「今日からプロゴルファーの石川遼です」
1月10日に行われた石川遼のプロ転向記者会見はそんな石川の端的で分かり易い一言で始まった、16歳3ヵ月24日の史上最年少ツアープロが誕生した瞬間だった。
日本の男子プロゴルフ界は“ハニカミ王子”旋風の真っ只中だ。昨年5月のマンシングウェアオープンKBSカップで彼が優勝して、いきなり突風が巻き起こった。ゴルフ、スポーツのジャンルだけでなく、ワイドショーや夜のニュースまでもが、彼の動向に注目し、彼の取材をめぐって様々なトラブルも発生した。それもこれも、彼の話題性、人気の高さが起こしたものだ。ゴルフのプレーの方でも、2007年末までに、プロツアー7戦に出場して、5戦で予選通過を果たした。各トーナメント優勝者が出場する最終戦の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」でも、日本を代表するトッププロたちと堂々のラウンドをして見せた。この大会にアマチュアゴルファーが出場するのも初めての快挙だった。
これまで、アマチュアで活躍した数多くの選手がプロ入りしてきたが、これほど注目を集め、話題を提供したプロ転向があっただろうか? そもそも日本の男子のトップゴルファーの多くは大学卒業後プロ入りすることが多かった。かつて若くしてプロ転向をした代表的な選手は中島常之。それでも高校卒業直後だ。高校1年生の石川のプロ転向も、もう少し先ではないかと噂されていた。彼がアマチュアの大会での優勝を意識していて、念願だった日本アマチュア選手権を予選落ちしているのをはじめ、狙うべき大会がいくつも残されていたからだ。また石川自身が学校生活を大切にしていることも伝えられていた。この時期にプロ宣言をした理由に、石川自身は「学校との両立の目処が立ったため」と記者会見で答えている。とは言うものの昨年5月のツアー優勝で得たシード権は2009年シーズン終了まで。この間に次のシード権を得る結果を残すために、丸々2シーズンあった方が無難だという配慮も働いただろう。