今から12年前単身太平洋を渡り、道を切り開いた男がいた。 彼は強引とも言える方法でメジャーリーグに移籍して、後進に道を指し示したばかりか、メジャーの大打者から三振の山を築きドクターKとして慕われた。 そしてその存在は長期間のストライキによりファンとメジャーリーグの冷え切った関係を改善するきっかけとなり、多くのファンが彼のお陰で再びスタジアムに足を運ぶようになった。
そして、彼の後を追うように数々の選手たちが海を渡った。
その中で特筆すべきはやはりイチローだろう。奇跡とも言えるバッティングセンスでヒットを量産し、快足を活かしてベースを駆け巡り、その強肩で数多くのランナーを刺殺した。そのプレーはメジャーリーグの野球をより緻密でエキサイティングなものに変え、今や彼の存在はメジャーリーガーの中のメジャーリーガーとして、選手、関係者、ファンの間で畏敬の念を持って受け止められている。
そしてあれから12年目のシーズン。
いよいよ待望の投手がメジャーリーグのマウンドに立つ。
現在の日本のプロ野球全チーム中で最高の投手、松坂大輔だ。
横浜高校時代から“平成の怪物”と称され、プロ入り後は当時常勝球団だった西武のエースに君臨してきた。だが彼の思いは高校時代からメジャー一筋だったのだ。その想いが叶っていよいよメジャーリーグの一員となる。
鞭のようにしなやかな腕の振りから投げ込まれる速球を中心に、切れ味鋭いスライダーやカーブ、そしてフォークやカットボールなどの変化球でピッチング幅を持たせる。それが松坂のピッチングの持ち味だ。その松坂がメジャーリーグの強打者を相手にどんなピッチングを繰り広げるか? 特にイチローや松井秀喜との日本人対決は今から期待に胸が躍る。だが彼に期待を寄せるのは日本人ばかりではない。メジャーリーグのチームも早くから彼に目をつけ、彼のピッチングを高く評価してきた。その評価の表れが60億円と伝えられたボストン・レッドソックスの入札額だ。
平成の怪物がメジャーリーグでも怪物になれるか?
そしてメジャーリーグの歴史の体現者となれるのか?来年は松坂から目が離せない。
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