GO FORWARD

アテネオリンピックで敗れ去り、復活を期して北京オリンピックを目指す井上は、翌年2005年1月の嘉納治五郎杯国際柔道大会で涙の復活優勝を果たした。
しかし神は彼にまたしても試練を与えた。嘉納杯後、井上は大胸筋腱断裂の大怪我を負い、手術と長期のリハビリの日々が続いたのだ。またその最中によき理解者だった兄を亡くした。神はどこまで井上に試練を与えるのだろうか。

だが、その苦節を乗り越え彼は確実に復活をしてきている。昨年6月に行われた全日本実業柔道団体対抗で、1年5カ月ぶりに大会に出場した井上は、得意の内股を武器に圧倒的な強さを見せ付けた。この大会で出場した3試合全てに1本勝ちした井上に、周囲からはアテネ以前より心身ともに強くなったという声があがっていた。その後も確実に進化している井上は、今年に入ってからフランス国際大会出場し、世界の強豪を打ち破って、優勝を果たしている。

シドニーオリンピックで僅か22歳で優勝した井上は、亡くなった母の遺影を胸に表彰台に立ち、世界一の孝行息子と各国のメディアから注目された。
井上にとって、柔道は人生そのもの。彼のここまでの半生を見る時、そのことを思わずにはいられない。もうすぐ行われる世界選手権、そして来年の北京オリンピックで、神は井上にどんな人生を与えるのだろうか? 彼のチャレンジに注目せずにはいられない。

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