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金子:今日は僕の偉大なる先輩。スポーツジャーナリストの二宮清純さんです。僕がまだ雑誌の記者だった頃、生れて初めてインタビューというものを受けたのが実は二宮さんだったんです。その時にゴージャスなお店に連れて行ってもらったりして、いわば初体験の相手とも言うべきお方ですよね。よろしくお願いします。
二宮:私こそ、まだサッカーダイジェストの記者だった頃から金子さんの一番のファンでしたから。
金子:ははは。ということで二宮さん、トリノ五輪が終わりましたけど、今回の成績、結果についてどのようにご覧になっていますか。
二宮:こんなものだろうなと、この結果は予想していましたね。私は「燃え尽き症候群」と呼んでいるんですけど、長野五輪の時は、金が5個、銀が1個、銅が4個でしたよね。ようするに地元開催の“長野でがんばろう!”ということで情熱も資金も使い果たしちゃった。日本人って目的を果たすまでは頑張るじゃないですか。入学試験とか就職とかね。でも合格するまで頑張って、目的が達成されちゃうと長い五月病にかかってしまう。私はまさにトリノの結果はこの5月病が続いている状態だと思っています。日本人って強化は得意だけど継続性がないですよね。企業でも○○強化月間みたいなね。しかしその後がないんですよ。継続性がない。
金子:今回のオリンピック、せっかく遅くまで起きて応援したのに正直がっかりです。冬の競技を強くする考えはありますか?というリスナーからの質問がきていますが。
二宮:私はもう付け焼刃の改革じゃダメだと思いますね。冬の競技というのは、まず資金難ですよ。これをどう解決するのか。強化したくても財源なんてないわけですよ。トトを当てにしてたけど失敗しちゃったわけでしょ。だったら私はスポーツ紙なんかにも書いていますけど、スノーボードクロスとかショートトラックとかを公営ギャンブル化しろ!と。
金子:面白いですね。それなら3連単、買いますね。
二宮:本当に面白い。誰が勝つか分からない。それを強化資金に当てたらいい。これは私自身が暴論だとしていますが、NOというなら財源を生む代案を考えて欲しい。現状、トップクラスの強化選手で月額20万くらい、これじゃ栄養費にもならない。韓国みたいに勝ったら何千万とは言わないけど、せめて選手の移動はビジネスクラスとかホテルは一人部屋にするくらいの資金援助は必要だと思う。
金子:そうすることで選手にも責任感とプライドが生まれる。アテネの時もメダルを取った水泳の選手たち、帰りの飛行機はエコノミーでしたもんね。それで役員とか偉い人はビジネス。もっとエライ人はファーストクラスですもんね。
二宮:昔、膝を痛めているレスリング選手が役員に席を替わってくれないかと頼んだら「何を言ってる。選手はエコノミーだ」と言い返された。その選手はそれが悔しくてメダルを取った。こんな反骨精神はやはりイビツですよ。
金子:では野球のWBCの話にしますか。これは二宮さんの専門ですが。
二宮:この大会は、はっきり言ってアメリカが各国に招待状をだして「この指とまれ」という大会ですよ。サッカーのようにFIFAとかIOCのような国際組織が運営するわけじゃなくてメジャーとメジャーの選手会が作った運営会社みたいなところが主催してるわけですよ。まあ、一回目だからうるさいことは言いませんが、正しいカタチだとは決して思わない。それでも王監督が言うように、出場する限りは勝って欲しい。
金子:まるでアメリカの私物化。五輪にしてもサッカーにしてもイギリスで生まれているけど、世界にネゴしたのはフランスですものね。そのためにも日本がぶっちぎりで勝てば発言力が持てる。
二宮:サッカーのW杯だって1回めはイングランドは不参加でウルグアイ開催でしょ。これはイングランド以外のサッカー文化を創ろうとした意思が見えるよね。現在、歴史的に見ても野球の民力でアメリカに対抗できるのは日本しかない。日本がアジアと上手くやってアメリカと対抗できるだけの力を持てば、リアルWシリーズとか太平洋シリーズといったものだって見えてくる。それはアジアのチャンピオンの言葉だから正当性があるわけですよ。
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