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―これまで日本人を代表して戦う気持ちはありましたか?
「周りに日本人がいなければ、必然的に自分にのしかかってくるものだし、自分がやらなければいけないと思いこまされました。ヘビー級のデカイ選手の中で日本人が勝てないと思われていた時代が長く続いていて、自分もやっているのに『とりあえず頑張って』『怪我だけはしないで下さいね』みたいな言い方をされていたのが自分では悔しかったです。結果を出さないといけないのがプロスポーツの世界では当たり前なのに、最初から日本人には勝つのが難しいみたいな環境がすごく嫌でした。これを覆したいと気持ちは強かったです。トラック競技で言うと、為末さんがハードルで、もしかしたら優勝できるかもしれないっていうところまで、概念を上げたじゃないですか。K-1もそうしないといけない、それをするのが自分の仕事だって。日本人だって優勝できるような見方をしてもらいたいという気持ちが強かったです」
―周囲のそういう見方は変わったと思いますか?
「以前はK-1の決勝トーナメントに出るって言ってもファンの食いつきは、あまり無かったんですよ。日本人がいるなっていうぐらいの見方ですね。でも2003年にK-1ワールドグランプリで準優勝した時からは『優勝して下さいね』という意見に変わりました。オリンピックで言うと、銀を取ったら次は金を取れますよ、っていう見方に変わったと思います。その時に初めて、やっと日本人に対する見方が変わったと感じました」 |
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―澤屋敷戦の前にメディアは世代交代を取り沙汰しましたが、武蔵選手自身はどのように思われますか?
「どんなプロの世界でも、強い者が生き残ると思うんですよ。弱ければ若いうちでも消えていってしまうし、実際、今のヘビー級の名選手も良くも悪くも結構残っています。(ピーター)アーツや(レイ)セフォーも残っているので、日本人だけ早いってのは嫌だし、それがイコール外国人に負けているって気もするんです。あくまで格闘技っていうのは強ければそれで良いんだって思います。実力至上主義ってわけじゃないですけど、強ければ生き残る、強ければ陽の目を見る世界だと思っています」
―世代交代は年齢的なものでするわけではないということですね。
「そうですね。格闘技やスポーツに定年退職はないと思うので、気持ち的なもので辞めようと思うんだと思います。まだまだ闘志と言いますか、闘争本能っていうのは消えていないので、もうちょっと戦えるかなと思っています」
―武蔵選手の闘争本能と言いますか、そのエネルギーの源はどこにあるのですか?
「昔は変身願望が強かったんですよ。ジャッキー・チェンの映画を見て憧れをもっていて、昔は喧嘩なんかしない温厚な性格だったので、同い年の喧嘩の強い人たちとかを見ていて羨ましかったんですね。別にイジメられっ子だったというわけではなかったのですか、そういう変身したい自分がいて、変身できるのが格闘技という場所だったんです。そのまま格闘技の世界に入って、リングに立った時、自分がヒーローになった感じになったんです。今のモチベーションっていうのは、当然チャンピオンになりたいってのはあるのですが、俺の戦い方で天下を取りたいってのもありますし、自分がつけた光を消したくないなっていう強い願望があります。自分がもしいなくなったら、やっぱり日本人ダメじゃんってなるのが恐いですね。日本人がいない大会なんて絶対に有り得ないって思っています。外国人ばかり活躍している試合なんて絶対面白くないじゃないですか。日本人がどれだけやれるかってのが一番みんなが期待していると思っているので、それがモチベーションにはなってます」 |
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―K-1の魅力とはなんだと思いますか?
「今は総合格闘技とか色々とありますけど、K-1というのは元祖立ち技のみの格闘技です。男の子は感情に任せて手をあげます。いきなり寝技にいく人なんていないと思うんです。まず怒りに任せてやるのが打撃だと思うんですよ。その殴って蹴ってっていう誰にでもできるものの進化版がK-1だし、それが正に格闘技だと思うんです。だから格闘技をやってない人でも分かりやすいのがK-1だと思います。中量級ならスピード、ヘビー級なら一発の重みといいますか、相手がバッタバッタ倒れるのに熱狂するのが良いと思います」
―今後の目標を聞かせてください。
「チャンピオンになりたいとか当たり前なので、あえて言いません。僕の好きな漫画で『クローズ』というのがあるんですが、その中に出てくる言葉に『最強は最高に勝てない』というのがあって、全くその通りだと思うんです。最強ってのは、強いかもしれないけど魅力があるのか?
いま最強と言われているセーム・シュルト選手。やっぱり強いですし、3連覇していて凄いチャンピオンだとは思いますけど、ファンが熱狂するチャンピオンであるのかっていうと違うと思うんです。ファンが見て『あの人、最強だよね』と言われるよりも、『あの人、最高だよね』って言われたい願望があります。それがプロの選手と言うか、エンターテイナーと言うか、良いパフォーマンスを見せれている選手の評価だと思っています。僕はそういう選手になりたいと思っています」 |
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武蔵 Musashi
1972年10月17日生まれ 大阪府出身
身長 185cm/体重 102.2kg
正道会館所属(空手)
1995年 K-1デビュー
2003年、2004年 K-1ワールドグランプリ準優勝
2005年 K-1ワールドグランプリ第3位
1999年、2000年、2002年、2003年 K-1ジャパングランプリ王者 |
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