習中、チームメイトと楽しそうに談笑している松井の姿が目の前にあった。ジェイソン・ジアンピーやデレク・ジーターといったメジャーリーガーたちと気さくに話す松井が……。ところで松井は英語の方はどうなんだろうか。
その辺のところは、師岡アナによると「大丈夫でしょ、ああやって笑いが取れてるくらいだから。ずいぶん上達してるみたいですね、本人は“単語から文章の段階に入った”なんて冗談いってましたけどね。彼はとにかく気遣いや気配りのできる男だからコミュニケーションは心配ないですよ」との答えだった。
松井の「気遣い」は、もはやニューヨークの記者たちのなかでも有名なのだそうだ。「何しろ彼は、僕達も含めて大勢いる記者連中の会社と名前をちゃんと覚えてくれるんですよ。それはアメリカのプレスの方のも同じで、選手から名前で呼ばれた記者は驚きますよね。こっちじやそんな選手はいませんからね」。そうえば、松井は試合の後も気さくに、それも頻繁に記者たちと食事に行ったりする。
「アメリカでは試合の後に記者と食事する選手なんていませんよ。チームメイトも驚いていますね。日本にいるころからずっとそうだからと、本人はケロッとしていますがね。彼の人となりでしょうね。たしかシアトルの後かな、一度同行の報道陣全員と一緒にバーベキューパーティをしたことがありました。試合の後それぞれ皆、肉とか野菜とか持ち寄ってね。場所がわからないから携帯電話で連絡しあってね。プライベートだから今日は取材なしだぞって、ね。そんな選手いないでしょ」。

いくら慣れているとはいえ、勝負の世界にいる人間だ。調子の悪い時などはそっとして欲しいに違いない。本人は疲れないのか。「そこが、彼のすごいとこだよね。そういう気遣いができるのは、裏を返せば気分転換が人並みはずれてうまい、切り替えが早いということだと思うんです」。切り替えの早さ、失敗や落ち込みといったマイナスの思考を残さないのは名選手の必須条件だ。
コツはなにかあるのだろうか。「彼のお父さんが『人間万事、塞翁が馬』とよく言うのだそうですが、そういう子供の頃からの教えもあるでしょうね。あとは、そうだ、お風呂かもしれない。松井はマンハッタンの高層マンションにひとり住まいをしているのだけど、とにかくお風呂にだけはこだわったようですね。毎日4、5回は入るようです。ひょっとするとそれが気分転換になっているかも」と、師岡アナ。
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