予想されていたこととはいえ、ミハエル・シューマッハの引退表明はプロスポーツ界における一時代の終焉を告げる歴史的な出来事となった。
ベネトン時代、時の王者アイルトン・セナに勝負を挑み、セナ、プロスト、そして50年代の伝説的ドライバー、マヌエル・ファンジオの保持していた記録のほぼ全てを塗り替え、90億もの年俸を手にしたシューマッハ。
振り返ればシューマッハほど強烈なリーダーシップと勝利への執念を併せ持ったドライバーはいない。時に故意と非難されるアクシデントを起こしてまで勝利をもぎ取り続けたシューマッハだが、チームと抜群の信頼関係を築き上げ、スクーデリア・フェラーリを一丸となって再建し、肉体と頭脳の限界で勝利への計算を立て、表彰台では子供のように喜びを純粋に噛み締めた。真の姿は「どれほどモータースポーツを愛しているか表現し尽すことはできない」という引退会見の言葉に集約されている。
他方、コースの外ではユネスコやスマトラ沖地震の基金をはじめ、この4年間で58億の寄付を果たし、世論調査で「最も偉大なスポーツ選手」に選ばれたことも忘れてはならない。今季も総合優勝の期待がかかる皇帝は花道を飾ることができるのか。ラストレースは10/22だ。 |