
年11月末、あわやJ2降格かと思われたセレッソ大阪を執念の2ゴールで残留に導き、12月には入籍、そして出発前夜のキリンチャレンジカップ・ドイツ戦への出場と、休む間もなく日本を後にした大久保嘉人は、今“念願の地”スペインにいる。マジョルカへの移籍が決定したのは昨年の11月8日。大久保の国際的評価は、アテネ五輪での活躍によるところが大きい。もっとも、名門・国見高校時代8得点の大活躍で選手権大会V、インターハイ、国体と併せて3冠を達成、セレッソ入団後もナニワのエースとしてファンを沸せてきた大久保の視野は、早くから海外へ向けられていた。だが、セレッソがエースに対して「海外よりもまずJリーグでの成績」と厳しい注文をつけるのは当然の事であり、大久保自身もチームを率いる苦悩と日本代表の過酷なスケジュールの狭間で、ようやく勝ち得たA代表も昨年2月のイラク戦を最後に遠ざかる。そんな中、唯一訪れた国際舞台へのチャンスがアテネ五輪U-23代表だ。JAPAN率いる山本昌邦監督が合言葉とした「世界標準」。大久保はそれを象徴するかのような進化を見せ、アテネではチームの敗退に悔し涙を流すも、持ち前のドリブルやパスワーク、そして世界から遠ざかっていた鬱憤を晴らすかのようなゴールがインパクトを残し、FIFAの選ぶTOP10プレーヤーに選出される。4年に1度の祭典は大久保の名を日本のストライカーとして世界に知らしめ、こと、シーズン途中で就任したマジョルカのクーペル新監督は、得点力不足を補うチームの再建案として大久保獲得に乗り出したのだ。世界最高峰の呼び声高いリーガ・エスパニョーラは大久保のもっとも望むリーグ。6ヶ月の期限付きレンタル移籍とはいえ、結果次第ではオプションとしての完全移籍もある。そのために大久保自身もスペイン語の勉強も怠りなく進めているようだ。先日、放送された「やべっちFC」(テレビ朝日系)の中で、「サッカーを愛する人のスペイン語」を読んでいる姿もあったようだ。低迷するマジョルカで、大久保はくしくもセレッソ同様、降格の危機を救う役割を担うが、この命運こそ、これまでの苦労を活かす時でもある。大久保らしいシビれる状況での活躍に期待しよう!
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