1949年に始まったロードレース世界選手権は長くWGP(World Grand Prixの略)の名前で親しまれてきた。その時代の終盤の90年代に活躍し、ノリックの愛称で世界中のライダーの憧憬の的となった阿部典史という日本人ライダーがいた。1995年から当時の最高カテゴリーだった500ccクラスにフルエントリーして通算3勝。数多くの名勝負を繰り広げた。また250 ccクラスでは、1993年にワールドチャンピオンになった原田哲也や2001年にワールドチャンピオンになりながら、2004年レース中の事故で急逝した加藤大二郎ら、数多くの日本人ライダーが活躍した。そして2002年にトップカテゴリーの排気量が500ccから990ccへと一気に引き上げられ、よりスピードに溢れるレースが見られるようになった。これを機会にそのシリーズ名もWGPからMotoGPに変更された。 |
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今シーズンの見所の一つは5年ぶりの大幅なレギュレーションの変更だ。排気量が昨年までの990ccから800ccに押さえられ、その他にもライダーの安全を考慮した様々な規制が設定された。このレギュレーションの変更にコンストラクター(チーム&マシンメーカー)の対応が注目された。現在、このトップカテゴリーに参加しているコンストラクターはヤマハ、ホンダ、ドゥカティ、カワサキ、スズキ、チームロバーツの6社。レギュレーション変更に対応して、それぞれのコンセプトで新しいマシンを仕上げていった。多くのチームが、排気量の減少に伴う、パワーのマイナスと車重の軽量化から、バランス重視、コーナリングスピードを重視してマシンを仕上げた中、直線スピード重視でマシンを仕上げたチームがあった。それがドゥカティだ。そしてこのドゥカティの作戦が見事に的中するのだ。 |
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MotoGPになった頃から、このトップカテゴリーは、ホンダ、そして2004年以降はヤマハのマシンを駆った天才ヴァレンチーノ・ロッシの独壇場だった。彼は2005年まで5年連続世界チャンピオンに輝き、この間、実に50勝以上をあげ、絶対的な王者として君臨していたのだ。だが、そのロッシも2006年はトラブル続きのために5勝どまりで、年間チャンピオンの座をホンダに乗ったニッキー・ヘイデンに譲った。そして迎えた2007年は、昨年の雪辱を期すロッシがチャンピオン争いの先頭に立つと思われていた。だが蓋を開けてみると状況は全く違っていた。 |
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開幕戦のカタールGPで圧倒的なスピードで勝利したのは、今年ホンダからドゥカティに移籍し、この勝利がトップカテゴリーで自身初優勝となったカーシー・ストーナーだった。続くスペイングランプリではロッシが勝利したものの、第3戦、第4戦にはストーナーが連勝。その後もストーナーが先行しロッシが巻き返しを図る展開が続き、結局第11戦のアメリカGPが終わったところまでで、ストーナーが早くも6勝、追いすがるロッシは3勝止まりで、チャンピオンポイントでも44ポイント差を付けている。残すは7戦。今後もこの二人の争いが続くと予想されるが、ストーナー優位は揺るがないだろう。9月22日・23日にツインリンクもてぎ(栃木県)で行われる日本グランプリでは、この二人を中心とした激しいレースが繰り広げられるはずだ。 |
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今年、このMotoGPのトップカテゴリーにフルエントリーしている日本人は二人。ホンダに乗る中野真矢とヤマハに乗る玉田誠だ。共に今シーズン、中野はカワサキからホンダに、玉田はホンダからヤマハにバイクを乗り換えている。今年30歳になる中野が世界選手権にデビューしたのは、1999年250ccクラスからだった。この年に初勝利をあげルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝き、翌2000年には5勝をあげ総合2位、2001年に当時まだ500ccだったトップカテゴリーにステップアップした。この時もルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝き、将来を期待されたが、その後トップカテゴリーではまだ未勝利で、総合ランキングでも昇格した年の5位を最高に、その後は二桁台続きで、今年はマシンを昨年のチャンピオンマシンであるホンダに乗り換え、心機一転初優勝を目指している。
一方の玉田が世界選手権にデビューしたのは2003年。いきなりMotoGPクラスでのデビューだった。この年は3位表彰台に上るものの未勝利だったが、翌2004年は日本グランプリも含め2勝。総合ランキングでも6位に食い込んだ。だが一昨年、昨年は総合順位10位台に甘んじ、玉田もチーム移籍の道を選んだ。今期も二人は今のところ表彰台に程遠いが、9月に行われる母国グランプリでの、その走りに期待が集まる。 |
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