イヴィッド・ベッカムの2004年は“セレブリティー面”の噂で相当に侵食された感がある。そのほとんどが、春先と秋口に集中するように英国メディアを騒がせた浮気疑惑だが、これは彼が故障リタイア中かヴィクトリア夫人の課外活動(?)と密接にリンクしていて、いわば“お約束”のネタ作りとして進行したきらいがある。真偽のほどはこの際脇に置いて、むしろ「ベッカム家健在」をアピールするためにメディアが協力しているのではないかと思いたくなる経緯とでも言おうか。つまり、“銀河系軍団”でフットボーラー・ベッカムが不足のない活躍をしている間はそれでよし、「そうでないとき」は私生活から何が何でもネタを掘り返そう、というわけだ。一番得をした(少なくとも、そう見える)のは、部数を増やした三流メディアと、自らデザインしたアクセサリーのプロモーション機会を探していたヴィクトリア夫人か。ダシに使われたベッカムはどこか泰然自若の体?
噂が独り歩きするという点にかけて、今やベッカムは世界一“お手軽”なターゲットになってしまったのかもしれない。突然いずこからともなく飛び出した「2006年で引退して俳優になる」話にしても、苦し紛れのでっち上げっぽい。後にベッカム自身「そんなことは考えたこともない」と笑い飛ばしたことは、なぜか日本のメディアは触れもしない。“本業”の方では、ユーロ2004のベッカムは明らかに(自ら認めたように)コンディション不良、レアルのシーズンスタートが冴えなかったせいでこちらももうひとつ話題に乏しく、結局はワールドカップ予選での“カジュアル”な「キャプテンたる矜持表明」が目だった程度。傍目にはどことなく思うに任せない苛立ちも感じられのは、本人がいたってマイペースであればあるほど周囲が物足りなくなってしまうからなのだろう。じっくり観察すれば“チームプレーヤー・ベッカム”のイメージは着実に築かれてきているのだが・・・・。
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