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高田延彦
高田延彦
80年新日本プロレス入門。その後、UWFインターを経てPRIDEに戦いの場を求める。二度に渡るヒクソン・グレイシー戦、ホイス・グレイシー戦、イゴール・ボブチャンチン戦、 ミルコ・クロコップ戦など名勝負を繰り広げ、02年11月24日 東京ドームにて『PRIDE.23』対田村潔司戦を最後に現役より退く。デビューから引退するまで格闘技界の歴史のド真ん中を歩き続けてきた。現在、高田道場代表。PRIDE統括本部長。ドリームステージエンターテインメント主催 『ハッスル』の高田総統とは古くからの知り合いである。

日本の大晦日の国民的行事とさえ言われたあの紅白歌合戦を凌ぐコンテンツとなったプライド「男祭り」。今年は小川直也と吉田秀彦というこれ以上ないサプライズ・カードが実現。今回は高田延彦氏が「男祭り」の見どころをパワートーク。ついでに“友人の高田総統”のハッスル話も聞いちゃいました。というわけで今月はロングヴァージョンでお届けです!
 

金子:さて、いよいよ大晦日。プライド「男祭り 頂-ITADAKI-」ですが、小川直也vs吉田秀彦について聞かれまくりじゃないですか。

高田:多いですね。

金子:何て答えているんですか。

高田:わかんない、って答えてる(笑)。仲が悪いのは本当なんだろうけど、その根の深さは僕らじゃ想像できないものがあるようだね。

金子:それは大学時代からの因縁…。

高田:10数年に及んでいる。同じ写真にすら一緒に収まることがないだろうと言われていたのが、真剣勝負のリングの上で戦うわけだからね。誰もが考えたけど、マッチメイクするときに最初に消されるカードだった。この対戦は無理だろうと。それが写真に収まるどころか、対戦が実現しちゃった。

金子:実現までに相当の難航があった。

高田:小さなアクションをいれると数年前から。でもダメなものは10年かけても口説き落とせない。ましてこれだけ因縁が深けりゃ。理屈じゃ考えられない、何か別の力が作用したとしか思えない。プライドの、大晦日のリングという求心力があったかもしれないけど、それにしてもこの2人に関しては実現できるとは、誰も想像しなかった。現在のこの2人の情報が入ってきているんですけどね。おそらく大晦日は、勝ちにいくか、潰しにいくかという試合になると思いますよ。激しい試合は他にヒョードルやシウバの試合のような試合もありますが。ところがこの試合に関しては過去の因縁、同じ日本人、トップアスリート、共に知名度のある人気選手と、感情移入する要素がたくさんあって、パンチ一発まで拳ひとつまで因縁が込められた試合になるにちがいない。

金子:本当、今から(視聴率が)もう紅白を超えるんじゃないかといわれていますけど。

高田:DSEの榊原代表は50%を超えるなんて大それたことを言っていましたが、この試合に関して言えば50%は難しいとしても相当の数字になる可能性はある。

金子:男祭り、プライドが認知されて、時代は完全に変わった。

高田:こんな表現がいいかどうかわからないけど、全盛期の紅白というのは、出ることでその年の活躍を評価され、また次の一年を注目されるものだった。格闘家にとってプライドの大晦日は、そういうステージ、そういう存在になっていると思う。

金子:小川vs吉田の他のカードとなると、五味選手vs桜井マッハ速人戦でしょうか。

高田:小川と吉田は、自然とスポットライトを浴びるけど、私が何としても観て欲しいのは五味隆典と桜井マッハ速人ですね。五味がこの2年間「武士道」のなかで戦ってきた生き様とか、2人のファイターとしての高いレベル。そして73キロというのは全人類の平均的な体重でしょ。この階級で、日本人初の人類最強のタイトル。これまでプライドにはトーナメント覇者も含めて日本人チャンピオンは存在しなかった。
それに、このカードは9月の時点ですでに決まっていたわけですけど、その後に続々と強力なカードが発表されるなかでね。彼らの心理は、もちろん戦うのは対戦相手だけど、自分たちのカード以外の他の試合に対するいい意味での嫉妬心が沸き起こっていると思うんですよ。俺たちを観ろ!俺たちの試合が一番スゴイぞ、と。モチベーションを高める材料になっている。

金子:紅白を倒して国内制覇といっても過言ではないくらいになると、高田さんの次の夢、目標はどこに向かっている。

高田:プライドはまだ総合格闘技のイベントとしての認識だけど、それをプライドという競技として確立させたい。たとえばそれがどういう姿かというと、プロ格闘技のなかで最も有名なのは全盛期のヘビー級のボクサーですよね。モハメド・アリ、ジョージ・フォアマン、イベンター・ホリフィールド、マイク・タイソン…、彼らはテレビ電波の届くところなら世界中の誰もが顔と名前を知っていた。今、ミルコやヒョードルは、アリやタイソンに負けないだけのことをやっている。そのためにプライドのステージを世界中で高めていきたい。有名になってもらいたいとかじゃなくて、そういうカタチにしたいと。世界各地にプライドが行き渡ることによって、プライドという競技を目指す人も増えるはず。
その第一歩としてアメリカで初のイベントを開催しようと思うわけですが、例えばラスベガスで1万人規模のイベントだったら簡単にできるんですよ。そうじゃなくてさいたまスーパーアリーナの興奮や熱がそのままパッケージで行き渡らないと意味がない。根を張ることが最も重要。これまでアメリカの地上波で毎週OAしてきて、やっと機は熟したかな、と。


金子:ところでプライドの盛り上がりも凄いんですが、ご友人であられる高田総統が仕切っていらっしゃる「ハッスル」がまた大変なことになっているようですが。

高田:ああ「ハッスル」。高田総統ね、この前も電話で話したばかりですよ(笑)。彼が言うには、11月3日の「ハッスル・マニア」でようやくカタチが見えてきたかなと。「ハッスル」は敢えてプロレスとは言わずにファイティング・オペラと打ち出している。つまり徹底したエンタテイメント路線です。スタート時からぼんやりとですが、プライドの対極、正反対のものを作らなければいけないと思っていた。それには馬鹿げた、ふざけたことを、むちゃくちゃ真剣にやるしかない。そうすることで必ずや、「プライド」のトップファイターたちが「ハッスル」に出ている選手たちをリスペクトする時が来るだろうと。ようやくそのカタチが見えてきた段階。しかしお客さんの空気を感じながらひとつひとつのイベントが勝負だから、何を目指すかと聞かれたらエンタテイメント路線としか答えられない。

金子:そうすると、お客さんの空気が「高田総統よ、リングに上がれ」という風になったら、総統はリングに上がるのでしょうか。

高田:あのね。総統はね。この前、電話で話したんだけどね(笑)。「俺は、いつでもリングに上がる準備は出来ている」と、彼は言っていましたよ。ただ「ハッスルの選手たちよ、お前たちに、総統が出て行くだけの価値があるのか?」と再三再四、愚痴ってましたよ、彼は。彼のことですから、なにしろ完璧主義者ですからね、準備は出来ているんじゃないでしょうか。

金子:で、やっぱり「プライド」。大晦日「男祭り頂-ITADAKI-」。どこに注目してもらいたいか。

高田:本当に全部のカードに注目してもらいたいんですが、楽しみにして観るという入り口の部分は小川・吉田戦でいいと思うんですけど、各選手の背景やマッチメイクの理由なんかもドラマ仕立てで紹介するようになっていますから、本当に格闘技のビギナーの方にもわかりやすくて、バラエティやドラマを見るように楽しんでもらえると思います。この選手カワイイとかカッコイイとかゴツイとか恐いとか、そんな感じで見てもらえれば。出場している選手はすべてトップファイターであることは間違いないのですから、誰が見ても見ごたえは充分だと確信してます。で、タッちゃん、大晦日はもちろんさいたまスーパーアリーナに来るんでしょ?

金子:えっ、プレミアリーグを観にイングランドへ…。大晦日は、ちょっと…。あはははは…、あ、時間ですね。頑張ってください、ありがとうございました。

 
 

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