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ょうど10年前の1995年、それまで万年最下位だったロッテが2位に躍進した。そのミラクル・ロッテを率いたのがボビー・バレンタイン監督だった。
いくらメジャーリーグのテキサス・レンジャースの監督だったボビーといえども、日本の野球界ですぐに結果なんか出せるわけがない、
と誰もがタカを括っていたなかであれよあれよの快挙だった。千葉のファンは、俄然期待した。これで夢にまで見た、いや夢にも思ったことのない
念願の優勝が現実になる!と。ところがボビーは、このシーズンのたった一年で解雇。ロッテファン数千人が決定を不服とする嘆願書を球団に提出する騒ぎと
なった。いよいよ日本を離れることとなったボビーは成田空港で多くのファンに見送られながら、口にこそ出さなかったが、こう呟いた。“I’LL BE BACK!”
96年から02年までニューヨーク・メッツの監督を。その間メッツをナリーグ・チャンピオンにしてワールドシリーズに導いてここでもミラクルを起こし、
そして再びボビーは日本に9年ぶりに帰ってきた。9年前とはすっかりメンバーの変わったロッテを率いて日ハムと熾烈な3位争いをシーズン最終戦まで演じて
あわやプレーオフかというところまで躍進させた。 |
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| そして今年の快進撃だ。チーム勝率が7割を超え、貯金はすでに20に届く。残り試合を5割でいけば、
昨年わずか0.5ゲーム差で逃してしまったプレーオフへの出場は間違いない。一昨年までは最下位争いだったチームをこれほどまでに変貌させてしまう、
ボビーの手腕とはいったい何だ。ボビーは、昨年の来日時に監督としての考えを聞かれて、こんなことを言っている。1.チーム全体を把握することに努める。2.幅広く選手をテストする。3.新外国人には性急に結果を求めない。4.出来高払いはしない。5.意思の疎通と情報の交換。全員野球でAクラスを目指す。
特別なことを言っているわけではないが、印象的なのは4.の出来高払いはしない、というところだ。その意味を彼はこうも説明している。「ひとり一人の技術は必要だけど、野球はチームでするものです。個人が目立ったプレーをしてもチームが負けては意味がありません。優れた選手が集まった
一番強いチームが勝つのではなく、一番うまい野球をしたチームが勝つのです」とボビーは言っている。つまり出来高を狙って個人成績ばかりに心血を注いで
いては、チームは勝てないというのである。それよりもチームの勝利に貢献できる選手が全員チームプレーをすれば必ず勝つ。そのためには全体を把握し、
選手全員にチャンスを与え、性急な結果を求めず、コミュニケーションをして、目的意識を明確に持たせることだ、とだけの日本人プレーヤーが活躍しているの
ですから技術の差はすでに解消されています」ボビーは、とにかく選手をよく誉める。練習中から選手に声をかける。「ゲームのための練習をしなさい。
練習のための練習はいらない」ともいう。実践的で効果的な練習がチームをいい方向に向けさせていくのだそうだ。そしてこうも言っている。
「プレーヤーのやる気をうまく引き出すこと。これが監督のもっとも大事な仕事です。そこが私の腕の見せ所ですね」なんとも明るく、なんと自信に
満ちたボビーの発言だろうか。確かにボビーの言うようにロッテ・マリーンズはすっかり変わった。とにかく何が変わったって、試合を観れば“このチームは強い”
と実感するし、選手は皆イキイキしてる。とにかくロッテは変わってしまった。まさにミラクル・ロッテだ。僕らの驚きを他所にボビーは「ミラクルの秘訣は
僕にはミラクルでもなんでもないよ」と笑っているようだ。「本当のミラクルは、今年から始まるマリーンズの黄金時代というミラクルだよ」と茶目っ気たっぷりに
ウィンクするかもしれない。ボビー、もっと凄いミラクルを見せてくれ! |
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