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昨シーズンを振り返ると、開幕から独走していた中日ドラゴンズが、交流戦が始まったとたんに失速してしまい、かわりに浮上したのがセ・リーグは阪神タイガースと東京ヤクルト、パ・リーグはなんと言っても千葉ロッテ。ロッテは昨年の交流戦で全体の勝率1位となって、プレーオフ、リーグ決勝戦そして日本シリーズを制覇、さらに初めて開催されたアジア・シリーズのタイトルまでも手中に収めてしまった。ロッテのミラクルは交流戦から始まっていたのだ。で、今シーズンはどうだ。パ・リーグは、野手も投手も主力クラスがWBCにごっそり出場していたことから、世界一の興奮をそのままに開幕したけれども、やっぱり3月に真剣勝負をしなくてはならないのは、少々無理があったのかもしれない。コンディションのピークを一度迎えた選手たちには少し酷な状態だったのだろう。4月のロッテ、福岡ソフトバンク、西武ライオンズの主力クラスの動きは誰が見てもイマイチだった。
セ・リーグはと言えば、昨年5位に終わって立て直しが懸念されていた読売ジャイアンツが、まさかの開幕猛ダッシュで4月をトップで独走し、そのままの勢いで交流戦を迎えたわけだが、はたして4月の勢いはなくなり昨年の中日のように失速してしまった。投手陣で上原や高橋尚成、野手でも高橋由伸と小久保までもが相次いで故障で戦線離脱するなどの不運が重なりアップアップの状態。それでも今年のジャイアンツの場合はリーグではなんとか首位をキープして粘っているから、昨年の中日よりも見るべきところがあるといえる。交流戦での結果を見ていると、昨年同様にロッテがやっぱりいい。ヤクルトも交流戦になるとドンドンと勝って、ロッテと首位を争うほどだが、シーズンを通して勝ち続けるのは少し難しいと言わざるを得ない。交流戦の上位にいる5チームはロッテ、ヤクルト、阪神、中日、ソフトバンク。このうち防御率が2点台のチームは中日、ロッテ、阪神の3チーム。ソフトバンクは城島がいなくなったこともあって3点台の半ば、ヤクルトは3点台の後半だが、ガトームソンがノーヒットノーランを達成するなどひとりで防御率を下げているため。ヤクルトの好調は、青木、リグス、ラロッカ、ラミレスといった打撃陣による12球団で唯一の3割台というチーム打率によるものだ。
野球は点取りゲームだが、相手に点をやらなければ負けないというゲームでもある。最も失点の少ないチームが、最も勝つ確率が高いというのが野球だ。むろん例外はあるが、防御率のいいチームが強いというのは間違いない。チーム防御率を見るとジャイアンツと北海道日ハムが共に3点台で、この2チームはしぶとくてなかなか負けないチームだなという印象を受ける。ライオンズは上位を狙うチームでありながら意外にも4点台の後半、ほぼ5点と防御率が悪い、優勝を狙うには厳しいと言えよう。投打のバランスが取れていなければ長いレギュラーシーズンは勝てない。なおかつ安定的で、堅実な投手力を揃えていなければ短期決戦は勝てない。そういうチーム力を持っているのはロッテ、阪神、中日、ソフトバンクということになる。交流戦をなんとか無事に乗り切った観のあるジャイアンツは、故障者が戻って投打の主軸が揃ってくるから、セ・リーグはやはりジャイアンツ、タイガース、ドラゴンズの三つ巴のなかにヤクルトがどうやってかき回すという展開になるはず。パ・リーグは、故障者さえ出なければ総合力ではやはりロッテがリードしていることになる。ソフトバンクは、投手力そのものは実力があるのだけど、城島が抜けた穴が大きいといわざるを得ない。
キャッチャーのリードに不安を抱えているのは、ライオンズも同じだ。シーズンを通した時の失点率がボディブローのように影響するだろう。交流戦の魅力は、パ・リーグの活きのいい若手、セ・リーグでは最近あまり見かけなくなった怪力スラッガー、松坂とか渡辺俊介といった、普段は見られない球界を代表するのエースの投球、そういった選手を見るチャンスがあって楽しい!という意見もあるけど、実はこの交流戦はチームの実力を推量する最も顕著な場となっているのだ。同じリーグだと対戦チームのデータが揃っているし、初めて対戦するわけでもないので、ある程度の読みは働くだろうが、違うリーグとなるとそうはいかない。もちろんデータはあるだろうけど、実際に肌で感じる感覚はデータとは全く別のものだ。そこは選手の持っているポテンシャルに頼らざるを得なくなる。つまり勝負は、よりガチンコになるということだ。交流戦に強いチーム、交流戦に活躍する選手は、それだけ高いポテンシャルを持っているということができるわけだ。そういった観点で今シーズンのプロ野球後半戦に注目すると、ますます興味深く楽しむことが出来る! |
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