伊藤華英と寺川綾。この2人が美少女高校生スイマーとして注目を集めてから既に5年の時が経つ。共に背泳ぎの100m、200mでオリンピックを目指すト
ップスイマーだ。その後2人とも大学に進学し、そして来春卒業する。外野から見る限り2人のライバル関係は今も変わっていない。もし変わったことがあるとすれば、この5年の間に寺川はアテネに出場し、伊藤は出場できなかったということだろう。オリンピックに出場したか、していないか。水泳選手にとってはその間に大きな隔たりがある。寺川は2004年日本代表としてアテネに出場したのだ。
オリンピックスイマーとなった寺川に先行され、大きく水を空けられたかに見えていた伊藤だったが、この2年は復調著しい。体質改善と筋力強化が実を結んでいるのだ。中でも今シーズンの活躍は目を見張るものがある。4月に行われた日本選手権では200mで日本新記録を出すと、ワールドカップストックホルム大会では100m、200mともに優勝。ベルリン大会では100mこそ4位に終わったが、200mではここでも優勝した。北京を前にいよいよ伊藤華英の時代がやってきたか?
だが油断は大敵だ。近年の日本の女子水泳陣にあって、最も層が厚いのが彼女が泳ぐ背泳ぎなのだ。もう十分ベテランと言える2人のオリンピックスイマ
ー、中村真衣、中村礼子が北京を目指していよいよ本格的に稼動した。寺川を合わせた4人で、北京出場の二つの椅子を争うのだ。
激しいレースの後でも変わらない優しげな眼差しはあの高校生の時と今も同じだ。当時は線が細く、パワー不足を指摘されていた体にはしっかりと筋肉が付き、天性の形のよい長い手足が彼女の確かな武器となっている。そんな彼女が今度こそオリンピックスイマーの仲間入りができるか? その試金石となる大会、世界水泳は来年3月に開催される。
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