144試合出場、打率291、18本塁打、76打点。これが昨年シアトル・マリナーズに入団したメジャーリーガー城島健司の1年目の成績だ。打率とホームランでは松井秀喜の1年目の成績を超える素晴らしい結果を残すことが出来た。だが今でも破られていない通算70本の高校本塁打記録を引っさげ当時のダイエーに入団し、2003年には打率330、34本塁打、119打点を記録するなど、キャッチャーとして日本球界歴代屈指の打撃に定評があった城島にとって、この結果はある程度想定の範囲内だったようだ。シーズン終盤には3番を任され、キャッチャーとしてのチーム記録となった数字だけでなくマイク・ハーグローヴ監督の絶大な信頼を得ている。それよりも城島にとっての課題はキャッチャーという彼のポジションにあった。

キャッチャーというポジションは、他のポジションに比べてピッチャーをはじめチームメイトやベンチとのコミュニケーション能力を問われる。そこには言葉の問題がある。さらに相手バッターの分析などの高い経験値も要求される。このため城島のメジャーリーグでの活躍を疑問視する見方が多かった。だがシーズンが始まってみると周囲の不安をよそに正捕手のポジションを早々と確保した。後日談によるとそれでも当初は多くの問題があったようだが、時間がひとつひとつ問題を解決していった。
最も心配された言葉の問題も、シーズン中頃からはピンチの時マウンドに駆け寄り、ピッチャーに話しかけ励ます城島の姿が何度も見られ、そうした心配が杞憂だったことが証明された。それどころか守備の時に日常的に交わされるアンパイヤーとの会話でも不便を感じることは無かったという。経験を要求されるリード面でも対戦ごとに全打者のデータをノートにまとめ次の対戦に備えているという。そうした陰の努力の甲斐もあって、徐々に投手陣の信頼を得て、すでに守護神のJ.J.プッツなどは城島のサイン通りに投球するようになっている。さらに試合前のミーティングでも頻繁に意見を求められるようになったというのだ。そういう意味で、実は彼の昨年の成績で最も特筆すべきは144試合という出場試合数なのだ。経験がものを言うキャッチャーというポジションで、1年目から正捕手として144試合に出場できたことは、来年以降の彼にとって大きな財産となるであろう。

2年目に向けて彼の語学力は更にレベルアップされ、1年の経験を経たリードにも一層の磨きがかかることだろう。そんな城島の今年の目標は全試合出場だ。更にその視線の向こうにはベストナインに選ばれるなど、メジャーリーグを代表するキャッチャーになることだろう。松坂ばかりでなく2年目を迎えた海の向こうの城島に声援を送ろう。
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