| 1950年の開催以来、今回で15回を迎えるバスケット世界選手権の最大のみどころは、94年以来の王座奪還に燃えるアメリカ代表の活躍だ。1891年にマサチューセッツで発祥したバスケットは、アメリカで発展し、世界に広まった。そして「バスケット大国」とアメリカが言われる所以は、なんと言っても選手の年俸が軒並み10億を超える世界最高峰プロバスケリーグNBAの存在だ。さらに全米大学選手権に当たるNCAAトーナメントはNBA以上の視聴率を誇り、独立リーグABAや女子リーグWNBAの人気も高い。1990年まで、アメリカは「プロはNBAで活躍し、学生は五輪や世界選手権の代表チームを担う」のが通例だった。だが、80年代から、その情勢は次第に変化する。旧ソ連や旧ユーゴが、国際大会でアマチュア王者に君臨し、商業化の加速する五輪にはプロ選手が参加するようになった。NBA選手参戦の気運が高まる中、アメリカはついに国の威信をかけ、1992年バルセロナ五輪でマイケル・ジョーダン、マジック・ジョンソンらNBA史に名を刻む超ド級オールスターによるドリームチームを送り込む。その圧倒的強さを世界に見せつけたアメリカは、94年世界選手権でもシャキール・オニール、レジー・ミラーらを擁し、余裕の勝利を収める。だが、98年の労使問題で突如NBA選手の召集に困難をきたすと、アメリカは3位に後退する。そして地元インディアナポリスで開催された2002年度の世界選手権、アメリカはNBA選手で挑むも調整不足を露呈し、惨敗とも言える6位。ユーゴに連覇を許すと、04年アテネ五輪ではアレン・アイバーソンやティム・ダンカンらのスーパースターを招集したにも関わらず、アルゼンチンの前に敗れ去ったのだ。 |
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| もはや個々の能力と付け焼き刃の練習では勝てないことを悟ったアメリカは、今回“コーチK”の異名を持つデューク大の名匠マイク・シャシェフスキーを監督に据え、かつてロケッツを連覇に導いたルディ・トムジャノビッチをスカウト部長に要請。08年の北京五輪までの覇権奪還に向け、若きNBAのスーパースター、レブロン・ジェームスを軸にナショナルチーム・プログラムを組むに至った。このチームは、これまでと比較しても極めて運動量の高い選手が多く、身体能力の高さにチームワークが加われば爆発的な得点力が期待できる。だが、参加国の大半もまた、すでに多数のNBA選手を擁しているのが現在のバスケット界。「ドリームチーム」はアメリカだけではない。注目すべき選手を挙げれば、今やNBAの顔となったドイツのダーク・ノヴィツキー(マーベリックス)、2度のNBA優勝経験を持つフランスのトニー・パーカー(スパーズ)、同じくスパーズで活躍するアルゼンチンのエマニュエル・ジノビリ、中国にはロケッツのスーパースター、ヤオ・ミンがいる。とくにこの10年でプロリーグを成功させた欧州各国は著しい発展を遂げており、旧ユーゴのセルビア・モンテネグロやラトビア、スロベニアといった東欧の実力国だけでなく、古豪ギリシャやバスケット人気の高いスペイン、イタリアが一気に台頭。打倒アメリカに名乗りを上げるチームは数知れない。今回、コービー・ブライアントら故障者も出たアメリカは、逆境の中、権勢を取り戻すことができるのか? グループゲームから目の離せない激闘が続く。 |
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