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ロードレース最高峰クラスMotoGPにおいて圧倒的な5連覇を達成してきた王者ヴァレンティーノ・ロッシ。
イエロー・グラフィックに彩られたYAMAHA YZR-M1を駆り、今季も優位を保つかと思いきや、2006シーズンは、
4戦目まで全て違うチームのライダーが優勝するという大混戦の様相を呈している。若手ライダーの躍進にタフな
新コースが続いた序盤戦を終え、レースはいよいよ欧州大陸へ。6連覇のかかる最強王者もうかうかしてはいられない! |
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「彼らは手強い存在になる。ファンにはかなり楽しんでもらえると思うけど」。
ヴァレンティーノはもちろん開幕前から警戒していた。「彼ら」とは250ccからステップアップ参戦を計ってきたダニエル・ペドラサ、ケーシー・ストーナー、さらには昨季の終盤に2連勝しているマルコ・メランドリら、台頭する若手ライダーの存在である。とはいえ、昨季17戦中11勝16の表彰台で総合優勝を果たしたヴァレンティーノのことだ。
250からの参戦組をそう簡単に調子に乗せることもないだろう。だが、皮肉にも王者の言葉は序盤戦から現実のものとなった。過去5年間に渡って開幕Vを譲らなかったヴァレンティーノは、第1戦の第1コーナーでトニ・エリアスに突っ込まれ、いきなり不運の転倒。第2戦のカタールGPではヤマハ、ホンダ、ドゥカティが1秒差でゴールするという超接近戦を勝負強さで制するも、以降は再びトラブルに見舞われ足踏み状態が続いている。
一方、開幕から早くも表彰台の2番目を奪ったペドラサは、序盤からフルスロットルの攻勢をかけ、常に上位でレースを運ぶとデビュー4戦目の中国GPで早くも初勝利。ヴァレンティーノがつまづく間、打倒王者の急先鋒メランドリが2勝を挙げ、優勝こそないもののストーナーやニッキー・ヘイデンといった実力派のニューエイジがポイントを稼いでいる。さらにYZR-M1のライバル、ホンダRC勢に加え、開幕前の走行テストで結果を残したドゥカティもベテランのロリス・カピロッシが好調を維持。今季はライダーズ、メーカタイトルともに近年稀にみる激戦となっている。 |
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だが、若手ライダーの実力がヴァレンティーノに肉迫していると見るのは性急だろう。ベテランが去り、世代交代が進んだ昨今、250ccから転向した小柄なライダーがことごとく挙げる実績は目を見張るものの、それはマシンの性能向上によるところも大きい。ここ2年、ヴァレンティーノとヤマハは開発を重ね、加速やコーナーリングスピードでも他を圧倒してきたが、ライバルメーカーもまたそれを追随し小柄なライダーがすぐ適応できるほどマシンは進化している。ヴァレンティーノは移動も多い序盤戦でトラブルが続き、勝利に恵まれてない感があるが、突然のトラブルに見舞われるまでは、いずれのレースも相変わらず他を凌駕する走りだ。また優勝したカタールの一枚上手の駆け引きを見ても、この天才ライダーは他のライダーと比較して、タフネスやメンタル面でやはり明らかに抜きん出ている。
王者もちょっとモチベーションが低下気味? いや、そんなこともない。カタールGPの優勝で歴代2位となる54勝を記録したヴァレンティーノは、トルコGPで生涯獲得ポイントの世界記録を塗り替え、5月には伝説のアスリートたちが投票する「スピリット・オブ・スポーツ賞」も受賞。スペイン国王やハリウッドスターらから祝福を受け、まだ前半戦なのに「ワールドスポーツマン・オブ・イヤー」にもノミネートされてるのだから、さらなる伝説を築かねばならない。相棒のコーリン・エドワーズが25連続ポイントを記録して踏ん張る中、ヤマハはこれまでのアンラッキーなパズルを臨戦体制で克服している。相性のよいヨーロッパラウンドで王者がいかに巻き返しを図るか注目したい。 |
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さらに、5月24日付のイタリア現地通信ANSAの情報によると、ヴァレンティーノは来季からF1へ転向するといった意向を改めて否定。2007年もMotoGPへ参戦し、現役を続行すると語った。「フェラーリの友人たちは僕にF1をテストする機会をくれた。素晴らしい人たちと美しい時を過ごすことができた。だが、バイクの仕事はまだ終わってないと思っている。しばらくはこの刺激のあるMotoGPに参戦する」。この真意は憶測の域を出ないが、とにもかくにもヴァレンティーノがこのまま力を持て余してF1に移ってしまうのは二輪ファンにとってみれば大きな財産を奪われたも同然。ここにディフェンディングチャンピオン、ヴァレンティーノの後半戦にかける思いが込められているなら、これほど嬉しいことはないだろう(!)。
ヴァレンティーノは、記録の面でもジャコモ・アゴスティーニの持つ7連覇にあと2つ、歴代勝数も同じくアゴスティーニの68勝にあと14。もうすぐ手の届くところに迫っている。そして、全く予断を許さない今シーズン、ヴァレンティーノとヤマハが立て直せば、タイトル争いは、ホンダ、ドゥカティとの三つ巴へ一気に混沌化するだろう。MotoGPはシーズン大詰めとなる第15戦でいよいよ日本に上陸。昨年、史上最高となる9万6050人を動員したツインリンクもてぎのサーキットが、ますます熱くなってくる。その頃には一体どんな戦況になっているのだろうか? まずは激戦の欧州ラウンドを要チェック! |
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