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昨年の後半の不調について、父・優氏は、6月に痛めた足の怪我のために下半身のトレーニングが満足にできなかったことが原因で全体のバランスを崩していると、語っていた。今年は、フィジカル的にも復調して、晴れ晴れとゴルフを楽しむ藍ちゃんを見られると信じていた。ところがだ…。
アメリカ女子ツアー開幕戦のSBSオープンでは、パットに苦しみ9オーバー、153位で予選落ち。続いて出場した、昨年3位に入ったフィールズオープンでも7オーバー、125位で予選落ちと良いところがない。ショットはそこそこだが、昨年安定していたパッティングが安定感を欠き、藍ちゃんらしさがまるでないのだ。表情も冴えないし、これまでで一番のピンチを迎えているように見える。これには普段藍ちゃんに手厳しいメディアも「どうした宮里藍」とエールを送り出した。
その論評の多くが、渡米以来の彼女のストレスを原因にあげている。慣れない環境、言葉の壁、そうした中で無理に明るくポジティブに振る舞おうとする彼女自身の姿勢が、自らストレスを生んだのだと。そう言えば、我々も勝つのが当たり前であるかのように、いつも「いつ優勝するんだろう?」と思って、彼女のプレーを見ていた。彼女はその期待に応えようと必死の努力を重ねているうちに、心に大きな影を作ってしまったのかもしれない。
2003年、ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメントに当時高校3年生で優勝した藍ちゃんは、その直後にプロ宣言。翌年から本格的にプロとして参戦し、早速5勝をあげる活躍を見せてくれた。2005年も国内で7勝を上げて賞金女王にあと一歩の活躍を見せる一方で、海外ツアーにも積極的に挑戦し、全英オープンで11位、世界マッチプレーでも3回戦まで進出している。さらにアメリカツアーの出場権をかけた予選会ではぶっちぎりの成績で2006年のアメリカツアーのシード権を得た。
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そんな藍ちゃんを見てきた日本のファンは、実際に藍ちゃんがアメリカツアーに参戦すれば、優勝は当然のことのように期待していた。2006年早々に発表された世界ランキングでも9位につけ、実際に全米女子プロゴルフ選手権3位、全英女子オープンゴルフ9位と入賞、
LPGAチャンピオンシップでも3位になったものの、時間の問題だと思われたアメリカツアー初優勝は、翌シーズンに持ち越しになった。そして、昨年の“スランプ”。予選落ちが6回を数えた一方で、ワールドマッチプレーの2位など結果が出たトーナメントあり、賞金ランキングも17位と22位からアップし、決して一般的に言われているほど悪い成績ではなかった。
今号の「Spopre棋士列伝」(P24)でインタビューに答えて頂いた現在最強の棋士羽生善治さんによると、将棋の世界には「スランプも3年続けば実力のうち」という言葉があるという。確かにその通りだろう。思えば藍ちゃんが最後のトーナメントに勝利したのは、一昨年9月に一時帰国した際にプロデビューのきっかけになったミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント。以来、足掛け3年間勝利から見放されている。もちろん、ここで藍ちゃんに実力が無いと言うつもりはない。スランプと言われながらも昨年も立派な成績を残している。それでもスポーツ選手としては、常に今より上のポジションを見続けて最高の結果を目指す姿勢を必要とされる。彼女のように期待されている選手は尚のことだ。だが、時には自分が置かれた今の状況、成績を自分の実力だと受け入れて、肩の力を抜くことも必要かも知れない。そう、ゼロからのスタートだ。それが優勝への近道ではないだろうか?
「がんばれ藍ちゃん!」
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