村監督は、豊富なデータを元に、徹底した理論武装をした戦術で優勝を重ねた、日本プロ野球を代表する名監督だ。
もちろんこの2人の他にも近鉄バッファローズとオリックスブルーウェイブを率いた仰木監督や大魔神・佐々木主浩を擁した横浜ベイスターズの権藤監督など奇策を得意とする監督もいたけど、野球の戦い方のベースになったのは、森、野村の両監督が行った、データを元にして選手を駒のようにコントロールしていく野球だ。
打線は主軸を中心にどっかりと据えて、前後のバッターがバントや盗塁で撹乱する。徹底して堅実な守備を重視して、投手は、先発、中継ぎ、押さえの役割り通りに継投させる。そういうスターティング・メンバーが固定され、その穴を単発的に埋めることのできる控え選手のいるチームが強い、と。そうでなければ、長丁場のペナントレースを勝ち抜くことはできない。セリーグの覇者、阪神タイガースは、まさにこういう強いチームだった。
ところが、千葉ロッテマリーンズは違っていた。ボビー・バレンタインの野球は、これまでの常識を覆すものだった。まず、スターティング・メンバーなど固定されてはいないし、打順だって今年の千葉マリーンズは、ほぼ毎日のように100通り以上も組替えていた。3連戦の初日に3安打した選手が、翌日はベンチなんてことは、このチームでは日常茶飯事だ。
驚くのは、他のチームのように各ポジションにレギュラー選手がひとりではないということだ。言い換えれば、ベンチ入りするのはレギュラー選手と控え選手という組み合わせではなくて、毎試合がダブルキャストということだ。前の日に4打数3安打した選手が、翌日の試合で使ってもらえなかったら、普通はクサッてモチベーションが落ちてしまうと思うのだが、千葉マリーンズの場合はそれがまったく逆だ。かえって選手間の競争意識に結びつきスキルアップに繋がっている。そして千葉マリーンズの特徴のひとつは、無礼ではあるが、ほとんどが無名の選手ばかりということがある。
パリーグの選手はこれまでテレビ放映がなかったから名前が知られていないのは当然、という意味ではない。は、森、野村の両監督が行った、データを元にして選手を駒のようにコントロールしていく野球だ。打線は主軸を中心にどっかりと据えて、前後のバッターがバントや盗塁で撹乱する。徹底して堅実な守備を重視して、投手は、先発、中継ぎ、押さえの役割り通りに継投させる。そういうスターティング・メンバーが固定され、その穴を単発的に埋めることのできる控え選手のいるチームが強い、と。そうでなければ、長丁場のペナントレースを勝ち抜くことはできない。セリーグの覇者、阪神タイガースは、まさにこういう強いチームだった。
ところが、千葉ロッテマリーンズは違っていた。ボビー・バレンタインの野球は、これまでの常識を覆すものだった。まず、スターティング・メンバーなど固定されてはいないし、打順だって今年の千葉マリーンズは、ほぼ毎日のように100通り以上も組替えていた。
3連戦の初日に3安打した選手が、翌日はベンチなんてことは、このチームでは日常茶飯事だ。驚くのは、他のチームのように各ポジションにレギュラー選手がひとりではないということだ。言い換えれば、ベンチ入りするのはレギュラー選手と控え選手という組み合わせではなくて、毎試合がダブルキャストということだ。前の日に4打数3安打した選手が、翌日の試合で使ってもらえなかったら、普通はクサッてモチベーションが落ちてしまうと思うのだが、千葉マリーンズの場合はそれがまったく逆だ。かえって選手間の競争意識に結びつきスキルアップに繋がっている。そして千葉マリーンズの特徴のひとつは、無礼ではあるが、ほとんどが無名の選手ばかりということがある。
パリーグの選手はこれまでテレビ放映がなかったから名前が知られていないのは当然、という意味ではない。は、森、野村の両監督が行った、データを元にして選手を駒のようにコントロールしていく野球だ。打線は主軸を中心にどっかりと据えて、前後のバッターがバントや盗塁で撹乱する。
徹底して堅実な守備を重視して、投手は、先発、中継ぎ、押さえの役割り通りに継投させる。そういうスターティング・メンバーが固定され、その穴を単発的に埋めることのできる控え選手のいるチームが強い、と。そうでなければ、長丁場のペナントレースを勝ち抜くことはできない。セリーグの覇者、阪神タイガースは、まさにこういう強いチームだった。
ところが、千葉ロッテマリーンズは違っていた。ボビー・バレンタインの野球は、これまでの常識を覆すものだった。まず、スターティング・メンバーなど固定されてはいないし、打順だって今年の千葉マリーンズは、ほぼ毎日のように100通り以上も組替えていた。3連戦の初日に3安打した選手が、翌日はベンチなんてことは、このチームでは日常茶飯事だ。驚くのは、他のチームのように各ポジションにレギュラー選手がひとりではないということだ。言い換えれば、ベンチ入りするのはレギュラー選手と控え選手という組み合わせではなくて、毎試合がダブルキャストということだ。前の日に4打数3安打した選手が、翌日の試合で使ってもらえなかったら、普通はクサッてモチベーションが落ちてしまうと思うのだが、千葉マリーンズの場合はそれがまったく逆だ。かえって選手間の競争意識に結びつきスキルアップに繋がっている。そして千葉マリーンズの特徴のひとつは、無礼ではあるが、ほとんどが無名の選手ばかりということがある。
パリーグの選手はこれまでテレビ放映がなかったから名前が知られていないのは当然、という意味ではない。ドラフトの時点から、大概のチームのルーキーはマスコミが追いかけるのはアマチュア球界の有名選手だ。千葉ロッテマーリンズの新人選手は、申し訳ないがその時点では話題にもならない。それなのに日本シリーズでMVPとなった今江は01年のドラフト3位。名門PLの出身だが3年生の夏は野球部の暴力事件が問題となって甲子園の夢は断たれている。第3戦で満塁本塁打を放った福浦は習志野高校から12年前にドラフト7位で入団、全国的にはまったく無名の投手だった。サブロー、西岡、里崎などその年のドラフトの目玉と言える選手はほとんど見当たらない。球団関係者によると、ロッテオリオンズから千葉ロッテマーリンズに変わった頃から「何しろ31年もずうーっと弱いチームでしたし、お金も人気もなかったから、読売ジャイアンツのように有名選手を引っ張ってくるのではなくて、まずはスカウトの能力を強化していこうと。
そして自分のところで戦力として育てようということになった」のだそうだ。あの広岡達郎氏がGMとなって、ボビー・バレンタインが最初に千葉マリンスタジアムにやってきた頃のことだ。なるほど20代後半の福浦やサブローは、その一期生で今江や西岡といった3年目の若い選手達がそれに続いているということだ。そういえば広岡氏は、ある新聞の取材でこんなコメントをしていた。「日本の高校野球のレベルは世界一です。アメリカよりも数段高いレベルにある。メジャーのスカウトも日本の高校生のなかに優秀な選手が多いことに驚いていますよ」。スカウティング、育成プログラム、そしてボビー・バレンタインの日替わりダブルキャスト起用法。強さは斬新なだけではない、データと緻密な計算によって成り立っている。
さて、日本シリーズで阪神タイガースが目を疑うような4連敗したことで、その理由がシーズン終了からシリーズまでの時間が空いたためとする向きが多いようだが、それだけのことで3試合連続して2桁得点で一方的に圧勝することを説明はできない。あきらかにパリーグの方が現時点では高いレベルの野球をしているからに他ならない。
セリーグもプレーオフの導入に踏み切るものと思われるが、そうなればシーズンの戦い方も変えなくてはならない。森や野村の固定的な野球からバレンタインのような緻密に流動する野球に、だ。29年ぶりにプレイング・マネージャーとなってヤクルトスワローズを率いることとなった古田監督は、そのことをすでに察している。その証拠にセリーグ初の年間200本安打を打った外野手の青木に、内野の守備練習をするように命じている。つまり古田はフォーメーションの選択肢を増やすことをすでに始めているのだ。スタジアムの外のプロ野球界は相変わらずだが、スタジアムの中のプロ野球界は俄然動き始めている。


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