手層の厚いメジャーの世界は、日本のプロ野球に比べ、速球投手のスピードも5km/h〜10km/h違うのだ。かつてヤンキースに渡った伊良部秀輝は、実のところヤンキースタジアムで自己最速の159km/hを計測している。それでも速球で結果が得られず苦戦したのは「メジャーで150km/h後半の速球ピッチャーはザラにいる」という事実にも起因している。結果的に伊良部は移籍を重ねながら苛酷な環境での投球術を身につけ、また伊良部の元来の才能に目を向けていたライアンからの助言もあり、ロッテ時代に近い速球を取り戻したといわれている。
ただ、ランキング2位の164km/hまでは、引退・現役ともに実力を兼ね備えた一流投手であるのに対し、それ以降にはコントロールに課題を残すパワーだけのピッチャーも多い。現役で最も速いとされるダイヤモンドバックスのランディ・ジョンソンもまた、元来コントロールに不安があったところをライアンに師事して一流の仲間入りを果たしている。逆に、最速130km/hに満たない投手がすぐ100勝に到達できたりするのもメジャーの面白いところである。
メジャーでライアンの記録を超えるのは誰なのか?ライアンを師と仰ぐランディ・ジョンソンや、ジョンソンと同チームで同じく164km/hの記録を誇るカート・シリングにはもちろん注目の集まるところだが、年齢を考慮すると、ランク外ながらコンスタントに時速100マイルを出すことができ、史上最速で1000奪三振を記録したカブスのケリー・ウッド、打者から転向して活躍するラファエル・ソリアーノ(マリナーズ)ら若手速球派の多いドミニカ勢も見逃せない。
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