だが、この日の上田は1年前とは別人だった。序盤から2連続バーディでスタートし、更に7番ホールではパー5のところを2打で終えるアルバトロスで一気に優位に立った。このアルバトロスは、日本の女子ツアー史上8回目という快挙だ。勢いに乗ってライバルを引き離したい上田だったが、11番でボギー。それに対してL・デービスは失速したが、代わって追い上げたアメリカツアーの若手レイリー・ランキンとヨースとの間で1打差の攻防を繰り広げる。最後は上田がこの二人に2打差を付けて逃げ切り、日本人としてこのトーナメント10年ぶりの優勝を果たし、優勝賞金2415万円を手にして賞金女王レースで一気に優位に立った。さらにこの優勝で、上田は来シーズンのアメリカツアーの参加資格も手に入れた。
今シーズン、日本の女子ツアーの賞金ランキングトップを走る上田桃子。今年の上田の強さはまずは精神面での成長があげられる。さらにドライバーをキャロウェイのFT-5に変え、昨年に比べ格段に飛距離が伸び、また安定したことも理由にあげられる。さらにパットも精度があがってグリーン上でも一段と強さをみせるようになった。データで見ても平均ストローク、パット数、パーセーブ率でライバルたちに差をつけトップに立っている。昨年の上田自身と比べてみても、平均ストローク数で昨年は72.6341で今年は70.8050、パット数で昨年の1.8548から今年は1.7750とどちらも飛躍的に伸びているのが分かる。こうした成果が上田を最年少賞金女王に突き進ませているのだ。
だが、実は上田桃子は、横峯さくらの猛追を受けていた。今シーズン4月のライフカードレディスゴルフトーナメントでツアー初勝利をし、その後6月のリゾートトラストレディス、7月のスタンレーレディスゴルフトーナメントに優勝し3勝をあげていた上田に対し、横峯は5月の中京テレビ・ブリヂストンレディスオープンで今シーズン初勝利のあと、8月の新キャタピラー三菱レディース、更に10月の富士通レディースに勝って上田と同じ3勝目をあげ賞金総額を1億円台に乗せ、上田に迫った。この富士通レディース最終日、上田と横峯の間にドラマがあった。
最終日1位で迎えた上田と3位で迎えた横峯は同じ組でラウンドだったが、15番を終えて4打差がつき、また上田と1位タイだった李知姫も失速し、上田の優勝は決定的に思えた。だが16番で上田がボギーに対し、横峯はバーディで一気に2打差に。その後1打差となった18番ホール、優勝を決めるはずだったおよそ1mのパットを上田が外して、上田と横峯のプレーオフに突入した。その1ホール目はともにバーディ。そして2ホール目に、上田が第2打をグリーン前のガードバンカーに入れ万事休す。横峯の逆転優勝を許したのだ。その横峯はこのミズノクラシックではリズムをつかめず、3日間トータルで2アンダーの24位タイと沈んだ。
そしてもう一人のライバルが韓国出身の全美貞だ。日本ツアー2年目の全は、昨シーズン既に3勝をあげて賞金ランキングで2位に躍り出て最優秀新人選手にも選ばれた。そして今シーズンは序盤の屋島クイーンズゴルフトーナメント、サロンパスワールドレディスゴルフトーナメント、更にミズノクラシックと並ぶ高額賞金のヴァーナルレディースと3連勝で賞金ランキングトップに立ったが、その後勝ち星に恵まれず後退。だが先週の樋口久子IDC大塚家具レディスに優勝し再び賞金ランキング3位に上昇し、今週のミズノクラシックを迎えた。だが、全も全く調子に乗れず、3日間トータルでイーブンパー。35位タイに終わった。
この結果、優勝した上田が2位横峯との差をおよそ3200万円に広げ、3位全との差は3500万円に広がった。残り3戦でのこの差は、上田が賞金女王をほぼ手中に収めたといっていいだろう。デビュー3年目で一気に初タイトルの可能性が広がってきこの結果、優勝した上田が2位横峯との差をおよそ3200万円に広げ、3位全との差は3500万円に広がった。残り3戦でのこの差は、上田が賞金女王をほぼ手中に収めたといっていいだろう。デビュー3年目で一気に初タイトルの可能性が広がってきた。さらにミズノクラシックに優勝しアメリカツアーのシード権を得たことで来年渡米する可能性が高まってきた。上田も世界に羽ばたく時が刻一刻と近付いている。 |